宝塚と歌舞伎
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TVで宝塚特集をやっていた。少ししか観なかったのだが、男役の私服がホストのセンスと似ているという話題があった。以前からホストのセンスは悪いな~と思っていたのだが、あれは男性のセンスというより、「男に入れあげたい女性のセンス」なのかと思った。

 

不思議なことに日本には「女性だけの演劇」と「男性だけの演劇」が並存している。一方は「鉄道会社の集客」、もう一方は「女性や若い男性演劇=エロになる、なのでしかたなく男性だけ」と成立経緯も異なるのだが、オ○マなどに関係ないパフォーマンスアートとして両方が成立しているのは日本だけではないか。

 

日本の演劇、ミュージカル、音楽、オペラなど一部のPOPSやロックを除くと金銭的に恵まれないのが常識らしい。演劇全体がそうとはいえないし劇団四季などは儲かっているらしいが、オペラやミュージカルは海外の公演という大きなライバルがいて、日本でも演じたりする。しかし、宝塚と歌舞伎には直接的なライバルは存在しない。ここら辺も強みのひとつかもしれない。

 

他にも両方とも、「閉鎖社会」という共通点もある。宝塚は付属の音楽学校出身者しか採用しないし、退団後は戻れない。歌舞伎は変化しつつあるとはいえ、世襲がメインである。研究してみると日本の文化的基盤(?)の理解につながるかもしれない。

 

今回、宝塚を調べてみてあらためて「芸能界への人材供給源」であることがわかった。歌、芝居、踊り、の基礎ができているわけだから、当たり前といえば当たり前かもしれないが、古くは、越路吹雪、新珠三千代、八千草薫、寿美花代、朝丘雪路、浜木綿子、扇千景、松あきら、最近でも大地真央、黒木瞳、真矢みき、天海祐希、純名里沙、檀れい、紺野まひる、と続々輩出している。

 
歌の上手
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連休中に「SMAP×SMAP」で、"09 GWにもう一度聴きたい!名曲歌謡祭ベストセレクション"という番組があった。要するに「プチなつメロ」である。出演者は、甲斐よしひろ、小林明子、中村あゆみ、カーペンターズ、C−C−Bなど。

 

当然本人が出て歌うのだが、曲の途中からSMAPのメンバーが割り込んで一緒に歌い出す。「SMAP×SMAP」は通常放送でもゲスト歌手との"コラボ"※1.が定番なので、この番組のファンには違和感はないのだとおもう。だが。。。

 

メンバーの歌が下手過ぎて悲しくなった。よく、ものまね番組で「ご本人登場」というヤラセ場面が登場するが、「あぁ、やはり本人はうまい」というような印象になる。最近は、CD制作などもデジタル録音でよい部分をつまんで作れるので、実際ライブで生声を聞くと「ゑっ!?」ということもあるらしい。※2.

 

SMAPも「すんごく上手」くはないにしても、それなりに訓練もしているわけだから、そこそこだと思っていたのだが悲劇的に下手だった。まあ、他人の楽曲を歌ってすごく上手いひとというのはそんなに多くはないのだが、とにかく酷かった。

 

そういえば昨年末の特番だったと思うのだが、広瀬香美と若手実力派シンガー達の"コラボ"があった。広瀬香美もあの独特の高音で上手な歌い手だと思うのだが、その本人の前で広瀬香美の曲を歌ってある意味超えていたのがただひとり絢香だった。よく「歌スタ」で「絢香とMISIAは選ぶな」といわれているが、これほど上手いのなら避けて当然という気がした。

 

あと、「歌が上手い」といえば、タモリが「生涯最高」というのが井上陽水。歩いていたら急にアカペラでビートルズを歌いだしたときの印象、だそうだ。

 

※1.こういうフレーズあまり使いたくないのだが、人口に膾炙してるので。。。
※2.美空ひばりのレコードは「オーケストラと同録」、つまりすべて「スタジオライブ」だったという。技術と機器の発達により別録りができるようになっても最後まで同録にこだわったという。




 

帰れない二人

 

井上陽水続きでもうひとつ。陽水と忌野清志郎は友人だった。くわしいことはわからないが、陽水は当初「アンドレ・カンドレ」という芸名でホリプロに所属。同時期に清志郎もいたらしい。不遇時代のふたりはお互いに行き来し、曲も一緒に作っている。陽水がのちに述懐して「どっちがどう作ったのかわからない」という曲は、「井上陽水」としての三作目のオリジナルアルバムに共作として2曲収録された。

 

このアルバムが日本初のミリオンセラーを記録し、陽水を一躍「フォークの帝王」にした「氷の世界」である。まだ売れていなかった清志郎は、この2曲の印税で何年か食いつなげたという。

 

たしかに私もアルバムを手にしたとき、「忌野清志郎?何で」と思ったものだ。