NASCAR Cup Series

Go Bowling 235

Daytona International Speedway(Road cource)3.61miles×65Laps(15/15/35)=234.65miles

winner:Chase Elliott(Hendrick Motorsports/NAPA Auto Parts Chevrolet Camaro ZL1 1LE)

 

 NASCAR Cup Series 初のデイトナ ロード コース、中止となったワトキンス グレンの代替イベントです。

今回のレースからスタート順位は"ドライバー ポイント""前戦の順位""前戦での最速ラップ タイム"の

3要素からなる指標に基づいた順位となり、ケビン ハービックとデニー ハムリンの1列目でスタートします。

 

 先週からのコース外の話題では、リバイン ファミリー レーシングの売却先がスパイアー モータースポーツだと

正式に明らかになりました。スパイアーは今季を終えるとショップを元LFRの設備に移転し、2台体制を

目標とする模様です。

 そして、そのLFRの入札に参加していた元ドライバーのジャスティン マークスが新規チームを立ち上げる、

という情報も流れています。

 

 そして、オースティン ディロンがCOVID-19の検査で陽性となったため急きょ欠場、代役としてカズ グラーラ、

という21歳のドライバーが代役で出場することになりました。珍しい苗字かなと思いますが、Wikipediaによれば

グラーラのお父さんの祖先はポーランド系の方だそうです。もちろんデビュー戦です。

ディロンは無症状で、家族は陰性だとの情報です。

 

 さて注目のロードコース、レイアウトは基本的に24時間レースと同じですが、ターン1が危ないので、

シャーロットのローバルと同様にスタート/フィニッシュの手前に1つシケインが追加されました。ターン13・14です。

ハムリンはレース前日にTwitterで

「明日は俺の後ろについてくる36人のやつらは、自己責任で来てくれ。俺のブレーキング ポイントは

曖昧だし、トップ10の連中みたいにコーナーを行きすぎるかもしれん」

とツイート。トップ10というのはたぶんXfinityのレース終盤のリスタートのことを言ってるんだと思いますが、

こんな感じでした。前が間違えて、ついていった人がみんなそろってターン1を曲がれていませんw

 

 私もゲームで走ったことありますが、目印が無いし、バンクから降りてバランスが乱れる上にステアも入っていて

止まりにくいし、そしてリスタートの時は通常より進入速度が遅いです。

 で、一切練習走行してないですから、本当に山勘でブレーキを踏まないといけません。ブレーキ踏んでも

もちろんライトなんて点かないので前の車ががブレーキを踏んだかどうか瞬時に見分けることもできません。

ブレーキ位置がどこなのか完全に山勘です。よく考えたらこのレース設定、頭のネジが飛んでるなw

 

 

 さあ山勘ブレーキ勝負スタート。ハムリンはちゃんと止まってまずはハービックをかわしてリードを奪うと、

カイル ブッシュがこれに続きます。カイルはさらに2周目にハムリンをかわしましたが、最終シケインで激しくロック。

ひどいフラット スポットを作ってしまい、好スタートが一転、緊急ピットが討議される状態になります。そして

そんな話をしながら3周目のシケインでもまたロック、これが決定打になってこの後ピットに入ります。

 

 代わって2位にはマーティン トゥルーエックス ジュニア、3位はチェイス エリオット、ロードコースを得意とする

おなじみの人たちがきっちり上に上がってきます。と言ってもハムリンはグレンで1勝した経験しかないので

イメージほどロードで勝ってないんですけどね。他が速いから仕方ないか(´・ω・`)

 

 10周目、トゥルーエックスがハムリンをかわしてリーダーに。そしてここで悲劇発生、ハムリンは無理せず

トゥルーエックスを行かせるつもりだったと思いますが、ヘアピンの出口でのライン取りの解釈が違ったようで、

不用意にトゥルーエックスと接触し左前タイヤを破損。ハムリンもまた緊急ピットを強いられました。

 

 この後リーダーのトゥルーエックスはお約束のロードコース戦略でステージ終了前にピットに入ったため、

ステージ勝利はチェイスの手に。今季6度目です。ピットのロスが35秒ほどしかないので、トゥルーエックスは

ピットに入ったけどステージ8位、速い人数名とそれ以外でものすごくペースが違っていて別カテゴリー状態です^^;

 プレイオフ バブルの面々では、ジミー ジョンソンが3位、マット ディベネデトーが5位、ウイリアム バイロン7位と

似たような順位。勝てば文句ないわけですが、やはり現実的な物事を考えると、ステージ1を走り切って

ポイントを少しでも、という戦略になります。ただ、これをするとステージ2が後方リスタートで苦労します。

 

 そしてこの後、思わぬことが待ち受けていました。みんなピットに入ればトゥルーエックスが当然リーダー、

のはずでしたが、コーション中に燃料を節約するためエンジンを切ったら再始動しない・・・(´・ω・`)

 かつてマルコス アンブローズがソノマで同じことを起こし、発進できなくなって勝利を逃したことがありましたが、

トゥルーエックスは何台もの車に抜かれたものの無事再始動。これで順位は戻してもらえるのかと思われました。

が、NASCARは抜かれた分をそのまま取り扱い、なんと3列目からのリスタートになってしまいました。

規則上そういう決まりなのかもしれませんが、解説のスティーブ レターテは異論を唱えてたので

解釈の余地がある範囲なのかもしれません。ちょっと規則は調べても簡単に調べられるものでないのでお手上げw

 

 スタート2は、スタートから未だピットに入らずステイ アウトのジョーイ ロガーノとハムリンの1列目でリスタート、

ハムリンはあっさりロガーノをかわしてリーダーに戻ります。このステイアウトはさすがに無茶では^^;

 そしてトゥルーエックスは、リスタート順位が落ちたぐらい全く気にしないであっさり2位に浮上し

ハムリンを追いかけまわします。

22周目にブレナン プールがスピンしたもののノー コーション。カー ナンバー以外本当に何もデカールが無いw

同じころ、とうとうトゥルーエックスがハムリンをかわしてリーダーに戻ります。ハムリンは足を固めたいタイプ、

トゥルーエックスは柔らかく動かしたいタイプだと思いますが、ロードコースでロング ランをやるならやはり

柔らかい方が同じペースで走れるなら長持ちしますね。

カイルは相変わらずブレーキでうまく止まらんようで、姿勢を乱して前方に追突しかけたのでコース外へ退避。

また順位が下がってしまいました。これホント不調が重症ですね。

 

 トゥルーエックスはレースの勝利だけを目標にしているのでここもステージ残り2周でピットへ。しかしここで

またしても悪夢が起こります。なんとピット出口で速度違反、しかもピットはステージ残り2周でクローズのため、

パス スルーのペナルティーを消化することができず、後方リスタートの罰則になってしまいました。

ほとんど周回遅れはいないのでこれは致命的で、パススルーなら15位ぐらいで戻れたのに、これだと

リスタートで30位以下です。

 ステージ2はハムリンはピットに入らず走りきってステージ勝利、多くがピットに入ってしまったため

ステージ順位は速さとはあまり関係なくなりましたが、バイロンがここでも4位で7点獲りました。

 

 ファイナル ステージ、デイトナにこの時期お約束の雷雲が漂っており、雨が降りそうな気配が漂ってきました。

普通なら雨は中断ですが、ロードコース戦では雨用タイヤが3セットあってワイパーもあるので続行できます。

カップ シリーズ史上初のレイン コンディションとなるでしょうか。

 ステージ終了前にピットに入ったチェイスとハービックを1列目にリスタート、なんかクリスt-ファー ベルが

前のめりで危なそうだなとターン1の突っ込みを見て思ったら、その先のターン4でハービックに追突( ゚Д゚)

オーバルなら500%コーションなんですが、幸い誰も巻き添えが無くノーコーションで続行、ハービックは押され損。

 

 チェイスはトップを快走、一方トゥルーエックスは中団争いでタイ ディロンと接触してタイヤを傷め再ピット、

ハービックもフラットスポットを作ってピット、と上位勢に呪われたようにトラブルが発生。

 今回XBOX/NASCAR HeatカラーのJ J イェリーはドライバーの冷却システムが機能せず、熱中症により

レース中にベイリー カリーに交替する危険な場面もあったようです。そして36周目、トラックの8マイル圏内で

落雷があったためコーションとなりました。

 

 雨は降ることは無く30分ほど赤旗中断の後にコーション状態へ復帰、残りは27周ほどでここで給油しても

最後まで走ることはできませんが、仮にここからコーション連発なら足りる可能性もあり難しいところ。上位勢は

ステイアウトし、中団以降が入ります。トゥルーエックスにもハービックにもまだ一発逆転のチャンスがあります。

NASCAR名物、エンジンがかからない車はトラックで押してどうにかする!!!

 

 チェイスとカート ブッシュを1列目にして残り26周でリスタート。ジョンソンがマイケル マクダウルをかわして

3位に浮上し、大逆転プレイオフへさらに前を狙います。あれだけグダグダだったカイルもコーションに救われる形で

また上位に戻ってきておりジョンソンに続きます。果たしてブレーキの不安定さは解消されているのか心配ですが、

この後ジョンソン、兄ブッシュととらえて2位に浮上します。ただチェイスは遥か前方です。

 

 残り20周あたりからステージ2をステイアウトした人たちのピット時期となり続々と各車がピットへ。

しかしここでカイルにまたしても悲劇が。

右リアから出火、原因はブレーキ、ピットに入る前の最終コーナーのシケインを止まれず直進していました。

解説のレターテは

 

「これを危惧していた。ブレーキはとても過熱していて、それが赤旗で冷えてまた再開した。亀裂が入ってしまう」

と、赤旗が問題の可能性を指摘しています。

 

 これでステイアウト組のサイクルが一巡してトゥルーエックスがリーダーになりますが、こちらも残り15周でピット。

周囲とタイヤの履歴差を作った上で追い上げる作戦ですが、接触で曲がった左前のフェンダーが邪魔で

タイヤ交換に手間取ってまた少し時間を失ってしまいました。前のピットで金づちでガンガン殴ってましたが、

またちょっと曲がったのか支障してしまい、クルーはパンチ連打w

 

 このタイミングでグラーラはデビュー戦ながらラップ リードを記録。

そのグラーラとボウマンが最後にピットに入り、残り12周でチェイスが見た目上でもリーダーに戻ってきました。

あとはコース上での勝負ですが、2位のハムリンは11秒もう後方です。コーションが出なければ

追いつける距離ではありません。なお、グラーラはピットをかなり引っ張って新しいタイヤを履いたことが奏功、

なんと7位でデビュー戦を終えました。

 

 この後も時折飛び出たり回ったりする車がいたもののノーコーションで進行。ソノマだとわりとしょうもない

コース外の問題でもコーション出してた気がするんですけど、コースがだたっ広いと気も大きくなるのかな?

 しかし残り5周、レースに戻っていたカイルがバンク走行中にバーストしたとみられスピン。

ライン上に止まったのでさすがにこれでコーションとなり状況はリセットされました。

 上位は動きようがない中で7位のロガーノがピットへ。今日はPPGスキームでブレイニーに見えてややこしいw 

16台ステイアウトでタイヤ交換組では17位のロガーノが最上位。残り3周でのリスタートです。

 

 チェイスとハムリンがリーダー争い、トゥルーエックスは4位争いに時間を要してしまい、せっかくタイヤが

新しいのに前を追うどころではなくなりました。

 ハムリンはチェイスに対してブレーキングで迫ったもののチェイスは動じず。最後にミサイル飛ばさないか

心配しましたが、ギリギリブレーキのフェアな争いでの争いとなり、チェイスが逃げ切りました。

これでロード コースは昨年から3連勝です。

 

 プレイオフバブルは、ジョンソンが4位でこのレース41点を獲得、バイロンも8位で40点でしたが、

ディベネデトーは15位で28点に留まりました。

 ジョンソンとバイロンはステージ1でポイント獲得→ステージ2集団リスタート、の流れでもそこから

順位を回復してフィニッシュに繋げましたが、Matt Dはステージ2で埋まってしまって打つ手がなくなりました。

最後のコーションでタイヤを替えて、なんとか15位にとどめましたが、本人もチームもかなり自信がある雰囲気で

もっと前を狙っていたでしょうからかなり不本意だったと思います。

 

11 Aric Almirola +130
12 Kurt Busch +121
13 Kyle Busch +100
14 Clint Bowyer +66
15 Matt DiBenedetto +44
16 William Byron +25
17 Jimmie Johnson -25
18 Erik Jones -35
19 Tyler Reddick -57
20 Christopher Bell -146

 

 なんか変だなと思ったら先週の表は16位=0にしてましたが、NASCARの表記は通常16位←→17位を

基準に表記するから0というのが無いですね^^;

 ブッシュ兄弟はとうとう順位が入れ替わりました。100点もまだゆとりがあるのでカイルが落ちることは

まあドーバーで連続で車をぶっ壊さない限りは無いでしょうが、どんどん落ちてるのは事実です。

Matt Dは44点のマージンですが、他の人がもう1人ぐらい勝つと想定するともうギリギリ。

バイロンと同じ戦略で近くにいればそうそう差は変わらない、と守りに入るか、攻めに行くか難しい状況で、

失うものが無い人たちよりもむしろ頭を抱えそうです。ちょっとここ数戦はそのあたりの緊張感が

ドライバーにもチームにも影響している気はしますね。

 

 

 1周2分の長いコースを65周とNASCARとしては非常に少ない周回数のレースでしたが、やはり毎回

申し上げているように、ロードコースとステージ制は相性が悪いです。たった15周のステージで、11~13周目に

上位の車がレースそっちのけでピットに入ってしまい、レースの興味が削がれています。

勝利を狙ってピットに入るか、目先のポイントを求めてステイアウトするかの戦略が見どころ!とNASCARは

言いたいんでしょうけど、優勝を争う人たちが次を見据えてコース上で全然勝負せずに細切れになっていては

本末転倒です。ステージ制でなければもうちょっと面白かったと思うんですが、この設定だとせっかく

新しいコースで走った意味をあまり感じませんでした。ロードコースとスーパー スピードウェイでは

ステージ制は廃止すべきだと思います。

 

 次戦はドーバー、土日の2連戦、そしてその翌週のデイトナでレギュラー シーズンは終了です。