2/予兆 | 家族ってなんだろう

家族ってなんだろう

年収1000万を越え、家を2つ持ち、生徒会長の娘に、成績優秀な息子…まさに幸せな家庭そのもの。しかしその裏には、家族を捨てた父親と、闘う家族の深く悲しい闇があった。
ー「離れていてもずっとお父さんだから」
現役学生の私から見た実話です。


今日は、実際に父親が家を出るまでの話をしたいと思います。



私は昔からお父さんっ子でした。



お父さんは、優しくて、面白くて、かっこよかった。



一緒によく出かけたりして、大好きでした。



でも、私も中学生になると、少しずつ距離がうまれます。



お風呂に入らなくなり、一緒に寝なくなり、



暴言を浴びせたことはありませんが、ベタベタすることはなくなりました。



よく言う「お父さん離れ」です。



すると、父親も1人で色々な所へ出かけたりするようになりました。



毎週遊びに行っていたお休みの日は「朝からゴルフあるから」と姿を見せなくなり



家の一室に荷物を全部持っていって、そこから出てこない日もありました。



そして、仕事から帰ってくるなり「部屋が汚い!」としか言わなくなった父



私たちの服をゴミ箱に捨てたり、弟のおもちゃを勝手に隠したり。



その頃から恐れるようになった私と弟は、


帰ってきた父の車の音を聞くと、


テレビを消し、散らかってるものを素早く回収し、自分の部屋に駆け込みました。


そして、リビングから聞こえる両親の喧嘩に耳を塞ぐ…そんな毎日です。


そしてある日、学校から帰ると、我が家のガレージに大量の電化製品が並んでいました。


家にあるのとは違う、新品で1人用の電化製品たち。


おかしいなと思ってからすぐ、それらはなくなりました。



父の部屋の荷物とともに。






元から距離のあった私たちと父。


「お父さん出ていった」と母に小声で聞かされるまで、私はなんと気づきませんでした。


それほど、いてもいなくても同じような距離だったのです。


当時小5になりたての弟にはショックが強すぎると、私と母は黙ることにしました。


帰ってこない車。


怒鳴り声の消えた家。


それらは私にとって少し幸せでした。


もう何も怖がらなくて済む。


これが「別居」ということに気づくまで、少し月日はかかりました。


でも、別居=さみしい 訳では無いのだ、と初めて気づきました。


弟が、父の部屋のドアを開けるまでは。