Formula 1 Pirelli Gran Premio Della Toscana Ferrari 1000 2020
Autodromo Internazionale del Mugello 5.245km×59Laps=309.497km

winner:Lewis Hamilton(Mercedes-AMG Petronas F1 Team/

   Mercedes-AMG F1 W11 EQ Performance)

 

 

 F1第9戦はトスカーナGP、という名前のイタリア・ムジェロ サーキットでの一戦。イベント名に1000とある通り

今季唯一の1000マイルレースです(。∀°) ※Chaseファンさん、パクりましたw

 フェラーリとしてのF1通算1000戦目ということでわざわざこんな題名が付きましたが、F1が開催されるのは初。

私はムジェロと聞きながら脳内でミザノを思い浮かべていました^^;

一見コース図を見るとテクニカルに見えますが、F1で走るとターン6~9が予選なら全開、平均速度が約250km/h。

ほぼ全部中~高速コーナーな上にF1をやるにはかなり幅が狭い状況。最近ありがちなコース外まで舗装された

設計では当然無いために飛び出すとスナーバックス入店の可能性があります、というか場合によっては

結構危ないので要注意です。

 

 このレースを前に、来季からアストンマーティンとなるレーシング ポイントはセルヒオ ペレスが来季チームに

残留しないことと、来季のドライバーにセバスチャン ベッテルが加わることを続けて正式発表しました。

ペレスはハースのドライバー候補に入っているようですが、良い買い物じゃないですかね?

 

 予選はメルセデスの一騎打ち、バルテリ ボッタスがフリー走行から好調で今日こそPPか!?と思われましたが、

Q3でルイス ハミルトンが好タイムを記録。そしてQ3の2回目のアタックに入ったものの、ボッタスの前方で

エステバン オコンが回ってしまって黄旗となり、ボッタスは消化不良で2位、ハミルトンがまたPPとなりました。

 マックス フェルスタッペン、アレクサンダー アルボンとレッド ブルがきっちり2列目に並び、なんと5位には

フェラーリのシャルル ルクレールが飛び込みました。これはPPに匹敵する会心のアタックと思いました。

セバスチャン ベッテルはキミ ライコネンに勝てず14位だったんですが(´・ω・`)

先週のスーパー ヒーロー、ピエール ガスリーもまさかのQ1落ちとなりました、新しいコースは何かと起こります。

アルファタウリはあまりダウンフォースが大きくないので得意ではないコースかもしれません。

 

 

 

 

 決勝スタートを前にフェルスタッペン陣営は何か作業に追われて不安な状況。初めてのコースでは

立ち回りの注意点をドライバーも把握できていないので当然荒れやすいと予想されますが、この後不安が現実に。

 ハミルトンがやや失敗スタートでボッタスが先行してターン1へ、さらにフェルスタッペンが3速あたりから

ERSが効いて無いような加速の鈍さで失速して後続が大混乱。ターン2でごちゃごちゃになり、前方では

ランス ストロールと並走していたカルロス サインツがタイトなラインに耐えられずスピン。

 後方ではライコネンとロマン グロージャンに挟まれてサンドイッチになったガスリーがライコネンに乗り上げた上で

グロージャンとぶつかりながらグラベルへ。ライコネンもこれで止まれずフェルスタッペンに追突。

多重事故でSCとなり、ガスリーとフェルスタッペンは完全にリタイアです。

 先週、ガスリーはフランス人ドライバーとしてオリビエ パニス以来の優勝でしたが、そのパニスは優勝の翌戦は

1周目にクラッシュでリタイアしていました。パニスはF1でこの一度だけの優勝でしたが、、、

なお、今回特別仕様でSCは赤色の限定車両が使われています。画面左下のF1ロゴも今日だけ赤色。

 

 7周目にリスタート、ボッタスはコントロール ラインを通過するギリギリまで待ってリスタートしましたが、

この遅いリスタートに後方が合わせられなかったようでリスタートした瞬間に多重事故が発生。

 前方が加速しないのに後方のドライバーは加速するつもりで見切り発車で加速を開始してしまったようで、

見た感じジョージ ラッセルが不用意に加速してから急減速、それを見たケビン マグヌッセンが急ブレーキ、

そこに後方の車が相次いでぶつかったようです。これで赤旗に。

 ボッタスはスリップストリームを使われたくないからあえてギリギリまで加速しなかったのかと思いましたが、

SC退出に際して、ライトを消すのが遅かったことが要因の1つではないか?と無線でのハミルトン。

確かに、レース コントロールからのSC終了メッセージはセクター2のあたりで出ていましたが、SC自体の

ルーフのライトは最終コーナーになって消灯されていました。ライトが消えるまではSCと10車身の間隔を

維持する義務があるので、ボッタスとしては距離を空けることがそもそも難しかったかもしれません。

ただ、じゃあSCが早期に退出していたとして、スリップを使って抜かれそうなこのコースでわざわざすぐに

加速したのかどうかはまた別の話でもあります。レース後に関係したドライバーはお呼び出しを受けましたが、

ボッタスのゆっくりリスタートは規則に則ったもので問題なし、クラッシュした人たちは注意を受けたものの、

『責任を負うような者は無し』という結論になりました。ただ、リスタート方法を巡って次戦までに改めて

何かしら話し合いの機会がもたれる可能性はありそうです。

 赤旗中にメルセデスは新品ミディアムへ交換、オコンはブレーキのトラブルが原因と見られるリタイア、

もう13台しかいない状態で10周目にスタンディングでリスタート。ハミルトンがボッタスのスリップを使って

ターン1で外からかわしていきました。アルボンは7位に後退、最初のスタートで3位に上げていたルクレール、

ここでも3位を守ります。フェラーリに謎の力が働いているとでもいうのか!?と僅かながら今回入場できた

観客も沸いたかもしれませんが、18周目にランス ストロールがルクレールを抜いて2週連続表彰台圏内へ。

ルクレールはこの後ドバドバ抜かれて行きます。

 メルセデスの2台はもう遥か遠くで、トップ2はボッタスがまだ1.5~2秒差で踏ん張っていますが、

別の戦略も採れないので打開策も無し。

 

 ボッタスは「次のタイヤはハミルトンと逆のやつにしてほしい」と要望を出しますが、28周目あたりから

急についていけなくなり差が拡大。「左前のタイヤが終わった、振動がひどい」と、結局ハミルトンより先に

31周目にピットに入ることになりました。ハミルトンは「タイヤは大丈夫」と言っていましたが、放置すると

アンダーカットされてしまうので翌周に入ります。当然ぶっちぎりでトップ。

 他の順位争いでは、ダニエル リキャードがストロールをアンダーカットして3位へ。逆にランド ノリスは

「ペレスをアンダーカットしに行こう」と言いつつその前にコース上で抜いてしまったのに、逆にペレスに

アンダーカットを食らってしまって再度コース上で抜く必要が出てしまいました。

 

 メルセデスはボッタスの右前タイヤに損傷が見つかったとして、両ドライバーに対し縁石を避けて

走るように指示が出ます。今年何度か聞いた話ですが、一度痛い目に遭ってますからねえ。。。

 

 43周目、リキャード、ストロール、アルボンの3台による3位争いが面白いので映像が捉えていると、

その中のストロールがいきなりコース外へすっ飛んでクラッシュ。左リアがパンクした様子です。

バリアの損傷がハゲしいため赤旗になりました。

 ストロールの車両は内部でちょっと火が出ていたようで、マーシャルさんはほぼ全損した車両のカウルを

べりべり剥ぎ取って消火器投入。空になったやつを豪快に放り投げたマーシャルさんがなかなかパワフルでしたw

 

 47周目、とうとう3度目のスタンディングスタート、台数がかなり寂しくなっています。

ボッタスはお返しをしたいところでしたが、蹴り出しが今一つで逆にリキャードに抜かれ大失敗。

翌周すぐ抜き返しましたが、この空力サーキットでチームメイトをコース上で仕留めるのは至難の業。

結局残りの周回をきっちりまとめたハミルトン、普通に行けば生涯のF1キャリアーで恐らく1回しか走らない

珍しいサーキットでのレースで、ポールと勝利の両方に名を刻みました。これでF1通算90勝目となり、

ミハエル シューマッハーの歴代最多記録にあと1と迫りました。また通算222回目の入賞でもあり、これは

一足先にシューマッハーを抜いて最多となっています。さらに、42戦連続完走でニック ハイドフェルドの記録も

塗り替えて最多となりました。

そして3位にはアルボンが入りF1初表彰台を獲得。タイ人ドライバーとしては、プリンス ビラの4位を上回り

史上最高位となりました。ビラ王子は1950年のF1第1戦に参戦していた当時の有力なドライバーであり、

アルボン以前に唯一F1に参戦したタイ人ドライバー、アジア人としても史上初のF1ドライバーでした。

 

 ペレスは第1スティントはペースに苦しんでいましたが、タイヤを換えた後は幾分改善されたのか

あとは堅実に走って事故にも遭わず5位、COVID-19感染で2戦に欠場しているものの、出場レースでは全て入賞。

 また、ライコネンは8位でチェッカーを受けたものの、SC導入時に慌ててピット入り口の分岐点を無視して

入ったために5秒加算のペナルティーにより9位に降格。これでルクレールが8位でフェラーリの面目を何とか

保つことができました。フェラーリはF1初レースだった1950年の第2戦モナコGPでも、アルベルト アスカリが

フアン マヌエル ファンジオの駆るアルファロメオの後のチェッカーを受けていました。といってもこの時は

1位と2位なのでレベルがまるで違いますけどね(´・ω・`)

 

 初開催のレースでやはり荒れました。コース外に出たらリタイアになるし、狭いから接触もあるし、

不確定要素がある方が展開として面白いのは事実ですが、毎回こんなコースで開催してたら間違いなく

大惨事が起こるでしょう。非常事態とはいえよく開催許可が下りたなと思います。トラック リミットは

『厳しくとってたらレースが出来ない』なんて批判されますが、安全のために舗装しているだけで

走行するための場所ではないわけですから、はみ出る=アウト、というこういった元々のサーキットの

性格から考えると、コース外走行に対して何らかの不利益を被るような仕組みづくりをする、なんていう、

ある種『ゲーム的』、もうちょっと言い換えると『フォーミュラE的』な発想の転換を考えてみるのも、

全くのデタラメではないかもしれません。

 

 3連戦が続く過密日程はようやくこれで一段落、次戦は1週開けてロシアです。