結納の時、嫁ぎ先から贈られた指輪は

23歳の私には全く相応しくないくらいの

高価なダイヤのプラチナの立て爪。

彼の実家が贔屓にしている老舗宝石屋で

「このような指輪を贈られるのはお幸せですよ」と言われたのを覚えている。

立て続けに友人たちも従姉妹も結婚したのでこの指輪と一緒に挙式にも披露宴にも出席した。

やがて私は妊娠し子育てに追われる毎日になった。月日は流れ、英国のキャサリン妃が贈られた指輪は亡きダイアナ妃の指輪。


「私も指輪、持ってるじゃない」

街の小さな工房で婚約指輪をリメイクする事にした。

立て爪ではなくゴールドの指輪に。食事やお出掛けに身に着けられる指輪にして欲しいと。

元はプラチナの台座だったので、それをグラム数で売却し、手持ちのゴールドの可愛い(独身時代に夫から買ってもらったハート型)指輪とゴールドのネックレスも売却したので、リメイク代金は無料。お釣りさえあったくらい。

「イニシャルや数字はどうされますか」と聞かれ即答で4桁の数字を言った。


指輪は見事に満足できる指輪に産まれ替わった。職人さんに「4桁の数字は私の子供が産まれた時の体重なんです」と全てが終わった時に打ち明けた。職人さんは

「それは1番大事な数字です。何の数字だろうと思ってました。そうですよね。母親しか知らない数字です」


サイズが変わり今は中指や人差し指に着けている。あるブログでひとつの婚約指輪は四人の子供に分ける事も出来ないし、嫁ぎ先から贈られたダイヤよりカルティエのほうが良いとあった。


私の婚約指輪はリメイクされ私の愛する我が子の出産時の体重が彫られている。

カルティエより私には宝物だ。