『名もなき勇者たちよ』(落合信彦 著、、集英社文庫) | 鎌倉から…

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名もなき勇者たちよ (集英社文庫)/落合 信彦

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両親をテロで失い、心を凍らせたままイスラエルの情報機関モサドに入局したレイチェル・アザリアス。モデル顔負けの容姿に、並外れた頭脳と身体能力。わずか数年で、成功率100パーセントの暗殺者“カリプソ”へと変貌を遂げた彼女だったが…。実在の人物をモデルにした女性エージェントの苛酷な運命を軸に、情報界に生きる男たちの国家の存亡をかけた闘いを描く長編。


本ブログ初登場、落合信彦さんの作品です。落合さんはジャーナリストとして仕事をした経験を活かし、国際的な諜報・謀略などを描いた小説を多く発表しています。非常にリアリティの高い小説ばかりです。

この本の主軸となるのが、イスラエルの情報機関・モサドです。モサドは1949年に創設され、一説には世界最強の情報機関だとも言われています。アラブ諸国の反対を押し切って建国されたイスラエルは、強力な盾を持たなければならなかった。モサドはその中心であり、自国を守るために様々な諜報活動、そして暗殺などの破壊活動を行ってきました。

この本ではそんなモサドの一人の女性エージェント・レイチェルの運命を軸に、過酷な諜報の世界を描いています。序盤から中盤にかけては、様々な人々の複雑な思惑が絡み合って物語を作っていきます。女性エージェント。情報機関による殺人を追う刑事。モサド副長官など。そして、終盤に入るとレイチェルが与えられたある任務がストーリーの中心となっていきます。この本はいわゆる謀略物の小説ではありますが、一人の女性の成長を描いた小説として読むこともできます。

皆さんもぜひ読んでみてください。