映画『マエストロ』を観てきました。

私としては、ベートーヴェンの『運命』はやっぱり何回か弾いているし、なんだか身につまされる話のようなオーケストラの「あるあるネタ」がいっぱいあって、正直、観ていて頭が痛くなってきたり胃が痛くなってきたりするくらいだったけれども、音楽をほとんどやったことがない夫は面白かった様子。
ただ、私は周りに心配されるほど弓を張りすぎる人だったので、あの弓ゆるくないかな?と変なところを心配してしまったり。
コメディかな?と思って行ったら、それは予想をはるかに裏切って、なんだかとっても切ない悲しいお話で。
でも、最後はとても大きなものに包まれるような気がして、なんとも言えない至福のひと時を過ごすことができました。

まあ、何よりもキャストが本当に楽器に初めて触っただなんて未だに信じられなくてね。
いやあ、もちろん他のお仕事と並行してやっていたんだろうし、普通にまともに習っていたって一年であそこまでいくのは、たとえ空砲打っていたとしても、無理でしょう!とそこがただただびっくり。
曲の構造はもちろんのこと、弓使いから何からきちんと理解できていないと、あそこまではできないと思います。

特に私は、変な癖がついて最後の最後まで弓の持ちかたを矯正されて、そのまま直らないでやめてしまっているので、松阪桃李君の美しい姿勢やら弓の持ち方に本当に羨ましいやら感動するやら…。

西田敏行さんは、『屋根の上のヴァイオリン弾き』を観に行ったことがあるし、『ナイトスクープ』でもヴァイオリニストさんと一緒にやられているので、なんかクラシックが舞台のものってぴったりハマリ役な気がして、すごくかっこよかったです(過去に一緒にやった大嫌いな指揮者を思い出してしまって仕方がなかったけれども…)。

ただ、あちこちの番組で、「楽器ごとの性格」というのをよく話題にしているけど、私が過去にいたオケ(といっても2つだけだけど)のオーボエさんはどちらかというと影のコンマスみたいな、もちろんリーダー役だからしっかりした人なんだけど「俺が俺が」ってタイプじゃなくて、みんなから好感もたれる人物だったけどな(もちろんオーボエって楽器だけで尊敬されるしね)。
そこだけあれ?って思うところでした。

松阪さんは、クランクアップのあと、ヴァイオリンをプレゼントされたとか…。
いやあ、両立って本当大変だけど、せっかくあそこまでいったんだから続けてほしいなあと思います。
そして、この映画が『のだめ』のときのように、クラシックファンが増えるきっかけを作ってくれたら嬉しいなあと思います。
あんまり書くと止まらなくてネタバレしそうなので、今日はこの辺りでやめておきます。