新聞の書評を読むのが好きだ。
中学生の頃からずっと。
学生だったから読みたい本があると丸印を付けて父に「これ買って」と頼んでいた。
朝、お願いしてその晩に読める事は少ない。父も書店に行き購入してくるのだから。
「1週間くらい入荷待ちだと言われた」
当時でも新聞の書評を読んでから新聞を切り抜き「これ、この本どこにある?」と大型書店の店員さんに聞く人は多かったはずだ。
政令指定都市の駅近の会社に勤務していた父でさえ
「売り切れと言われたから予約してきた」
仕事を終えた父が買ってきてくれるのを待つしかない。
無事?に買えた、父が購入してくれた待ちわびた本は宿題は後回しにして読み更けた。
まだ早いだの高いだのと父に言われた事はない。昔はもう少し書籍は安かった。お小遣いから引かれることもなく本代は自由だったと思う。読書に理解のある両親には感謝している。今でも読書が好きだから。
もう昨年の話だがある本の書評を読んだ。あまりにかなしく、心にグっときたのでスマホで撮影した。記録用に。
「過酷な環境で育った人間は必ずしも他者に優しくなれるわけではない。むしろよほど強い人格ではない限り自分も苦しんだのだからと人につらく当たりがちだ」
産経新聞の書評より。
実際にすぐこの本を購入して読んだ。悲しい本だった。フィクションで良かった。あまりにも悲しい本。せつないとかエモいとかそういう簡単な言葉では感想が貧しい。
ベストセラーや賞を取る作品は映画化やドラマ化されることがある。
大抵は(いや殆ど?)原作と違うらしい。私は読書だけにして映像化されたものは見ない。
私が「悲しい」と思ったこの本は映画化はされないだろう。できるはずはないし演じられる役者もいない。どんでん返しでもなく衝撃のラストでもない、只々悲しい。本当に悲しい。ネタバレをここに書くことはしない。