NASCAR Cup Series
Blue-Emu Maximum Pain Relief 500
Martinsville Speedway 0.526miles×500Laps(130/130/240)=263miles
competition caution on Lap60
winner:Martin Truex Jr.(Joe Gibbs Racing/Sirius XM Toyota Camry)
NCS at マーティンズビル。5月の開催予定だったレースが6月に延期されての開催な上、2017年に設置された
照明設備を使用し、マーティンズビル初のナイト レースとあって、路面のグリップやタイヤ摩耗が気になります。
レースはここ2年間ショート トラックを席巻するペンスキーとトゥルーエックスの争いが今回も繰り広げられ、
マーティン トゥルーエックス ジュニアが今季初勝利を挙げました。
PPのくじを引いたのはライアン ブレイニーでしたが、スタートするとすぐにエリック アルミローラがリード。
普通イン側の車が圧倒的有利なんですが、ブレイニー何かミスりましたかね^^;
そしてスタート直後からオースティン ディロンのタイヤが明らかにおかしく、5周目に早くもバーストして
デブリーをまき散らしコーションに。そして、この際にパネルの一部が吹き飛んでしまって排気熱が車内に
まともに入り込むようになってしまい、ディロンは地獄のような時間を過ごすことになります。
一方ジョーイ ゲイスは車検に5回も引っかかったのでペナルティーを受けて周回遅れでしたが、これで
あっさりとフリー パスを貰ってラップバック。と思ったら落とし物・・・
バッテリーが脱落しました(´・ω・`)
リスタート後はセットの成否が如実に表れたようで、ジョーイ ロガーノがとびぬけた速さを披露。一方、
ポールシッターだったブレイニーは全く路面と合わないようで、51周目に周回遅れにされてしまいます。
結局コンペティション コーションまでの50周弱でロガーノは大量の周回遅れを作り、リード ラップ車は
たった18台になってしまいました。
マット ディベネデトーもセットがはまっていた1台で、なんとコンペティションコーション時点で4位です。
リスタート後もロガーノが盤石のレースを展開し視聴者が退屈し始めたころ、113周目にピット上で
ティミー ヒルが止まってしまいコーション。
ピットでは唯一ダレルウォーレス ジュニアだけ2タイヤでピットを先頭で脱出。今回のウォーレスのスキームは
黒人差別に対する抗議活動のキャッチフレーズ・BLACKLIVESMATTERを掲げたシンプルなものでした。
そもそも、大会スポンサーのBlue-Emuはウォーレスのスポンサーでしたが、eレーシングでのウォーレスの
”キレ落ち”が原因でスポンサーを下りた、という経緯がありましたから、本来ならBlue-Emuスキームで
走るべきレースだったんでしょうね。
そしてステイ アウトしたコリー ラジョーイがレース リーダー。ラジョーイのスキームはと言えば
マスクを装着してフェイスカー再登場w そして、ウエーブ アラウンドを受けれると思っていた人の一部は、
ラジョーイのまさかのステイ アウトで受けれないという憂き目にあいましたw
121周目にリスタート、出足でラジョーイを攻め立てたのはクリント ボイヤーでしたが、ボイヤーはあっさりと
ロガーノに抜かれ、結局ロガーノが実力通りのステージ勝利、ウォーレスは戦略が機能してステージ5位でした。
しかし、ドゥループ チェインと呼ばれる部分が壊れたそうで、ピット作業に時間を要してしまいます。
これは、車体をジャッキで上げた際にホイールが伸びすぎないようにとどめておく部品で、これが壊れると
言うなれば足が伸び放題になってしまい、本来一度だけ押せばよいジャッキを3回も押してかなり高く上げないと
タイヤ交換ができなくなってしまうそうです。これでステージ2は後方リスタートになりました。
1:11:00あたり
ステージ間コーションではトゥルーエックスが先頭でピットを出たように見えましたが、コミットメント ライン違反で
ペナルティー。なぜ入り口でミスをする^^;
これで後方リスタートが確定したので、後方ついでに再ピットでダメージ修理、というかカウルを切り取りました。
ステージ2もロガーノをリーダーに始まり先行逃げ切り体制。ステージ1ではボイヤーがこれに続く速さを
持っていた印象ですが、一気に路面にセットが合わなくなって後退。ここではジミー ジョンソンが2位に浮上。
そして202周目、ついにジョンソンがロガーノをかわしてリードを奪います。最近でもリーダーになる場面自体は
ありましたが、ある程度距離を走って自力で前に出た、という展開はあまり記憶にないですね。
マーティンズビル通算9勝のベテランが久々に魅せてくれます。
そして序盤周回遅れにされていたブレイニーも3位でロガーノを追走、220周目に2位になります。
スタート直後はよっぽど内圧設定あたりを間違えてたんでしょうね。逆にボイヤーは周回遅れに沈没しました。
ステージ2はコーション フリー、最後はジョンソンがラジョーイ、ディベネデトーと周回遅れにしてステージ勝利。
Matt Dがフリーパス獲得です。間にいてくれたら両方リードラップに残れたのに~(´・ω・`)
ウォーレスは車自体はものすごく良いようで、コース上で抜きまくってステージ6位、そして今回の
ステージ間コーションは順当な作業時間で順位を維持しました。ジャッキさん相当頑張ってるのか!?
ファイナル ステージ、ジョンソンは当然インを選択してリスタートしますが、ブレイニーが外ラインでジョンソンを
しのぐ走りを見せて、数周にわたる争いを制しリード、ロガーノも続きます。
284周目、ロガーノがブレイニーも抜いて久々のリード。ちょっと抜く前に押してたので、抜かれたブレイニーも
押し返してましたがまあ戯れてる範囲でしょうw
一方ジョンソンはあまりペースが上がらないようで、ほどほどに譲りながら走っています。マーティンズビルでは
アンダー グリーンでピットに入ると複数周遅れになるのは確実なため、自分から先に動くというのはあまりに
リスクが高すぎます。燃料が尽きるまでとにかく車をもたせるのが鉄則なので、無駄なバトルは後々自分の首を
絞めることになりますから、引くときは引くのが大事です。
307周目、食い下がるブレイニーに対してロガーノが譲って再びリード チェンジ。ブラッド ケゼロウスキーも
右側にちょっとダメージを負いながら3位に浮上してペンスキーが1-2-3体制です。
この後CM中にケゼロウスキーが2位に浮上、FOXの中継ではちょうどCredit One Bank One's to watchを
やっている最中にコーション発生、エリック ジョーンズがデービッド スターを回してしまいました。
ジョーンズの車、へしゃげすぎて自分では右側が見えませんw
全車ピットへと向かいますが、ここでブレイニー陣営は作業ミスにより順位を落とした上に、そもそも作業前に
オーバー ザ ウォール トゥー スーンのペナルティーを犯していて後方へ。
333周目のリスタートはロガーノ、ケゼロウスキー、2列目にジョンソン、エリオット。ケゼロウスキーは
ブレーキでロガーノに詰め寄って煽りますが、今回はロガーノも譲らず接近戦に。エリオットもその隙を伺い、
トゥルーエックスも追いついて4台の争いに発展します。
そして365周目、周回遅れのラジョーイを使ってケゼロウスキーがロガーノを攻略。トゥルーエックスも
ラジョーイを活用してケゼロウスキーに続きます。ラジョーイなぜか大活躍w
フェイスカーに見慣れすぎて違和感が全然ないな^^;
そして370周目にトゥルーエックスはケゼロウスキーも抜いてとうとうリーダーに。ペナルティーをチャラに( ゚Д゚)
上に乗せたスクリーン ショットの通り、トゥルーエックスは右前の車体の一部を切り取ってしまい、ケゼロウスキーも
右前のフェンダーを壊していましたが、結果的にこれで右前のタイヤ・ブレーキの冷却面で有利ではないか?
と解説陣。壊して速いこともある、それがNASCAR。
397周目、クイーン ハウフのクラッシュで7回目のコーション。フリーパスは
ラジョーイさんでした。各陣営、残り100周ほどで最後のピットには良いころ合いです。
404周目にリスタートされるとトゥルーエックス、ロガーノ、エリオット、ケゼロウスキーのオーダー。
このころ、ディロンは人間が限界になってリタイアとなりました。そもそもがあのハードなアトランタを
500マイル戦ってから中2日でのレース、そしてまた中3日でホームステッドもあるわけですからね。。。
残り50周を切ってもリーダーはトゥルーエックス、2位にはなんとコース上でチェイスもチームメイト2人も
全部抜いてブレイニーが戻ってきました。 しかしこの最終スティントのトゥルーエックスは序盤のロガーノのような
他を寄せ付けないペース、結局ブレイニーに4秒以上の大差をつけてそのままチェッカーを受けました。
今年から組んだクルー チーフのジェームス スモールにとってはこれが初勝利。
トゥルーエックスにとっては昨年の秋に続いてマーティンズビルで連勝、それ以来の勝利ということになります。
序盤のピットではアジャストしようとしたけどレンチが入らず失敗したり、ペナルティーがあったりしましたが、
結局ペナルティーを受けたことで直したフェンダーが勝利に貢献した、かもしれない形です。
ジェフ ゴードンが解説していますが、特にコンクリート舗装、ナイトレース、ラバーが載っていない路面、といった
条件では路面状況は大きく変わり続けるので、オーバー アジャストしてはいけない、というのが大事です。
目先の状況だけで判断して、今ちょっとルース気味だったから少しタイトアップしよう、とアジャストすると、
路面はラバーが乗って遥かにタイトになっており、リスタートしたら全く曲がらん、みたいなことが起きます。
自分の状況と、次に走る路面がどうなっているかの予測、これを総合的に判断する必要があるわけで、
この難しいレースで最後に見事に合わせたトゥルーエックス/スモール組は自信になるし信頼関係も
大きく深まるのではないかと思います。
そういう点では、ペンスキーは結局3台とも、いや、実はディベネデトーも7位で終えており4台全て
最後には素晴らしい車に仕上がっていました。4人全てクルーチーフは去年と異なるわけですが、
ここ2年のショートトラックで常に速いペンスキーの土台を生かして確実に対処、バランスが狂っても
立て直す力を見せており、彼らもまた素晴らしいコンビネーションと言えると思います。
一方でジョンソンは終盤に向けてグリップが無くなってしまって10位。「なぜなのかが分からない」という
レース中のリポートでしたから、このあたりにここ数年ずっと高いレベルで戦えている人たちと、低迷して
ノウハウが蓄積しきれていない人との差かなと感じました。ただ、ポイント11位に上がったので、次戦はまた
くじ引きで最初の12人の中に入れます。ディベネデトーは13位(´・ω・`)
そして今回、スチュワート-ハースはバッテリーの問題が多発して4台中3台にトラブルが発生した模様。
品質管理なのか何なのか分かりませんが、ドライバーにとっては気の毒な状態でした。
次戦はホームステッド、軍関係者だけが招待される形ですが、久々に観客が入ってのレースとなります。
そして、タラデガでは5000人に限定して観客を入れることが決まったようです。