NASCAR Cup Series

Drydene 311

Dover International Raceway 1mile×311Laps(70/115/131)=311miles

winner:Kevin Harvick(Stewart-Haas Racing/Mobil 1 Ford Mustang)

 

 NASCAR Cup Series、ドーバー2連戦の2戦目です。先週のデイトナからスタート順位は指数に基づいて

決定されていますが、このレースは同一トラックの2戦目なので上位20台リバース方式が採用され、

マット ディベネデトーとライアン ニューマンが1列目からのスタート。昨日は全く目立たなかったMatt D、

プレイオフに進むためにもこのスタート位置を活かさないといけません。

 スタートでは今日もPPが圧倒的有利、Matt Dが大きく逃げます。昨日はボンネットのスポンサーが

モンスター エナジーでしたが今日はリッチモンド ウォーター ヒーターズに変わってますね。

 

 6周目、リッキー ステンハウスジュニアがジョーイ ロガーノと接触してクラッシュ。はずみでその後ろでも

減速したカイル ブッシュにチェイス エリオットが追突してチェイスは一発でガレージ送り。さらに関係ないところで

ジョーイ ゲイズとクイン ハウフもスピンしており、ハウフ以外の3人は実質リタイア。ドーバーらしい幕開けです。

いや、昨日も幕開けは激しくてその後何も起きなかったわけですけど。

 

 12周目にリスタート、ここでインからエリック アルミローラが前に出ます。ディベネデトーは基本的に車が

決まってないのでリスタートで車が前に進んでない様子。これだとずるずる下げる展開になりそうなので、

今日はリード ラップ維持で15位あたりが目標になりそうです。

 この後33周目にデブリーで2度目のコーションとなりブレイニーはステイ アウト。ピット組ではディベネデトーが

2タイヤ交換で4位につけます。

 

 40周目にリスタート、ブレイニー、バイロン、ディベネデトーと続き、あまりペースが上がらないディベネデトーが

壁になります。これはバイロンにとってはおいしい展開。ディベネデトーが徐々に順位を下げる一方で、

リスタート後に稼いだ貯金があるバイロンはピット組に追われることなく自分のペースでレースを展開。

ステージ終盤、ハービックが上げてきてバイロンをかわすと、ステージ残り2周でブレイニーも見事にかわして

ステージ1を制しました。土日で連戦をやるとハービックとハムリンが争う決まりでもあるんでしょうかw

バイロンはステージ3位、ディベネデトーが7位、ジョンソンがそのすぐ後ろで8位です。

 ステージ2開始を前にレースは赤旗、リスタート位置付近で舗装が痛んでいるため、緊急補修工事です。

15分ほどで赤旗は解除されました。NBCは待ってる間に、この裏でやっているインディアナポリス500の様子を

ちょろっと放送して繋いでた模様w

 

 改めてステージ2、ハービック、ブレイニーが外ラインから出て1、2位。昨日の勝者・ハムリンが5位まで浮上。

 100周目、今回の冠スポンサー・DRYDENEスキームのコリー ラジョーイがタイ ディロンに押されてスピン。

ラジョーイはかなり怒っているようで、コーション中に弟ディロンに煽り運転。

ちなみにDRYDENEはギアやエンジンなどの潤滑油の会社です。

 ここで全車ピット、ロガーノが素早い作業で先頭を撮ります。一方ジョンソンはここで手痛い速度違反。

後方リスタートになります。

 

 ロガーノはリスタートからリードを奪いはしたものの、ハービックがいつでも抜けそうな動きで背後について、

116周目にリード チェンジ。今日のハービックは手が付けられません。この後レースが半分に到達して成立、

この時点でハービックのレギュラー シーズンのチャンピオンが確定、そして佐藤 琢磨がインディー500で勝利した、

との情報も紹介されます。たぶん日本のモータースポーツ好きの99%は裏でやってるドーバーのことなんて

知りもしないでしょう。ていうかアメリカの人ですらこのレース見てるのか?w

 

 コーションが出ず約80周の長いランとなりましたが、ハービックは圧倒的な安定感で結局2位のロガーノに

8秒差をつけてステージ2も勝利、ジョンソンもロングで安定しており、なんとリード ラップ最後方から出て

ステージ9位でした。ディベネデトーは逆に15位以下まで落ちてかろうじてリードラップを維持、私が序盤に

予想した位置になりました^^;

 

 ファイナル ステージ、ハービックがここも盤石のリード。217周目にハウフのスピンで久々のアクシデントによる

コーションが発生しました。ハウフはどこにもぶつけずうまく対処しました。

 

 全車ピットに入った後222周目のリスタート、ここで1列目インのハムリンがそのまま2位で抜けてとうとう

ハービック、ハムリンという2連戦名物(?)の光景になります。しかしなんとハムリンはルース ウィールで

そこから5周で緊急ピット。なんてこったい。

しかし、個人的に妙にツボにはまったのはこの後の場面で、ピットを出たハムリンを待ち構えていたのは

なんかすっごいよく似たカマロ軍団でしたw 一瞬でどれが誰か見分けられた方は相当コアなファンですw

 

 仮にコーションが出なければ、このスティントは週末最長の90周のランとなるため、誰にとっても厳しい条件、

テストしてないぶん普段よりマージンをもったセットでむしろトラブルが少ない、というのがCOVID-19ブレイク以降の

NASCARの印象ですが、右リアのグリップが無くなってふらふらの人が増えてくるので自爆や軽接触に注意です。

気づいたら4位ボウマン、5位バイロン、6位ジョンソンとヘンドリックが安定。非常にリアの落ち着いた車に見えます。

 

 残り22周、再度ラジョーイが起因となってコーション。やはり全員が無事90周を走るのは無理でした(´・ω・`)。

ロドニー チルダースは詳しそうなリアクション。

 

 そして全車ピットに入るとここでサプライズ、ジョンソンが唯一の2タイヤ交換でなんとリーダーになりました。

2タイヤは遅いから後ろにつくよりインから抜いたて、と考えたか、ハービックはレーン選択で内側を選びます。

 

 残り17周でリスタート、ジョンソンは外から抑え込もうとしますが、完ぺきな仕上がりを見せる今日のハービックを

抑えるには左側のタイヤが古すぎました。ターンで力が外に逃げてしまいハービックを振り切れず。

やはりハービックがリードを奪います。あとはこの短い周回で順位を可能な限り守ることがジョンソンの仕事です。

 3位に落ちたジョンソンの背後にはバイロンとボウマン。後輩2人はなかなか難しい立場です。

正直、ここ数年のジョンソンはこういう場面でことごとくしょうもないミスをしてガッカリな展開が続いているので、

このまま3位を守り切れるとは見ていて思っていませんでした。もはやハービックは無視してNBCもこの3台を

追い続けますが、ジョンソンは前と離れたこともあってクリーン エアーの利点も生かしてバイロンを抑え続け、

なんと結局完封。勝てはしませんでしたが、3位は最大限の結果と言えます。この2連戦で大きく得点を

伸ばしてきてプレイオフ進出へ勢いをつけました。

 

 結局ハービックがこのレース3ステージをスイープして完勝、フォードにとってのカップ シリーズ通算700勝目でも

ありました。そしてジョンソンは3位、バイロン4位、ディベネデトーは17位に終わり、プレイオフ争いは

ほとんど横一線でデイトナを迎えることになりました。

順位と活躍の割に、ステージ ポイントが効いてバイロンが再度16位、ただしジョンソンとの差は僅かに4。

デイトナでは事故ったらほぼ脱落、走り切っても、この差だとターン4を出た段階でもまだ確定しない可能性があり、

しかも17位以下の誰かが最初にチェッカーを受けたら16位に位置する人は脱落です。

おそらくこの制度になって以来、これほどプレイオフ争いが盛り上がったのは初ではないでしょうか。

これはもうデイトナが待ち遠しいですね。NHKさん、こっちも放送しません?w

 

 ちなみに、ジョンソンは来季、インディーカーへ転向して、ロード/ストリート戦に出場したい意向を示しています。

これはこれでなかなかの挑戦ですね。でも次戦はデイトナ、まだやるべきことはNASCARです。