春秋(しゅんじゅ)
創作中華
どんなぉ店?
日本赤十字社中央医療センター正門前にある、上海系創作中華料理。しかし、現地に行っても一発で見つけられるひとはいないかもしれない。看板はあるのだが小さく目立たず、しかも篆書体ぽく書かれているので判別しにくい。会員制というわけではないが一見さんを期待していないということだろう。もしフラリと入ってもお任せのコースしかないので、知らなければ面食らうに違いない。
卓数は全部で7~8卓なので、予約した方がいいだろう。今回の訪問では20時過ぎで7~8割が埋まっていた。予約客以外は想定しづらい店で、平日にこれくらい埋まっているのはまずまず繁盛のうちだろうか。
コース料理は前菜からデザートまで入れて10品前後。あわび、皮蛋、フカ鰭の姿煮、季節の魚の清蒸などが定番。季節によって上海蟹や花山椒を使ったメニューもあるという。本場の中華というよりも創作中華の部類に入ると思う。どちらかというとホテルオークラの桃花林のようなマイルドな味といったらわかりやすいか。何回か行けば、コース内でも好みに応じて調整してくれる。
よく指摘されるのだが、内装はけっして豪華ではない。というか簡素。単価1万円以上の店にはふさわしくないと思われる向きもあるかもしれないが、cozyという面では問題ないと思う。宮内マダム以下の接客のよろしきを得て、以前よりオッサンの団体が増えた気もする。お運びさんはバイトに毛が生えた程度だが、許容範囲内。内装と黒シャツ黒エプロンとジーンズの制服だけみると、ちょっと高級居酒屋の観もある。
実食
あわびの姿和え
あわびとトコブシは違うものらしいが、大きさはトコブシぽい。柔らかいが歯応えがあるという適当な表現しかできないのだが、やはり美味しい。
半熟ピータン
「半熟」といわれたが、普通のピータンよりやや柔らかい程度だった。さすがに臭いは上品だったが、もしかしたら外れだったのか。ちゃんと「半熟」なら印象が違うかも。次回に期待。
何とか海老の蒸しもの
何とか海老を蒸したものが殻付きで出される。醤油ダレに漬けて食べるのだが、可も不可もなしか。
牛肉と獅子唐の炒め
細かくサシが入った牛肉と獅子唐を炒めたもの。とくに手が込んだ料理とも思えないのだが、味付けがよかった。同行者のひとりは「脂濃い」と言ってたが、牛肉にサシが入り過ぎてたかもしれない。分量が少しの場合、ある程度脂濃い肉が美味しいと思うのだが個人差もあるだろう。※1.
青梗菜と椎茸
椎茸は厚さ2cmはあろうかというもので、歯応えがよかった。
赤鶏の北京ダック風
春餅で包んでテンメンジャンでいただく、いわゆる北京ダックの中身が赤鶏になったもの。やはり北京ダックの方がいいかも。※2.
鱶鰭の姿煮
紅白歌合戦の美空ひばり(古っ!)というか、HEY!HEY!HEY!の安室奈美恵(軽っ!)というか登場するだけで「ぉぉ~」という感じの姿煮。これが出てくるとある程度の値段は覚悟しなければならん。※3.
〆のソバ(ご飯類)
コースが終わると〆にソバかご飯類を出すか聞かれる。女性の場合「もうお腹いっぱい」という場合もあるだろうが、多少無理をしても食べてみるべきだ。特にソバは評判がよい。器も小さいので残す心配はない。私は「岩海苔のソバ」が好み。海苔が香ばしく大きい器で食べたくなる。ご飯が好きなひとには炒飯もある。
杏仁豆腐
デザートはときおり替わる。マンゴープリンなどの場合も。
評価
これでひとり1万円以内に納まるなら、余り辛口の評価をするひとはいないと思う。しかし、コースでひとり1万3000円~1万5000円。酒をよく飲むメンバーなら2万円近くになる可能性もある。ここら辺りになるともう個人の価値観としか言いようがない。先にオッサンの団体客が増えたと書いたが、考えてみると酒呑みにとって「中華風居酒屋」と考えれば最高の店である。料理はどれも強烈でなく控え目であり、酒の肴として相応しい。いちいち考えずとも季節の食材を使った料理が少しづつ10皿前後出てくるのだから、好都合だ。個人的な感慨で言えば、ここに行くときは必ず楽しい夜になる。今回もまたそうだった。
※1.アメリカの高級ステーキハウスで出す赤味の肉は、肉本来の旨さという意味で絶品だと思う。日本ではまだ巡りあったことはないのだが、いずれにせよアメリカで食べた方が安いはず。機会があればお試しあれ。
※2.北京ダックのおすすめは、麻布十番の富麗華。
※3.個人的には樓外樓のより濃厚な姿煮の方が好みなのだが、今ちょっと検索したら樓外樓のは単品で6300円もするのだつた…。
味abcdefg★★★☆
雰囲気ab★★☆
価格abcd★★☆
豸苗abcd♡
春秋(しゅんじゅ)
東京都港区港区南青山7-14-5
03-3407-4683
営業時間 月~金 18:00~21:30(土祝21:00)
定休 日曜日
※ちなみに、隣の明徳堂という書店では中高時代ツケで買物ができた。本代が青天井とは今考えれば幸せであつた…