♪男は我慢~、女はwoman~
本村さん
光市母子殺害事件の差し戻し控訴審で死刑判決が出た。この事件と裁判については死刑制度も絡んでいろいろな論議がある。そうした論議はさておいて、いつもこの件をTVでみて思うのは本村さんの発言の説得力だ。今回の判決後にも本村さんの記者会見があったが、発言はつねに論理的で過不足がない。

もともと頭のいいひとなのだとは思う(たしか、仕事は大手企業の理系サラリーマンだったとはず)。そして事件に巻き込まれて殺人・死刑・司法制度・敵討ち・犯罪等々について広く深く考えられたのだろう。

記者会見というのは色々な記者が質問する。聞いて当たり前な質問、聞かない方がいい質問。良い質問、愚問、下劣な覗き見趣味の質問、さまざまある。本村さんはどのような質問であっても、的確に論理的に相手に伝わるように答える。(中にはもちろん「それは私の中にしまっておきます」という答えもある)

今回も朝日新聞の記者が「判決は死刑のハードルを下げたと思いますが?」と聞いたとき、即座に「死刑を決めるのに"基準"がある方がおかしい。被害者遺族にとっては個別の事案として対応してもらいたい」と答えた。

TVでこの事件をあつかうとき「永山基準」により「少年の場合4人殺害で死刑」「大人は2人殺害で死刑」などとよく言う。たしかに法律を運用する場合、過去の判決と整合性を考慮して「判例」を重視することは必要かもしれない。

しかし、本村さんの言うように「基準は基準として個別事案はそれぞれの裁判で決める」というのも当然である。このように本村さんの発言は、通例に反する場合でも説得力があるのだ。これは、本村さんの発言が単に被害者遺族というだけではなく、あらゆる角度から考察された意見だからだと思う。

しかし、「記者会見等で意見をいう」には、深い考察だけではなくそれを人々に伝えるコニュミケーション能力も必要である。本村さんはこの両者を併せ持つ稀有の才能の持ち主であると思う。ただ、それが世に出るきっかけが犯罪被害者の遺族になるということだったのは、まったくお気の毒である。
※JBM子爵と一部の日本語の語感に敏感な方へ-本村さんは知り合いではありませんが、一般の方を呼び捨てにするわけには
参りません。この場合の「さん」は「氏」程度の意味とお考えください。




古館伊知郎
本村さんとは逆に「何と発言の軽いひとだろう」と思うのが、報道ステーションの古館伊知郎だ。ひとつニュースを読むたび、聞くたびに感想を述べるのだがこじつけに近い。「現代社会は曲がり角に来ている」「何か間違っている」「庶民はがんばっている」などの常套句が必ず結論となるので、何のニュースでも同じようなトーンで非論理的なことをいう。たぶん、古館の中では、そうした「文明論的なコメントをいうのが務め」だと思っているのだろう。

しかし、こちらは「ニュース」という情報を求めているのであって、「誰かの感想」を聞きたいのではない。ニュースとニュースの間の古館伊知郎の話は聞く必要はないので、他の番組に切り替えたりするのが面倒で、結局11時台のニュースをみることになる。

別に外国のニュース番組がそうだからといって同じである必要はないのだが、アメリカのニュース番組ではアンカーが自分の意見を述べる場面は極めて少ない。NBC Nightly NewsでもCBS Evening Newsでもアンカーはニュースを伝えるのみで、評価や分析や今後の予測は、専門家に任せる。

日本のニュースではアンカー+解説者兼ご意見番(フジの木村太郎、テレ朝の加藤千洋とか)がいてアンカーとニュースについて論じることが多い。専門家を呼ぶ場合でも、「○×大学の▲□先生」を呼んだりインタビューしたりと外部の人間で済ます。

アメリカのニュースだと、医学・科学・経済などそれぞれの分野の専門家が解説員として雇われていて(もともとの社員上がりではなく、専門家で話が上手なひとを引っこ抜いて来るケースが多いようだ)ニュースごとに意見を述べる。

で、あるからしてキャスターがニュースに対して「文明論風世相講談」をすることはないし、ましてや「ブッシュさんはどうしちゃったんでしょうね~」などということは金輪際ない。じつはニュースだけでなく、いわゆる朝のワイドショーでも司会者が価値判断する場面というのはほとんどない。ブリトニー・スピアーズのご乱行を取り
上げても苦言を呈することも全然ないのだった…。

アメリカ・日本どっちのスタイルがよいかはひとそれぞれだが(ま、「アメリカの方がいい」と言ったって、アメリカのTVでは日本のニュースはやらない)、少なくともキャスターの浅薄な文明論風漫談は聞きたくなかですたい。



お米
君たち、小麦粉の値上げで家計が大変だわねぇ。これもそれもトウモロコシがバイオエタノール燃料の原料として生産量の1/3が回されちゃったのが原因なのよ、だからエコって困るのよ。

トウモロコシが肥料や食糧に回されなくなった分、小麦粉にも影響が出てるのよ。それに中国やインドからの需要も大きいから食費は上がる一方なのよ。(ぁっ!それとも究極のエコとして、食糧価格を高騰させて人間の数を減らすのかつら…)

ん?チョト待ち給へ。トウモロコシ・小麦粉とくりゃ米にだって影響がないわけなからん。しかし、お米が劇的に値上げって聞かないわねぇ…。ところが、ギッチョンチョン。米は今年に入って国際的には1.5倍~2倍に上がっているのであつた。

アメリカではとうとう量販店の一部(サムズクラベとかコスコとか)で、販売制限を行っているのだよ。では、なぜ日本に影響が出ないのか。そりはもちろん日本の米がもともと国際価格からいうと8倍くらい高いからだ。だから日本には影響は出てないのよん。

すかし、「日本のぉ米は、タイ米とかとでんでん違うぢゃん」というぴともいるだろう。んが、アメリカの寿司などでは日本の米同様のものが使われていて、こりと比べても日本の米は2倍~3倍はするのであつた。ま、自由化して安い米を食べるか、高い米を食べて食の安全と日本の農業を守るかは、君たちぴとりぴとりの今後の選択だわね。

ついでに言うと、最近また「危険部位」たらいうのがアメリカからの輸入牛肉に混入して騒ぎになっている。たしかにアメリカ側の輸出管理と品質管理は「約束通り」やってもらわんといかんと思うのだが、あの「危険部位」つ~のは、日本で「危険」言うてるだけで、アメリカ人はモリモリ食べてるのだ。