双極性感情障害と診断された夫には、炭酸リチウムが処方された。

気分の上がりすぎを防いでくれ、下がりすぎにも効果があるらしい。

本人に『効いている』という実感が乏しいけれど、続けることで再発の確率を下げてくれるので、継続して服用することになる。

 

治療にはやはり投薬が必要なので、 通院=薬を飲む ということだと医師に言われた後、自宅に戻って色々話し合った。

薬を飲むことに激しく抵抗を示していた夫だったが、転院した病院の雰囲気やスタッフの様子はそれなりに気に入ったようだし、何故薬が必要なのかという医師の説明にも納得していたらしく、思ったよりスンナリ通院する方向に決まった。

 

再来院して血液検査や心電図など身体に関わる検査をし、薬を処方して…と一通り済ませて会計をしたら、目玉が飛び出るほど診察料が高かった。検査ばかりなので仕方ないけれど、投薬していればこの手の検査は定期的に必要だろうし、そのたびにコレかあ…と内心ヘコんでいたら、会計受付のかたに自立支援医療の申請をすすめられた。

自己負担が軽くなる制度らしく、さっそく申し込むことにした。ありがたいありがたい。手続きには2カ月ちかくかかるらしい。

 

服薬が始まって、ちゃんと飲んでくれるかな…と心配していたが、うつ状態で全く起きてこられない時を除けば、きちんと飲めているようだ。

ただ、水と薬を用意して、目の前においてやらないと飲まないのだけれど。

 

なんで自分で用意して飲まないのだろう。

 

夫は面倒くさがり屋ではないし、いわゆる『タオパンパ』な依存亭主でもない。やれることはキチンと自分でやるし、忘れっぽいウッカリ屋とは対極の性格をしている。だから薬を飲むことを忘れているとは考えにくいし、食事の後片付けを(調子が悪いとき以外は)やってくれる人が、自分の飲む薬を準備するのをめんどくさがっているとも思えない。

 

やっぱり嫌なんだろうな。

薬を飲み下す時の渋面を見るとそう思う。

ともあれ、どんな形でも飲んでくれればそれで良い。問題は、本格的に嫌がったら…ってこと。多分そういうときは、躁転に向かってる時だから、やっぱり怖いなあ。

 

先回りの心配をしても仕方ない。それは分かっているんだけど。