忘れてしまいたいのに
忘れたくないんだ

忘れられないわけじゃない

だってほら
もうほとんど覚えていないんだ

どんな声で
どんな顔で
何を語りどう触れ合ったのか

覚えていないのに
未だこの胸の何処かに在る
それは記憶でなく
想像に歪められた“思い出”

記憶ならやがて薄れゆくのに
思い出は願っても消えない
当たり前だ
思い出なんて
留めようとした記憶の残りカス

忘れたくないから残るんだ

そう
どんなにつらい思い出でも
忘れられないというのなら

それは

忘れたくないんだ