蘭亭ぽん多(らんていぽんた)
洋食/とんかつ
どんなぉ店?
とんかつ激戦区として知られる上野、なかでも御三家と呼ばれるのがロースかつの双葉、ひれかつ
の蓬莱亭、そして低温揚げのぽん多。※1上野のとんかつ屋はとんかつ単品メニューの店が多い。
その上、ロースだけ、ひれだけ、子供不可などという限定までつくところもある。例えば、神宮前の
まい泉だととんかつの他にもカツカレー、かつ丼、その他かつ以外のメニューも多数ある。※2.
ゲイバーでいえば、まい泉は素人歓迎のニューハーフショー、上野はハードゲイの店というところか
(何のこっちゃ)。
「ぽんた」という名前のとんかつ屋は知る限りでは東京に3店ある。※3.上野近辺には本家ぽん多
と蘭亭ぽん多と2店あるのだが、本日訪問したのは湯島寄りにある蘭亭ぽん多。ぽん多系の低温
揚げとんかつは、普通「とんかつ」と言われて思い起こすものとは少し異なる。
それは、
*衣がクリーム色
*肉はロースだが脂身を削ぎ落としている
*小判型で肉厚
*肉汁が多く豚肉の風味が濃い
そしてもうひとつの特徴は、g当りでは一番高いのではないか、という値段。何しろ特製とんかつ
単品で3400円。ご飯、味噌汁、お新香は別料金で合わせると4200円、つまり「とんかつ定食」に
すると一人前4000円以上するという計算になる(定食形式にはなっていないので、自分で組み合わ
せなくてはならない)。
実食
上野の両ぽん多はもともと洋食屋なので、とんかつ以外にもタンシチュー(要予約)や海老フライ、牡蠣
フライなどもある。ただし客が頼むのは9割以上とんかつではないか。来店したのは土曜日のお昼を少
し回ったところ。11時半開店なのだが満席で10分ほど待たされる。
とんかつには特製とんかつと上とんかつとあるが、質ではなく大きさの違いだという。二人で来店したので、
特製とんかつ、ご飯、味噌汁をふたつづつ、お新香ひとつ注文する。「低温で揚げるので時間がかかる」
と店内にも但し書きしてあるが、それほど気にならないタイミングで出てくる。並べるときに店のひとが、
「最初の一切れは塩で食べてみてください」と言う。
とんかつは最初から4つに切り分けられている。5㎝近くある切断面は淡いピンク(さしん参照)食べてみ
ると豚肉の薫りが広がる。これは他のとんかつでは余りない体験だと思う。ロースを使っているが脂身は
すべて削ぎ落としてあるのでしつこい感じはない。その上、肉を叩いているので食感は柔らかい。しかし、
厚みがあるので「肉を食べている」感覚は充分味わえる。ただ、衣は薄く、肉汁が出ているのでサクサク
感には欠ける。
塩の他にソース、ケチャップが出てくるが、やはり塩で食べるのが一番合う。これは出されるソースとの
相性の問題かもしれない。※4.肉を叩く作業は食卓と同一フロアにある作業場で行うので、食事の最中
ず~っとBGMとして聞こえる。騒音が苦手なひとは少し気になるかもしれない。
評価
厚さ2~3㎝くらいで端には脂身がついて狐色のサクサクした衣のとんかつ、をイメージすると期待は裏切
られる。しかし、「豚肉の食べ方」としては大いに評価するべき味覚と風味と食感だといえよう。
ただ、問題は価格。今回も二人で行って一万円札を出してお釣りは硬貨のみ。たぶんご飯のお代わりも
請求に入っているのだろう。他の高級とんかつ屋でも"定食"で2500~3000円(まい泉の黒豚ロースかつ膳
2,995円、双葉のとんかつ定食2,940円)。つまり、他の有名店と比較しても3割ほど高価なのだ。
ご飯のお代わりも取られるし…。
しかし、とんかつといっても「ぽんた系」は紹介したように他のとんかつ屋と画然として異なる。そう考えても、
やはり安くはない。安くはないが、豚肉好き、とんかつ好きのひとは一度訪れる価値はある。
上野は遠いというひとや、4200円はチョットというひとは、代官山ぽん太は同様のとんかつが定食で2,700円。
ただし、肉厚は当然だが上野たちに比べると負けている。
※1.他にもまい泉など井泉系の源流である井泉とか。
※2.地方によってはソースかつ丼との対比か、「煮かつ丼」と呼ぶ場合があるが、東京ではかつ丼=煮かつ。
※3.ぽん多は上野に2店、恵比寿に1店(ぽん太)。
※4.まい泉で黒豚定食以上を頼むと出てくる特製ソースは秀逸、特にキャベツにかけると旨い。
味abcdefg★★★
雰囲気ab★★☆
価格abcd★★
豸苗abcd♡
蘭亭ぽん多(らんていぽんた)
東京都文京区湯島3-37-1
03-3831-6203
11;30~14:00(L.O.)
16:30~20:30(L.O.)(日・祝日~20:00L.O.)