おはようございます、主任講師の笹井です(・ω・)
今回は、現代文の問題を解くときに、便利な知識についてお話ししようと思います。中学入試・高校入試・大学入試など、全ての入試で役に立つ知識です。知っておくと便利ですよ。
さて、皆さんは今までにたくさんの現代文の問題を解いてきたと思います。
それらの中には、選択式問題(選択肢から正答を見つけ出すタイプの問題)が多数あったと思います。
今回は、この選択式問題についてのテクニックを紹介します(・ω・)
今回紹介するのは、次の原則です。
「選択肢中に、限定的な表現・極端な表現があれば、その選択肢は誤りである」
では、具体的に、この原則をどのように使えばいいか。
まず問題を解くときに、選択肢を一読します。
その時、選択肢内に次に挙げるような言葉が含まれているとします。
「だけ」・「必ず」・「しか」・「完全に」・「全て」・「絶対」
これらを一つでも含む選択肢があれば、9割以上の確率でその選択肢は誤りです。
なぜか?この理由は選択肢をつくる事情の中に存在しますが、話が長くなってしまうので割愛します。
では、実際の使用例も見てみましょう。
2011年のセンター試験(大学入試の一形態)から例を挙げます。
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問2 傍線部A「からだが家のなかにあるというのはそういうことだ」とあるが、それはどういうことか。その説明として最も適当なものを、次の①~⑤のうちから一つ選べ。
① 身体との関係が安定した空間では人間の身体が孤立することはないが、他のひとびとと暮らすなかで自然と身に付いた習慣によって、身体が侵食されているということ。
② 暮らしの空間でさまざまな記憶を蓄積してきた身体は、不自然な姿勢をたちまち正してしまうように、人間の身体はそれぞれの空間で経験してきた規律に完全に支配されているということ。
③ 生活空間のなかで身に付いた感覚によって身体が規定されてしまうのではなく、経験してきた動作の記憶を忘れ去ることで、人間の身体は新しい空間に適応し続けているということ。
④ バリアフリーに作られた空間では身体が空間から疎外されてしまうが、具体的な生活経験を伴う空間では、人間の身体は空間と調和していくことができるのでふるまいを自発的に選択できているということ。
⑤ ただ物理的に空間の内部に身体が存在するのではなく、人間の身体が空間やその空間にいるひとびとと互いに関係しながら、みずからの身体の記憶に促されることでふるまいを決定しているということ。
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以上、本文抜きで、問題文とその選択肢を引用してきました。
さすがに大学入試だけあって難しいです。一読しただけでは意味が分からないと思います。
ただ、選択肢②は、「完全に」という極端に限定してしまう言葉を含んでいます。これを発見できた時点で、選択肢②は9割以上の確率で誤りだと分かります。
この原則を知っているだけで、選択肢を1つ消せます。大きな収穫ではないでしょうか。
大学入試の問題を例に挙げましたが、中学入試でも、高校入試でも、これは使えます。是非試してみてください(・ω・)