SUPER GT第4戦もてぎでは、1回目のSC中に隊列の最後方でStudie BMW M6 山口 智英が

アールキューズ AMG GT3に追突したようでさらに部品が飛び散る事故がありました。

レース当日の中継映像には詳細が映っておらず、私も当該レースの記事内では数日情報を探った中でも

まだ分からない状態だったので

 

今のところどういった経緯で渋滞に至ったかは分かりませんが、公開された車載映像の中で、

GT500で10位だったRAYBRIG NSX-GTが通過する段階でかなり前に詰まって減速気味でした。

これが波及して後方で最終的に止まるほどの渋滞になったと推測できますが、作業がコース側に及んで

誰かが減速する要因を作ってしまったのか、あるいはタイヤの温度維持に夢中になった誰かが

追い付きすぎて急ブレーキをかけたのが要因だったのか、詳細は分からないですね。

テレビ東京のSUPER GT+でやってくれればいいんですけど、こういう不手際のような場面は

基本的に無かったかのようにしてしまうので期待できないですが^^;

山口はこれにより危険なドライビング行為で90秒ペナルティー(リタイアにより留保)と罰金10万円となりました。

 

 なお、中継では4周目にマッハ車検 GTNET MC86 マッハ号がスピンしている映像があり、きちんと

映像が捉えきれておらず「単独スピン」とされていました。ただ、実は山口は記録によればドライブスルーの

ペナルティーをもう1回受けており(確かに急に40秒ほど下がっている)、状況からしてこのマッハ号の

スピン原因、接触相手だったという可能性が高そうです。SUPER GTの中継も、他の主要なレースと

同様に、レース コントロールからのメッセージを画面に表示するようにしてほしいですね。

 

 としていました。この後も公式動画を探っていましたが、一通り車載映像が公開された中で、GT300の10位あたり

までの映像を見ることができ、そこでやや減速に起因した渋滞が波及するきっかけは見えました。

しかし具体的に車が止まらないといけないほどの状態は確認できず、公開予定の車載映像も全部出たので

これ以上無理かな、と思っていたら、最後に出てきた車載映像によるバトル&アクシデント特集で

この事故の映像もありました。

マッハ号のスピンに関しては、推察通りStudie M6が追突していました。それも結構真後ろからもろに^^;

中継映像では単独スピンだと思われていたマッハ号

 

そしてSC中の渋滞事故、M6の車載映像が公開されており、前方ではやはりブレーキ起点の渋滞が波及した、

という様子が見て取れましたが、それよりも問題だったのは山口自身のドライビングにあったように思います。

追突により中破した2台と、後ろから来てちょっとおろおろしていたマッハ号

 

 映像を見ると、山口は隊列内を同じような速度でついて走っていたようですが、S字付近で気が緩んだのか

右手をステアリングから離して片手運転となり、そして視線を下に落としているとミラーに映っている頭部から

推察できます。そして、その視線を落としたまさにそのタイミングでちょうど渋滞の波が到達して前のAMGが

ブレーキを踏んで減速、しかし山口はそれに気づくことができずに走行してしまい、目の前に車が見えた

衝突の直前と言えるタイミングで急にステアリングを左に切りつつブレーキ、これが間に合わず衝突、と

映像を見る限りはこういった流れに見えました。ほとんど交通事故のような映像です。

 

 こうした流れが概ね妥当であったと仮定しての話ですが、確かに、前方の減速による波及により、隊列が

停止に近い状態まで遅くなったのは事実ですが、そもそもSC、というか黄旗2本の段階で、車両は基本的に

『何かあれば止まれる速度』である必要があり、それは当然『ドライバーが止まれるよう注意を払っている』

必要があると考えられます。彼の位置ならあそこに車が停止していたことは1周前にたぶん確認できていると

思うんですが、把握している、いないはとりあえず横に置くとしても、ちょっと気を緩めるのは人間仕方ないとしても、

『前を見ていないことがきっかけでぶつかった』というのはあってはならない事態だったと思います。

これにより罰金やモラルハザード適用など一定の制裁を受けましたし、彼はジェントルマン ドライバーなので

レース中の動きが多少不安定で接触することは、もちろん良くは無いですがある程度仕方ない部分もあります。

ただ安全面に関しては上手い下手に関係無く守らなければいけないですから、起こってはいけない事故

だったと思います。

 人身事故ではなかったことが不幸中の幸い、本人も肝に銘じたと思いますが、我々も日常生活の中で、

あるいは、サーキットでスポーツ走行をされる方なども、他人事と考えずこういったことは教訓にしたい、

と思う事象でした。

 今の世の中、こうした件でやめろだの死ねだのすぐに暴言を吐くどうしようもない人がいるので、公開そのものを

ためらうこともあり得ましたが、かなり時間が経過した中で、コアなファンしか見ないコンテンツでのこととはいえ、

公開されたことは良かったと思います。無許可では出せないでしょうからチーム側も許可した上でのことだと

思いますが、過度な個人攻撃などの中傷行動に対して問題が起きないようきちんと意見交換をしながら、

ネガティブな内容もできるだけ中継や公式サイトなどでも発信できるものは発信して、それを啓発などにも

繋げていただきたい、と個人的には思いました。

 

 SUPER GTに関しては、鈴鹿でもありましたが、明らかにコース上に危険があるのにレースを止めないような

事例というのが毎年散見され、定例記者会見で触れられることはあっても、見ている我々に何がどういう状況で

どう判断したのか、どこは問題なくて、反省点はどこだったのか、等が今一つ伝わってこないところがあります。

事実上専門メディアであるオートスポーツ誌や同webも含め、そういった内容もきちんと取り上げられる、

悪いことはみんなで検証・共有・反省できるカテゴリーであってほしいと思います。