珍鳥のサービス精神に感動(東京港野鳥公園) | 首都圏生きものめぐり ~関東の動植物に会いにいくぶらっと散歩~

首都圏生きものめぐり ~関東の動植物に会いにいくぶらっと散歩~

雑誌編集者である著者が自ら首都圏の公園や自然地に足を運び、そこで出合った生きものの情報をお届けします。
都会の印象が強い東京にも、カワセミやタカ、多くの昆虫が暮らしています。「首都圏ってこんなに生きものが多いのか」と驚かされる情報が満載です。

ここ数日はようやく気温も上がってきましたが、日曜日はもう大層お寒うございました。

10度にやっと届くかという寒さの中、また野鳥公園に足を運びました。

 


首都圏生きものめぐり ~K.Nakamuraの生物・景観ブログ~

 

 

一応春なので、それなりに緑は濃くなってきています。

 

右の観察池ではこの時期、海外から渡ってきたシギ・チドリ類が見られるのですが、この日は天候のせいなのか姿がなく……。ノスリなどの猛禽類もどこにもいません。

 

 

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1羽だけで干潟をうろつくイソシギ

 

寒空のせいもあってか、どこか寂しそう。

 

 

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逆さになって腹を掻く、器用なカモ(キンクロハジロ?)。

 

この仕草自体は決してそれほど珍しいわけではありません。

観察していると、しばしばクルリと水上で回転し、お腹の毛づくろいを始めます。

 

 

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池近くの木のてっぺんにとまっていた、ちょっと珍しい鳥。コムクドリといいます。

 

 

遭遇率 … 2

 

インパクト … 2

美しさ … 3

俊敏性 … 5

 

警戒心が強いらしく、バードウォッチャーの気配を感じるとすぐ飛んで行ってしまいます。生息域もあまり広くなく(ムクドリとは比較にもなりません)、都心の公園ではなかなか見られないかも?

 

 

お目当てだったシギ・チドリに出会えずがっかりしながら、自然生態園へ。

 

 

 

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自然生態園入口周辺。エビネというランが植栽されています。

 

ほかにも、キンランという大変綺麗な花も。

どちらも野生種はかなり数が減っていますので、抜いたりしないように(迫真)

 

 

 


豊かな緑の間を抜け、自然生態園奥の観察小屋に向かったら

小屋の前をバードウォッチャーが埋め尽くしています。

砲台(望遠レンズ)があちらこちらに配置され、何やら緊迫した雰囲気。

公園の係員さんまで駆り出されて、立ち入り制限をしている様子。奥へは進めません…。

こうしてバードウォッチャーが10名以上集まっている場合は

決まって「珍しい鳥」が拝めるもの。

 

話を聞いて見ますと、どうやら観察小屋前の園道に大変珍しい鳥が現れるそうな。
列の隙間に入れてもらい、早速カメラを構えてスタンバイします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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出てこねえ

 

 

 

散々書いている通りこの日は寒く、風もあるから手が冷たい」のなんの。

手のかじかんできた私を小馬鹿にするように、上空を何羽ものツバメが舞います。

 


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途中、ゴイサギが池の対岸に現れましたが、誰も気にも留めません。

 

無視に耐えかねたのか、ツバメに続いて我々の上空をパッと舞いました。それでもカメラを向けてくれるバードウォッチャーはおらず……。

 

ふと時計を見ると、なんと16:50

 

野鳥公園は17:00までしか開いていません。夕方なので更に寒さ倍増。

残り10分、徐々にあきらめて帰る方も出てきましたが、ここまできては引き下がれません。

 

とうとう残り3分に………と、その時奇跡が起きた!

 



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これです!

 

これこそが滅多に日本では姿を見られない迷鳥。

北米の鳥 ミヤマシトドです(迷い込んできた鳥で、人の持ち込んだ外来種ではない)

 

遭遇率 … 1

 

インパクト … 2

美しさ … 3

俊敏性 … 5

 

今は閉鎖(?)されてしまっている「Yachoo!」という野鳥図鑑サイト(タイトルは冒険策サイトのオマージュでしょうどう考えても)では、10段階で9という高い観察難易度。

 

こんな至近距離で観られたのはかなり幸運なのですよ。(^-^)



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少しずつポジションを変えながら、芝生に下りて食事など。

 

特徴はやはり頭のストライプ模様です。決して派手で目立つ配色ではないですが、珍鳥ということもありバードウォッチャーは大興奮。それでも皆さん非常にマナーを重んじる方ばかりなので、係員さんの設けたロープより先には決して進みません。過度に近づかず、レンズがロープよりはみ出すこともご法度! もちろん余計な音や声は発さず、あくまで静かにシャッターを押し続けます。

 

私も皆様に習い、静かに観察・撮影させていただきました。

 

鳥の方も安心しているのか、結構長い時間残っていてくれました。
 

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「僕イケメン」のポーズ(違)

 

なぜかこのアングルが多かったです。

そういえば先日の「戦闘中」、狩野英孝の八面六臂の活躍は素晴らしかった。

 

ギリギリの時間にやっと姿を表す心憎い演出と、逃げずに色々なポーズを見せてくれた珍鳥に感謝感謝。気持ちよく帰路につくと、園道の樹にさっき頭上を通り過ぎたゴイサギが……↓

 

 

 

 



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同じポーズで待っていた(爆)

 

 

 

 

 

【4/21 東京港野鳥公園で撮影した生きもの】

 

 

アオサギ、アオジ、イソシギ、カイツブリ、カルガモ、カワウ、キジバト、キンクロハジロ、ゴイサギ、コガモ、コサギ、コムクドリ、シジュウカラ、スズガモ、ハクセキレイ、ハシビロガモ、ヒヨドリ、ヒドリガモ、ミヤマシトド、ムクドリ、ユリカモメ