最近、ネットでもSNSでも「引き寄せの法則」という言葉を本当によく見かけます。

ポジティブな気分でいれば良い現実が引き寄せられ、ネガティブだと悪い現実がやってくる、というアレです。

一見するとすごく前向きで素敵な教えに思えますが、昔からどうしても拭えない「素朴な違和感」がいくつかあります。みなさんは、こんな風に思ったことはありませんか。

違和感その1:本当に「全員の思考」が叶ったらどうなるの?

例えば、同じ社内にいるAさんとBさんが、たった1つの出世ポストを狙っているとします。

2人とも引き寄せの法則を信じて、自分が昇進して喜んでいる姿をリアルにイメージし、100%のワクワク感で過ごしていたとしたら、一体どちらの願いが叶うのでしょうか。

席は1つしかありません。

物理的な現実はいつも1つなのに、みんなが別々の願望を100%で引き寄せようとしたら、世界のシステムは矛盾でパンクしてしまうはずです。

違和感その2:「悪いことが起きたのは自分のせい」という恐怖

引き寄せの法則では、病気になったり、事故に遭ったり、お金を失ったりした時、「それもあなたがネガティブな思考を引き寄せたからだ」と説明されることがあります。

これ、あまりにも残酷だと思いませんか。

不運に見舞われてただでさえ辛い人に、「あなたの心の持ち方が悪かったからだ」と追い打ちをかけるのは、もはやアドバイスではなく呪いです。

世の中には、本人の思考や努力とは全く関係のない、突発的な天災やもらい事故、ウイルスの流行といった「理不尽な現実」が確実に存在します。それをすべて個人の思考のせいにすることには、強い違和感を覚えます。

違和感その3:ただ願うだけで、本当に物質は動くのか

「毎晩、高級外車に乗っている自分をイメージしていたら、ある日突然プレゼントされた」というようなシンデレラストーリーを耳にすることがあります。

でも、冷静に考えてみてください。

その車は、どこかの工場の作業員さんが汗を流して組み立て、ディーラーが手続きをし、誰かが莫大なお金を支払って、物理的に運ばれてきたものです。

自分の脳内だけで完結する「思考のエネルギー」が、物理的な法則を無視して、他人の財布や巨大な物質をテレポートさせるように動かすなんて、どう考えても不自然です。

結論:前向きなのは良いけれど、魔法ではない

もちろん、いつも不機嫌でいるよりは、機嫌よく過ごしている人の方が周りに人が集まりやすい、というような「心理学的な効果」は間違いなくあります。

でも、それは超自然的なパワーではなく、単にその人の表情や態度が良くなったから、周囲の対応が変わったという現実的な因果関係です。

引き寄せの法則を全否定するつもりはありませんが、あまりにも現実離れした魔法のように信じ込むのは、少し危うい気がしています。

特に「お金」の分野に関しては、この引き寄せの歪みが顕著に出ると感じています。

長くなるので、お金の引き寄せに関するもっと深い違和感については、また次回の記事で詳しく書きますね。