あんな痛みは初めてであった。
夜中の3時半ごろ目が覚めた。
頭が割れるように痛い。
まるで二日酔いの痛さだ。
しかし呑んだ量からして決して二日酔いではない。
発泡酒350mlとビール500mlしか飲んでいないからだ。
頭を冷やす保冷剤を取りに冷蔵庫へ向かった時、痛みは和らいだ。
冷えたアクエリアスをコップ一杯飲み、保冷剤を頭に当てながら再び横になった。
そのとたんまたあの激痛が頭を襲ってきた。
こめかみのわきが痛む。
脈のリズムにあわせて痛みがこめかみを打つ。
たまらずベッドの上で正座し、顔を枕にうずめた。
少し痛みが和らいだ気がした。
そのころには妻も起きていたようだ。
頭は相変わらず割れそうに痛む。
いつのまにか汗がいっぱいで枕には汗が沁みこんでいた。
妻とことばを交わし、いろいろ躊躇した会話を経た挙げ句、救急病院へ行くことにした。
妻が車で救急病院へ連れていってくれるという。
有りがたい。
服を着替え、スタンバイした。
頭は依然として痛み、畳の上に正座し、額を畳に敷いたタオルにつけて痛みをこらえていた。
すると洗面所からこそこそこそという音が聞こえてきた。
なんと妻が歯を磨いている音だとわかった。
なんてこった。
妻は歯磨きが終わった後、救急病院へ電話をかけた。
電話がつながった後、途中で電話を代わり、頭が痛い症状を伝えた。
「頭が痛むこと以外に症状はないのですね」と念を押された。
他に何かあるはずだと直感したが、何も思い浮かばなかった。
「はい、他に症状はありません」
少し不本意な返答をしてしまった。
10分か15分後に着くことを告げ電話を切った。
テレビを見たらサッカーワールドカップの決勝戦のキックオフの前であった。
もちろんサッカー観戦どころではなかった。
救急病院に着いてからの痛みがひどかった。
前のベンチにタオルを載せ、そのタオルに額を当てて痛みをこらえた。
受付を済ませた後、5分ほど待った。
待っている間、汗だくになっていることがわかった。
冷房がよく効いていてるせいで体が冷えていくようだった。
やっと名前を呼ばれた。安堵した。
処置室に入ると少し暖かく感じた。
診察を受けているうちに徐々に痛みは和らいだ。
体が温まったからだと思った。
視覚、聴覚、触覚の検査を受けた。
その結果大きな問題はないとのことだった。
ひとまず処置室を出た。
汗だくのシャツを脱ぎ、咄嗟に持ってきていたポロシャツに着替えた。
妻が温かいお茶を買いに行ってくれた。有りがたい。
再び処置室に呼ばれ、結論を聞いた。
片頭痛あるいは群頭痛の一種であるとのことだった。
特に、頭の中にできものができたということではなかった。
結論を聞いている途中、妻が処置室に入ってきた。
持ってきた温かいお茶を飲んだ。
痛みは少し和らいだ。
これ以後、頭の痛みは徐々に和らいでいった。
家に着いた、5時ちょうどであった。
体をあたためると痛みが和らぐことを経験した。
保冷剤で冷やしたのは失敗だったのか?
いろいろ思い馳せながら、独り熱い日本茶をすすった。
処方された痛み止めを服用し、ベッドで横になった。
妻は背を向けて寝入っていた。
未だに頭痛の理由はよくわからない。
備忘記録終わり。
