NASCAR Cup Series

O'Reilly Auto Parts 500

Texas Motor Speedway 1.5miles×334Laps(105/105/124)=501miles

competition caution on Lap 20

winner:Austin Dillon(Richard Childress Racing/

Bass Pro Shops/Tracker Off-Road Chevrolet Camaro ZL1 1LE)

 

 NASCARもオール-スターを終えていよいよ後半という感じがしてきました。ここから先のレースはすべてNBCの

放送となります。YouTube版だけか分からんけど、4分ぐらいのところから3分半の間、音声が二重になって

バグっててビビりました。ラトリッジ ウッドの声が二重に聞こえた時はもうカオスでしたw

 テキサスは左右非対称のちょっと変わった難易度の高いトラック。この週末は非常に気温も高く車にも

ドライバーにも厳しい戦いになりました。そして、レースは予想外の展開を見せ、またしても驚きの勝者が誕生。

オースティン ディロンが2018年以来の勝利を挙げ、なんとRCRがワン-ツーを成し遂げました。

前戦でのルーキーの勝利に続いてカップ シリーズは波乱続きです。

 今週の1列目はエリック アルミローラとライアン ブレイニー。アルミローラはリードを維持しますが、

スタート時からなんとブレーキに問題があるとの情報。トラック上ではブレーキはほとんど踏まないですが、

ピットではもちろん踏まないといけないので心配です。

 

 コンペティション コーションまでリードしたアルミローラ、どうするのかと思ったらステイ アウト。

ケビン ハービック、マーティン トゥルーエックス ジュニアら集団に埋まりたくない人もステイアウトしました。

どのみちステージが105周と長くてみんなもう1ピット必要なので、半分に割る戦略と思われます。

ってレース戦略で面白くさせるような設定にしたらコンプコーションの本来の意味がないのではw

 

 ジミー ジョンソンはこのピットで、転がったタイヤをウォール側のクルーが抑えようとしてピット上に出てしまい、

規定違反で後方に回されてしまいます。

 

 リスタート後はハービックがチームメイト同士の争いに競り勝ってリード、アルミローラも続き、やや遅れて

トゥルーエックスという展開。長いレースですので、しばし持久戦、様子見といった様相です。

 アルミローラだけはブレーキの問題が気になりますが、コース上では関係ないので56周目、ハービックが

失速した隙をついて一気にパスし再びリーダーに。ハービックはここからペースが鈍りだして

トゥルーエックスにもすぐ追いつかれます。

 ハービックはダウンフォースを少なくする方向にしていたようですが、暑いコンディションで

「ダウンフォースいるやん!」となっているそうで。ロング ランでは結構厳しそうなので、ピットまで耐えて

アジャストでごまかすしかありません。

 

 64周を終えるとアルミローラがピットへ。慎重なブレーキ無事ピットを終え、たらほっとしたのか、

ピットを出た後ターン2の途中でコースに合流。あれ?早すぎね?

 やはり白線を踏んで違反でした。ただ、現実にはハービックも、他のドライバーもけっこう白線は踏んでいます。

規則上は踏むのは禁止なんですが慣例的に少々は許されていて、しかし今回のアルミローラはあまりに早すぎ、

として違反をとられてしまいました。走る側からすると、恣意的にとられかねないので気を揉みます。

まあ、違反なんだから踏まなきゃいいだけの話と言えばそれだけのことなんですけどね。

実際、長年見てるド素人が違和感を感じるぐらい素人目にもアルミローラは合流が早すぎたので、さすがに

ここまで許すわけにはいかなかったんでしょう。

 

 

 さらにそれとほぼ同時に68周目、トゥルーエックスが突如失速。こちらガス欠で、暫定リーダーからあっさり陥落。

トップ3のうち2台が立て続けに大幅ロスの展開になり、暫定リーダーはコンプコーションで入った組の

ブレイニーになりました。レース序盤から話がなかなかにややこしい(´・ω・`)

 

 90周目あたりからピット サイクルとなり、一巡するとオーダーはブレイニー、カイル ブッシュ、ハービック。

ハービックは先に入っていたのでサイクルが終わったらリードをとるものかと思いましたが、混んだ場所を走ると

新しいタイヤでもペースが上がらずオーバーカットされてしまいました。

 タイラー レディックは給油のみでステージ ポイント確保に走り見事ステージ4位で7点ゲット。

ステージ勝利はブレイニーでした。ステージ1の段階でずいぶん情報量が多くなりましたが、150マイル走ってるので

既にオールスターより長い距離ですねw

 

 

 タイヤ<クリーンエアーであることが分かったのでステージ間コーションでは上位はステイアウト。

そこに2タイヤ組、4タイヤ組が続きステージ2が始まります。

 開始から2周にわたる並走を制してカイルが初めてレースをリード、ここからどんな走りをするか見たいところ、

でしたが、117周目にジョンソンが右リアをウォールにヒットしてコーション。

外側のラインはトラクション コンパウンドがあるのでグリップする一方で、僅かでもラインが外にズレると

路面が汚れていてリスクもあるようです。ジョンソンはこの後修復作業でまたしても人数制限を超過。

車体修復のために人間を増やすのは重罪にあたるため、2周ペナルティーを課せられます。

 

 

 122周目にリスタートされると今度はクリストファー ベルが同じパターンで真横を向きました。幸い軽い接触で

レース続行。一方リーダー争いはブレイニーがリーダーに返り咲きます。ジョーイ ロガーノが2位に浮上、

アンダー グリーンのピットで左フロントにバンプ ラバーを投入して大規模アジャストに踏み切った決断が

奏功したようです。カイルさんはじわり後退。

 

 この後ステージ折り返しを過ぎたあたりからピットサイクルとなりました。引っ張って2タイヤや給油のみの人も

いましたがブレイニーは王道の真ん中分けで4タイヤ。リードを維持します。

 トゥルーエックスはピットを引っ張って給油のみ作戦でしたが、給油量を攻めすぎたのか、燃費走行を指示され

ややちぐはぐな状況。一度計算が外れてガス欠してるので慎重に見積もってるのかもしれませんが、

削った給油時間と比べて明らかに損失が大きくなってしまいました。

 

 ステージ2はコーション後からは無風でブレイニーが自身2度目のステージ連勝です。

ブレイニーは元々高速オーバルが得意ですし、ばっちり車が仕上がってますね。

 

 

 ファイナル ステージは距離が長いのでここのステージ間コーションは全車ピットで作戦リセット。

ブラッド ケゼロウスキーだけ2タイヤ交換で2位に浮上します。

 

 そしてファイナルステージ、ブレイニーとケゼロウスキーが並走しますが、ターン4でブレイニーがラインを外し失速。

危うく後ろにいたロガーノと共倒れしかけますが、ここでアクセルを戻したことで後続が次々と詰まってしまい、

最終的にアルミローラの角がカイルの角に引っかかって大クラッシュに発展してしまいました。

トゥルーエックスを筆頭に多数の車が巻き込まれて赤旗に。

フロントストレッチで赤旗になったからお客さんが集まって写真を撮りに来て密になってます(^^;)

結局10分ほど赤旗の写真撮影タイムになりました。

 

 225周目にようやくリスタート、ケゼロウスキーは2タイヤ交換のために後続を引き離せず、まずハムリンに

かわされると、そのハムリンを238周目にブレイニーが捕えて再びリーダーに躍り出ます。

 CM中にはマット ディベネデトーが順位を上げている姿が見えており、さあMatt D来た~!と思った矢先、

244周目にジョン ハンター ネメチェックのクラッシュで再びコーション。上位はステイアウトしますが、

元々クリーンエアーが望めない人たちはピットへ。

 

 249周目にリスタートも、2周後にタイ ディロンがウイリアム バイロンとウォールに当たってまたコーション。

バイロンは1つ前のクラッシュに巻き込まて、この2度目の巻き添えでとどめを刺されてリタイアとなりました。

プレイオフを考えると痛い取りこぼしが続きます。

 

 この後256周目のリスタート以降ようやくレースが落ち着き、ブレイニー、ハムリン、アルミローラ、ディベネデトーの

オーダー。レース残り47周あたりからピットサイクルとなります。

 ブレイニーはアンダーカットを嫌って真っ先に動いて4タイヤ。翌周にはアルミローラも動くと、これを見たか

ハムリンは左2タイヤの奇策でピット組では先頭に立ちます。

 しかしコース上にはここ数回のコーションでピットに入っていた人たちがいるのでまだまだピットには入らず

ステイアウト。ケンタッキーではこのパターンでコーションが出ていましたが、なんとここでコーション発生(-_-)

 クイン ハウフがターンのミドルから不用意にピットに入ろうとして、クリストファー ベルとディベネデトーに相次いで

接触した後に制御を失って激しくクラッシュ。ハムリン以下のピット組はまだ周回遅れの状態で、

レース展開が一変しました。

 このハウフのクラッシュについてはレース後に物議を醸すことになりました。最低限の動きが取れない

ドライバーは下部カテゴリーへ降格させるべきでは?という意見が噴出したようで、被害を受けたディベネデトーは

 

「2つの見方があると思う。エンタテインメントの面から言えば、より面白い結末を生んだと言えるから、

カオスが好きなら良いことだったろうね。でも僕は反対側にあると思う。だってさ、私はプロのドライバーだ。

キャリアを積み上げてきてここにたどり着いたんだ。たくさんの関門を乗り越えて成功しなければならなかったし、

それらの努力がこのシリーズで私に同じような才能レベルの仲間と参加するための場所を作ったと思いたいんだ」

 

 と語りました。ケゼロウスキーもまた同様の意見で、いわゆるモラル ハザード ポイントのように、何回か

問題を起こしたら出場資格を失うような仕組みを口にしています。

 

 さらにこのコーションでタイラー レディックは給油のみの大博打。オースティン ディロンは2タイヤでRCRが

1列目からのリスタートと大混乱。一方Matt Dは修復が必要と見たか、周回遅れは対象外のピット オープン

1周目からもうピットに入っていて、周回遅れ&後方リスタート確定です。4位だったのに(T T)

 

 残り23周のリスタート、タイヤの古いレディックが遅くて兄ディロンが先行、そしていい感じにレディックが

壁になって逃げます。少し展開が落ち着くと3位以下が争ってしまってなんと兄ディロン大幅リード、も、もしや!?…

と思った矢先、残り15周でまたコーション。姿勢を乱したハムリンがボウマンに当たってボウマンの車は中破。

RCR、絶好の機会がまたリセットされました。そしてディベネデトーはフリー パスを貰ってとりあえずリード ラップに

戻れました。19位あたりですけどね^^;

 

 残り12周、ディロンはインからのリスタート、、、2台ともトラクションがかからん!!!w しかしあまりに遅いせいか

逆にほどよく後続を制してしまい、またしてもRCRのワンツー体制。3位をカイルとロガーノが争っていて、

ひょっとして今度こそこれはもう決まりか!?・・・

oh noーーーーーー!!

 ハムリンがスピンしてまたもやコーション。おそらく残り2周での再開になりますが、2度にわたって

快走を止められてるRCRコンビ、メンタル的に果たしてもたせられるかどうか。

 

 

 そして残り2周のリスタート、後ろにはヤバそうなやつランキングワンツー(ズラスポ調べ)のロガーノとカイル。

蹴りだしからディロンが抜け出しに成功。ロガーノがこれにすぐ続くようだとディロンはピンチですが、外ラインで

レディックが驚きの速さ。ロガーノとカイルはまたやり合って時間を使い、ディロンには願ってもない展開。

 最終周、ディロンは落ち着いてリードを維持、レディックもこれに続き、トップ2をがっちりと固めてターン3へ。

レディックは外ラインをかなりリスクを負って攻めているように見えましたが、結果ディロン、レディックで

ワンツーフィニッシュ!!信じられない!!!!!!!!!

 

 ディロンは2018年のデイトナ500以来となる通算3勝目、RCRによるワンツーは2011年のタラデガで

クリント ボイヤー、ジェフ バートンで達成して以来です。そもそも2018年以降このレース前まで、

チーム合計でトップ5 フィニッシュは合計で5回しかない状態でしたから、ワンツーなんて驚きでしかありません。

 

 今の規則でいかにクリーンエアーが重要かが分かる展開でした。もちろん各陣営そのあたりは当然

考慮に入れての戦略だったと思いますが、RCRに関してはライバルもそこまで動向を警戒しておらず、

ギャンブルに出られてもどうせすぐ落ちると思ったかもしれません。ここまで中古タイヤで粘れると知ってれば

みんな燃料だけで出てるはずですからね。勝ったのはディロンですが、レディックの動きは間違いなく

ディロンを助けました。彼がズラってさっさと後退していたらおそらくディロンは捕まってます。

そういう点で本当にチーム全体で勝ち取った優勝、そしてワンツーです。

F1でアルファタウリがワンツー!なんてまず起きないですが、それぐらいの衝撃でした。

 

 そして、これでまたしてもポイント17位以下のドライバーが勝利したことでプレイオフ争いは激戦になりました。

優勝したドライバーが10人となり、残るポイント枠はあと6つ。

 

11 Aric Almirola +107 534
12 Kurt Busch +106 533
13 Kyle Busch +93 520
14 Matt DiBenedetto +49 476
15 Clint Bowyer +34 461
16 Jimmie Johnson 0 427
17 William Byron -2 425
18 Tyler Reddick -14 413
19 Erik Jones -24 403
20 Bubba Wallace -76 351

 

16位のジョンソン基準の+/-で表すとこういう状態です。100点近いマージンがあるカイルから上は

欠場するかさらにサプライズが連続しない限り大きな問題にはならないと思いますが、14位のMatt D以降は

毎レース全てのポイントが重要になってきます。だからこそのハウフに対しての前述のコメントにも

繋がってくるわけですが、こうなるとレース結果とステージ ポイントを両にらみで戦わないといけないため、

クルー チーフの手腕もより問われそうです。

 

 次戦はミシガン、現地木曜日の開催で、おそらく平日開催はこれで最後となりそうです。

Matt Dもこの流れで勝ってプレイオフ決めちゃいましょう!