昆虫が“消える”境界線とは?(横浜みなとみらい) | 首都圏生きものめぐり ~関東の動植物に会いにいくぶらっと散歩~

首都圏生きものめぐり ~関東の動植物に会いにいくぶらっと散歩~

雑誌編集者である著者が自ら首都圏の公園や自然地に足を運び、そこで出合った生きものの情報をお届けします。
都会の印象が強い東京にも、カワセミやタカ、多くの昆虫が暮らしています。「首都圏ってこんなに生きものが多いのか」と驚かされる情報が満載です。

物騒なタイトルですが、別に都市化に伴う昆虫の減少について

憂いたり説教チックなことを書いたりするわけではないので念のため。

 

 

 

 

 

みなとみらいを散策する際のお決まりルートとして

横浜駅近くの高島水際線公園から順にまわりましたが

まだ冬鳥であるユリカモメやカモたちは飛来していませんでした。

いたのはアカミミガメ1匹だけです(右)。 こんな海際まで進出していたとは……

 

ここから「南下」するのが、私のみなとみらい散策ルートですが

今回は少々後悔しました。詳しくは後述……。

 

 

 

 

 

近くの空き地(ビルの建設予定地?)から飛んできたらしい

トノサマバッタです。この辺の空き地は結構広い草原になっていますので、

いてもおかしくはないかなと思っていましたが、撮影したのはこれが始めて。

 

 

 

 

 

新港中央広場に到着した時には、もう14時になっていました。

午後からの散策で、遠回りしてしまったこともあり大分遅れましたね。

 

広場自体は秋らしい風景になっており、花も健在。

ガーデンネックレスのイベント期間は過ぎているものの

コンスタントに季節の花が楽しめるようになっていました。

 

 

 

 

 

別角度から。いわゆるナチュラルガーデンテイストで

今回まわったスポットの中でもとりわけ昆虫飛来数が多かったです。

 

 

 

 

 

 

ウラナミシジミ(左)やセイヨウミツバチ(右)などが蜜を求めて訪れます。

このほか、モンシロチョウ、キタキチョウ、チャバネセセリ、ヤマトシジミを確認しました。

オーソドックスな面々(しかも内2種は外来種)ばかりですが、

数は多かったですし、虫を呼ぶ効果は間違いなくあるように感じました。

 

使用されている植物はほぼ園芸植物なので、里山ガーデンに通ずるものがあります。

ただし、周囲が自然度の高い森であるあちらと異なり、こちらは周囲が街なので

本来であれば昆虫にとっては厳しい環境。そんな中でも飛来しているということは

彼らは環境圧に強い種ではないか?と推察されます。

 

 

 

 

 

 

昼飯がまだでちょうど腹が減っていたところ、

赤レンガ倉庫で偶然にも(?)食フェスが開催されていました。

早速並びましたが、これが大きな罠。30分以上待つ羽目になり

食後には日が傾き始めていました……。

 

ただ、そうして待たされながら買ったもつ鍋(麺入り)もつ焼き

これまでに食べたことがなかったほどの絶品で大満足。

多少値は張りましたが、並んだだけの価値はありました。(右写真)

 

 

 

 

 

山下公園に移動すると、まだ少数ながらユリカモメが来ていました。

これが毎年足を運んでいるクリスマス辺りになると

食べ歩きする観光客を集団で狙う(?)脅威と化しますが、今はまだ大人しいもの。

……まあ、トンビほど積極的に襲ってくることはありませんが(汗)

 

 

 

 

 

ユリカモメのいる風景(大桟橋をバックに)

そういえば臨港パークの近くにもう1つ、新しい桟橋(?)ができて

大型遊覧船が停泊していましたね。世界一周の途中かも?

 

 

 

 

 

山下公園の花風景。円形の小山みたいな花壇が並んでいます。

後述のローズガーデンと比べると、花壇の近くを人が通りにくいからか

こちらの方が昆虫の数が多かったように感じます。

 

 

 

 

 

花をクローズアップで撮る人もいれば

花を風景の中に取り込んで写真撮影する人も。

奥の女性は、手前に花壇を据えて遊覧船を撮っていたものと思われます。

 

インスタを始めとしてSNSが浸透した中

花のニーズ自体は高いように感じますが

園芸人口は着実に減っている模様。 だからうちの会社も厳しい

せめて公園・広場などでは引き続き花が使われてほしいものです。

 

 

 

 

 

夏花の一種 ジニアで吸蜜するヒメアカタテハ

今年はとにかく至るところで本種を見かけます。

(キタテハよりも圧倒的に多い。というか今年はキタテハとの遭遇率が低い

 

 

 

 

 

何気に今年初めて撮影したオオスカシバ

訪れている花はご存知ペンタスです。

 

何故か今年はやたらと発生が遅れたように感じます。

気候的な問題だろうか?(この翌日、夢の島公園でも見かけました)

 

 

 

 

 

 

沈床式のローズガーデンへ。花の見所としてはこちらがメイン。

秋のバラも順次咲き始めていましたので、寒くなる前にどうぞ。

 

右写真のように、一部ツワブキの入っているところもあります。

黄色い花で背丈もそこそこ高く、秋~冬には目立ちやすいので

花壇のアクセントとして結構役立つようです。

 

 

 

 

 

氷川丸の近くにスズガモの群れが飛来していました。

来月、クリスマスシーズンに訪問した際にはもっと増えていることでしょう。

今年も独りで遊びに来ることになりそうです(闇)

 

 

 

 

 

港の見える丘公園に移動……したのですが

この時点で夕方に差し掛かっていたのみならず

急に空に雲がかかってきたため、薄暗くなってしまいました。

それに合わせて気温も急降下。これが大きく響いたのか

本来の自然度は山下公園より高いはずにもかかわらず

昆虫はまったく姿を見せてくれませんでした。

 

花はなかなかのものです。つるバラは秋はほとんど咲きませんが

株立ちのものはそれなりに開花し、この後12月初頭くらいまで

それなりには観察することができます。

 

 

 

 

 

中央の赤い花は、ご存知サルビア。

右のピンクのバラは、横浜開港150周年を記念して命名された

「はまみらい」というバラです。市内随所に植えられています。

 

 

 

 

 

昨年末のクリスマス編でも紹介したクイーン・オブ・スウェーデン

個人的に非常に気に入っているバラです。

 

 

 

 

 

少々変わった形状のバラもありました。

プリンセス・ミチコなどの皇室に由来する名前の付いたバラと一緒に

園内の一角にまとめて植栽されていたうちの1種です。

名称はダイアナ・プリンセス・オブ・ウェールズ。由来は言わずもがな。

 

 

 

 

 

そういえば、港の見える丘公園と山下公園の花壇で

バラの足元なんかによく植えられているこの黒い草、

花壇で見たことがあるけど名前がわからない……という方も多いことでしょう。

これはブラックパールという唐辛子の仲間で、

黒真珠さながらの実が生る、暑さにも強い有能な植物です。

(ただし実は赤くなることもあります)

 

実だけでなく全体が真っ黒になるため、花壇のアクセントとして優秀。

花壇に黒いラインを引いたり、仕切りをつくりたい時なんかに使えます。

 

 

 

 

 

16時を回ったあたりで山下公園に戻ってきましたが

もう大分暗くなっていました。(写真は実際よりも明度を上げています)

太陽が隠れると明るさ・気温が如実に変わりますね。

 

 

 

 

 

先程の花壇まで戻ってきましたが、もう昆虫の姿はほとんど見られません。

ヒメアカタテハ、オオスカシバ、ウラナミシジミなどが

ほんの1時間前まで素人目でもわかるくらい活発に飛んでいたのですが

太陽が隠れてしまった途端にパッタリと消えてしまいました……。

 

常に暑い真夏はそうでもないのかもしれませんが

時間経過や日照によって気温が変動しやすいこの時期は、

昆虫達は晴天で明るく暖かい時に重点的に活動し、

日が陰ると隠れて休息に入ってしまい見つからなくなるようです。

 

 

 

 

 

一応、ホシホウジャクだけ数体確認できました。

やはりペンタスで吸蜜中。フラッシュを使用しましたため

目がキラーンと怪しく(?)光っています。

 

 

 

 

 

カワウのいる風景(夕暮れの氷川丸にて)

なぜかほぼ等間隔に並んでいるのが興味深い。

奥の鎖でも、やはり一定間隔で並んでいます。

「整列」という概念が彼らにもあるのでしょうか?

 

あと、左奥の方に微かにスカイツリーが見えています。

 

 

 

 

 

 

帰り際、夕暮れの風景です。

右写真は先程歩いた新港中央広場ですが、やはり太陽が隠れたことで

こちらでも昆虫の姿は見られなくなっていました。

 

敢えてこの時期に横浜を歩いたのは、先日の東京散策と併せて

都会の環境でも適応できる昆虫を見極めるためでした。

ある程度の傾向は見えた気がしますが、今回スタートが遅れたため

港の見える丘公園での状況を正確に観察できなかったのが残念なところ。

日照でここまで虫の出が変わるとは思っていなかったんですよね……。

 

クリスマスの時期は流石にもう虫は観察できないと思いますので

例年通り、高島から順に散策しようかと考えております。

 

 

 

 

【11/4 横浜みなとみらいで撮影した生きもの】

鳥類・・・ウミネコ、カワウ、スズガモ、ハクセキレイ、ヒヨドリ、ユリカモメ

昆虫類・・・イチモンジセセリ、ウラナミシジミ、オオスカシバ、キタキチョウ、セイヨウミツバチ、チャバネセセリ、トノサマバッタ、ヒメアカタテハ、ホシホウジャク、モンシロチョウ、ヤマトシジミ

その他・・・アカミミガメ

 

 

【11/4 横浜みなとみらいで捕獲したポケモン】

イシツブテ・・・12

ウリムー・・・13

オオスバメ・・・1

オムナイト・・・1

カブト・・・1

カラナクシ・・・1

ケイコウオ・・・1

ケーシイ・・・1

コイキング・・・2

コイル・・・22

ココドラ・・・20

タマザラシ・・・12

ナエトル・・・5

ニャース・・・1

ニャルマー・・・1

ハリーセン・・・1

ピジョン・・・1

ヒトカゲ・・・1

ヒノアラシ・・・1

ポッチャマ・・・1

マメバト・・・3

ミジュマル・・・3

ヤナップ・・・2

ヨーギラス・・・1

ワニノコ・・・1

 

≪総括≫

山下公園がナエトルの巣に指定されていましたが、

それ以上に目立ったのはウリムー、コイル、ココドラ、タマザラシの多数出現。

(イシツブテは晴天だったために多数出てきただけ?)

特に告知はありませんでしたが、明らかにバイアスがかかっていました。

連休が終わった今は通常運転に戻っていますが、

今後もこういう急なキャンペーン(?)が行われるかもしれません。