本物の「三銃士」
日本で良く知られている「三銃士」は、本来あるべきアレク・サンドル・デュマの「ダルタニャン物語」の一部分である。ということを、知っている人は、どれぐらいいるだろう?…なんて、言っているのは私だけかも知れませんが、それでも、知らない人もいるかも知れない。
私も、つい最近、知りました。いや、お恥ずかしい話です。
けれど、このダルタニャン。大人でも楽しめます。というか、子供向けの児童書だとばかり思っていたのですが、違うんですね。
この「ダルタニャン物語」、「三銃士」のその後の部分が描かれています。
よく見かける「三銃士」は、田舎から出てきた貴族とは名ばかりの、若造にすぎないダルタニャンがパリへ出てくる。既に三銃士であったアトス・ポルトス・アラミスとの出会い、友情を育むようになり、様々な事件の中で、剣士としても人間しとしも成長していく…
この作品の読みどころは、会話のテンポの良さと、センスの良さではないでしょうか?
昨今、こんなコジャレタ会話は、あまりお目にかかれません。
気の利いている、やりとりと、ジョークの嫌味のなさ。
ただ、問題は、この初出がかなり古い時代であるため、現代に置き換えると、少々差別的な風習が各所に見られること。そのため、おおっぴらに出版がなされていないということ。
確かに、無分別に賛美してしまい、それを当然の常識として捉えてしまいかねない問題はあるかも知れませんが、それを差し引いても尚、彼らの友人同士の距離の取り方、会話の踏み込み、そして相手を信頼するということは、ベタベタと甘やかしたり、甘やかされたりすることではないという、ある種の厳しさのようなものは、なかなか、読んでいても新鮮です。
全部で11巻。速攻で読めば、丸1日で一気に読むこともできるほどの面白い内容であり、飽きもこない名作ではりますが、私としては、じっくり会話を味わいながら、通常よりも時間をかけて読むことをお勧めしたいです。
更に、デュマが種本としたと言われている、サンドラスの「ダルタニャン回想録」も復刻されています。こちらのタイトルは、「恋愛血風録」…ちょっと、タイトル的に、それはどうです?と疑問がないわけではないですが、ダルタニャンの恋愛が絡んだ話が8本入っています。ダルタニャンの原点としては、押さえておいても、損はないと思います。
時間的余裕のある時に、あるいは、現代の小説に少々飽きてきたかな?と、思われたときに、お勧めのシリーズです。
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