学校なんかに期待しちゃダメなんだよ。
もっというと、机、椅子、黒板ってカタチ、教室っていうカタチのなかで学ぶのは、人間には向いてないね。
あれは、町内会の会議とか「ゴミ箱どうするか」みたいなホームルームに合うね。
学ぶのには本当に向いてない。
それに、小学校のあいだって、学ぶのには向いてない時期だよね。
俺に言わせれば、学ぶのに向いている時期は30歳過ぎ。
すごく勉強したくなるから。
俺のまわりだって、みんな勉強家だし、本当にいろんなこと知りたくなるし、調べたくなるし、考えたくなる。
だけど、小学校の時期は、歩いてて穴に落っこちちゃったりする時期よ。
それで「不思議だな」、
「生きてるってホントに変だな」って。
空見る時期だし、草見る時期だし、
水の中に潜ってる時期…
それで、体と心がバラつくんだけど、バラつかない方法を自分で覚えていくわけよ。
『空色っていう絵の具があるけど、空色と空の色はちがうな』
『ねずみ色とかいってるけど、白いねずみがいる』
『なんか心臓がドキドキしている。これは、何が動いているんだろうか?』
『靴下脱いでみたら足がくさい、なんだこれ?』
そういう時間が長いほうがいい。
俺なんかが、かなり幸せだったなって思うのは、大人に暇がなかったから、子どもがどこで何してようと、いちいちかまわれることがなかった。
だから、そういうことしてる時間がけっこうあった。
それがないままいっちゃうと、20歳過ぎて
「私って誰だろう?」とか、主婦が「私はどうやって生きたらいいんだろう」とかさ。
そういうのは、ガキのころやんなくちゃ。
マジメに授業受けたりしてて、そういう時間が足りないから、そんなことになっちまう。
不思議のなかに生きてるんだから。
その人生を豊かにする不思議さってのに、たっぷりと、身をおいてく時期が幼いときなんだろうな、って思うな。
この人が語る「不登校」 より



