- さよならドビュッシー (宝島社文庫)/中山 七里
- ¥590
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この本は「このミステリーがすごい」大賞を受賞しました。著者のデビュー作でもあります。
この本の最大の魅力は息をつく音楽シーンの描写だと思います。作中ではピアニストを目指す少女が出てくるのですが、そのピアノ演奏シーンがかなり鮮明に描かれています。説明しずらいのですが、まるで音が聞こえてくるような錯覚を覚えた気がします。そして音楽用語を並べ立ててはいますが、それが読者の負担になることなく、サラリと読めるような文章になっています。この筆致はなかなかのものです。
ただし、ミステリとしては非常に古典的なトリックを使っています。多分読み慣れている人なら、中盤くらいで展開が読めてしまうでしょう。しかしそれでも、描写力は素晴らしいものなので、読む価値は十分にあると思います。
皆さんも是非読んでみてください。