最近読んだ新聞の記事で
教誨師(きょうかいし)という職業がある
ことを知りました。
 
 
教誨師とは、刑務所で働く宗教者のこと
を指すようですが、アメリカと日本では
基本スタンスがだいぶ違うようです。
 
 
文化の違いだな~と思い興味深く記事を
読みました。
 
 
記事を書いていたのは、ハーバード大学
で宗教学を専攻していたアメリカ人でし
た。

その人は日本のある宗教に興味を持ちま
した。
 
 
興味を持った点は、その宗教独特の教義
と、教誨師の人数が、キリスト教、仏教
に次ぎ、3番目に多い宗教団体であると
いう2点だったそうです。
 
 
アメリカの教誨師は一般的に受刑者の
メンタルケアを主にしているそうです。
教誨師がどの宗教だったとしても、
受刑者の心のケアを有償で行うという
立派な職業のようです。
 
 
ところが日本の教誨師はボランティア
無償で働き、各宗派の教えを通して
受刑者を道徳的に改心させる活動を
しているそうです。
 
 
この背景には、受刑者が出所した後の
受け入れ先の不足というものがあるそ
うです。
 
 
アメリカでは、出所後の受け入れ先と
して、働く場所があり犯罪者が自力で
社会復帰できる道が制度上は整えられ
ているようです。
 
 
しかし日本では、出所した後の受け入れ
先が足りないために、昔から宗教団体が
出所後の犯罪者を受け入れていたそうです。
 
教会などに住み込みをさせて、生活を共
にする中で改心させ、社会復帰を促すと
いう、宗教側にとっては布教になるし、
犯罪者側にとっても生活の保障が得られ
るというのでメリットがあるようです。
 
 
日本の教誨師は無償でも熱い信仰心
によって、とても熱心に活動しているそ
うです。
 
 
この記事の要点は、アメリカと日本の
制度の違い、文化の違いから、社会に
置ける刑務所の意味や宗教の意味を、
解明していきたい、というものでした。
 

記事を書いたアメリカ人は、今、その
宗教団体が持っている大学に所属して
来年、その宗教団体についての英語の
本を出版するようです。
 
 
明治時代にその宗教団体に関する英語
の本が出版されて以来なので、現代の
社会情勢を反映した内容が書けるので
はないかと、楽しみにしているそうで
す。
 

実はこの彼、大学生のときに丁度
退官した教授から、いくつかの
アジアの宗教についての本を譲って
もらったそうです。
 
 
その中の一つが、その宗教団体の本で
その時は、面白い宗教だな、くらいに
思っていたとのこと。
 
その数年後、アメリカの教誨師につい
て研究しようと思い、それに関連し、
日本の教誨師制度や、その内容を調べ
るうちに、またその宗教団体が出てき
たので、点と点がつながったようで、
すぐに来日し、現在に至るようです。
 
 
何が言いたいかというと
教授からもらった本の中に、たまたま
あった本が、未来の自分の研究につな
がった、そして、それが生涯をかけて
研究したいものとつながった、という
こと。
 
 
だから、その時は何の気なしに読んだ
本や、選んだ本の中には未来につなが
る種が潜んでいるということ。
 
 
本に限らず、出来事や人との出会いな
ど、その時はつながらなくても
きっと、未来につながっている
そんな感覚で、日々新しいことを
経験していく過程が、私は好きです。

解釈や判断はいったん保留しておく。
 
 
お楽しみを後にとっておく感覚で
物事を見ていくと、自分の未来が
楽しい要素で埋まっていく気がします。

半年前に、下の息子の進路を考えてい
く過程で、いろいろな情報に触れまし
た。
 
 
その情報のいくつかを拾い上げ、今の
生活につながっています。
 
 
いる情報、いらない情報を選別したわ
けではありません。

こうしたら楽しそう、やってみたら面白
そう、そんな感覚を判断基準にしてい
ました。
 
 
その過程で得たものも、失ったものも
あります。
 
でも、自分で選んだという強い自覚が
あるので、結果がどんなものでも
人生を彩る要素にしかなりえません。
 
 
今日は、朝から近くの道の駅でWSスライド
を作りながら感じたことを書いてみました。
 
 

窓からはきれいな川の流れが見えます。
今日も気分よく過ごせそうです。