イメージ 1

 

「鍋島焼」とは江戸時代に藩直営の窯で焼かれた将軍家への贈答品を頂点とする超高級磁器で、一般の伊万里や有田と区別されている。もともと佐賀は将軍家に中国から輸入した磁器を献上していたが、明から清への王朝交代により輸入が困難となる。このため独自に磁器を開発する必要が生じ、中国人から技法を学んでつくりあげたのが鍋島焼だ。

 

イメージ 2

元来、有田などは朝鮮から技術を学んだのだが、朝鮮には色絵の技法がなかったため中国から学んだ色絵の技法を使ったものを「色鍋島」と称し、染付より珍重したという。

 

しかし、鍋島の真骨頂はそのデザイン性にある。ゆえに今回の展示会タイトルも「誇り高きデザイン鍋島」と銘打っている。


 

イメージ 3

 

イメージ 4

 

イメージ 5

瓢箪

 

イメージ 6

生垣

 

私は東京国立博物館に行く度に陶磁器コーナーの鍋島をみて感嘆していたのだが、今回の展示によって旱天に慈雨を得た思いであった。

 

なお、鍋島は維新の動乱で一時途絶えたが今泉今右衛門家によって復興されたという。会場には十四代今泉今右衛門の作品も展示されていたが、伝統を活かしつつ技法は向上していると見え特に銀の使い方が見事だった。

 

しかし、工芸品とはいえ売り物には違いない。金さえあれば、鍋島で食器を揃えることが可能だということだ。じつは展示してある鍋島もほとんど使用した痕が残っているのだという。

 

サントリー美術館は東京ミッドタウン内にあり、10時開館。ミッドタウンのオープンは11時なのでオバチャンどもや有象無象は来てないだろうと思っていたのだが、10時半ころ到着したら相当の人数が来ていた。しかし、混雑というほどでもなかった。