午前零時
ふと不安になる

解ける魔法も無いし
王子様もいやしない
魔法使いが来てくれるほど
不幸であったわけもなく
ガラスの靴なんて無いから
その後の幸せが保証されてるわけもない

ただ何も変わらないだけ
なのに不安になる

どんな瞬間にも
世界の何処かで沢山の命が絶えている
その事実も変わらないのだから
次の瞬間には
それが私でもあの人でもおかしくはないのだから
たった今迎えた新しい日が
終末の日と成り得るのだから
新しい日を迎えることが不安になる


死ぬのは怖くはないけれど
あの人と離れるのは怖いと
誰かが叫んでた
それは
私だったかもしれない


今絶える命よ
ごめんなさい
貴方が私やあの人でない事を喜んでしまう私を
お許し下さい

今生きる者よ
私達は生きなければならない
私達が「死ななかった」
その瞬間に死んでいった者の分も
〈その時〉が訪れるまで生きなければならない

〈その時〉を自ら探している者がいることは
仕方が無いけれど
少なくとも私は
もう〈その時〉を自ら探しはしない

私は生きます
この命絶えるまで