染まらないよね
彼とごはんに行って、たわいもないことを話していたら、少し昔のアイドルの話になった。あの人、今どうしてるんだろうって検索したら、ショートカットのおばさんになってた。彼にその画像を見せた。「ロングの方が可愛かった」私もその人はショートよりロングの方が似合ってたなと思って、さらにネットで掘り下げてみる。「なんか、結婚したあたりからずっとショートにしてるみたい」「へー」「旦那の好みかな?笑」「かもね。」しばらくしてポツリと彼が言った。「好みとかいうけど、レイナは染まらないよね」「ん?あなたの好みってなんだっけ」 と、とぼけたら「ショート!!」うん、知ってる。あなたは丸いショートが好きだってこと。前にショートにして後悔してから、バストトップの少し上ぐらいまで伸ばした私の髪。今の時期ドライヤーが本当に億劫だし、中途半端なボブにするぐらいなら首が丸出しになるショートに切った方が涼しく、楽に過ごせる。クロスを巻かれ、ジョキジョキ切られて床に積もっていく髪。切ってしまえばもう止められない。変わっていくシルエット、あらわになっていく首元。クロスを外して立ち上がる時に感じる頭の軽さ。すぐに途切れる指通り。風が吹いても肩をたたく髪はない寂しさ。翌朝起きて少しびっくりして、そうだ切ったんだったと再認識。・・・こんな風にロングからバッサリショートにした時のことを思い出して、またあの感覚を味わうのかと思うと、じわりと下半身がゆるみだしてしまう。だけど私、似合わないんだよね。だから妄想で止めておくの。染まらないけど、気が向いたら切るよ、いつか。