次の日からは、中学の時とほとんど何も変わらない生活が流れていった。

変わったのは朝着る制服だけ。

この服は近隣一帯の私立学校の中でも、ある意味「評判の」さえなさだった。
街を歩けばある意味目立つ、というよりも浮くし、かわいさというものはかけらもない。
学校帰りに運命的な恋をするというのも、この制服では絶望的だ。


朝は学校の最寄り駅を通る路線の始発点に行くため、自転車をとばす。

何回か事故もあったが、命に特にかかわることもなく、ただ夏の日は暑く、冬の日は寒くといったことにだけ悩まされる。


駅はそれなりに繁華街の空気を醸す街にあるため大きく、乗り換えも多数。

朝も自分のような学生からサラリーマン、小学生までもたくさんの人が、発車ベルにせかされながら駅を行きかっている。


いつも乗る七時三十七分の電車。電光掲示板でその文字を確認する。

「よしっ。間に合った」

なにというわけでもないがつぶやき、階段を昇る。


学校の最寄り駅で真子と待ち合わせ。だから電車の中ではひとり。


この路線で嬉しいのは痴漢が少ないことだった。
確かに制服のこともあり痴漢にはただでさえ狙われにくかったが、同時にその手のマニアにはたまらないものでもあった。


中学の時とは少し違って、電車進行方向前方の車両に乗った。
意外と以前乗っていた車両よりも、なんとなく居心地がよかった。

これからはここにしよう。

高校生になったこともあるし心機一転、と思っていると、そこに同じ学校の男子生徒が数人乗りこんできた。
直接の知り合いはいないが、同学年の人だということは知っている。


その中にいたのが、剛(つよし)だった。