NASCAR Cup Series
The Real Heroes 400
Darlington Raceway 1.366miles×293Laps(90/95/108)=400.2miles
winner:Kevin Harvick(Stewart-Haas Racing/Busch Light #YOURFACEHERE Ford Mustang)
いよいよNASCARが約10週間ぶりに戻ってきました。感染症対策を行い、無観客、クルーの人数制限など
従来とは異なる様々な対策が行われています。スポッターも、人が密集するスポッター席ではなく
観客席に間隔を空けて配置、FOXの中継もできる限りの対策が施され、ピット リポーターはリーガン スミスのみ。
レース後のインタビューではさすがにピットからこの格好で走って駆け付けたので息が上がってました^^;
以前ご紹介した通り、練習も予選もなく、このレースではピット位置は第4戦までのオーナー ポイント順、
グリッドは上位12人はオーナーポイント1~12位の中での抽選でブラッド ケゼロウスキーがゲットしました!
イベントのThe Real Heroesとは言わずもがな、感染症と最前線で戦う医療従事者の方々。
スタート コマンドは『リアル ヒーロー』たちが事前収録した声で、そして各車両のドア上部・ドライバー名の部分には
医療従事者の名前が各自貼られていました。
イベントが始まると、まず練習がないのでピットのスピード制限があっているかの確認から開始。
NASCARはリミッターが無いので各車メーターを見ながら自力で合わせる必要がありますが、車両のメーターと
NASCARによる計測に誤差があると100%違反になるので、ここできちんと確認する必要があります。
カイル ブッシュはくじ引き4位でしたが車検に引っかかって後方へなりましたが、いよいよレース開始です!
と思ったら1周目、リッキー ステンハウス ジュニアが軽接触からスピンしいきなりコーション。
この後出火して0周リタイアになりました(´・ω・`)
その後コンペティション コーションまでケゼロウスキーがリード、マーティン トゥルーエックス ジュニアは
明らかにセットを外しており30位あたりまで転落しました。
40周目にリスタートされるとアレックス ボウマンが好調で45周目にリーダーになり、ジミー ジョンソンも続きます。
ボウマンはこのレースを前に、チームとの1年の契約延長で合意したと発表しました。
55周目にはウイリアム バイロンも3位浮上でヘンドリックが1-2-3とこの時間帯絶好調。
81周目にはジョンソンがボウマンかわしてリーダーになり、このままステージ1をジョンソンが制して始まる、
と誰もが思いました。しかしステージ1最終周、悲劇が起きました。
ジョンソン、周回遅れのクリス ブッシャーと軽く接触してスピン、クラッシュ。ウォールに当たったブッシャーに
引っかかったのが直接の原因ですが、状況的に焦る場所でもなかったのに、ちょっとリスク管理が甘かったのも
また事実でしょう。こういう小さいミスが出てしまうところが苦しいですね。これでバイロンがステージ勝利です。
ステージ2、ピットを先頭で出ていたハービックがリード。オーナーポイント1位で1番ピットを選んだのが
ピットの度にハービックを救うことになります。その後110周目、バイロンがえらいルースでウォールにヒット、
スピンしてコーションとなると、124周目にはダニエル スアレスもスピン。
The Track Too Tough to Tame=手名付けるのが難しいトラック、という異名の通りコーションが続きます。
この後ハービックがここからリードを広げだしますが、ハービックが途中ウォールに貼られたBlue Emuの
バナーを剥がし、それがデニー ハムリンのグリルを塞ぐ珍事発生。立ちどころに水温が上昇したハムリンは
クリント ボイヤーを先行させてデブリーを剥がすことに成功しましたが、、、
後ろにいたタイラー レディックに映されました(´・ω・`)ボンバーマンのドクロみたいな状態になり、
空力バランスが変わったレディックは立ちどころにバランスが崩れて抜かれたのでまた誰かに映さないと
いけなくなりましたが、デブリーの映し合いっこを続ける前にコーションが出ました。ウォールの修復が必要でした。
むかーしF1の韓国GPでルイス ハミルトンがコース外の人工芝を車体に引っ掛けたまま走ってたことが
ありましたね。実はあの時アライメントが狂っていて車が直進してなかったんですが、芝に気を取られて
フジテレビNEXTの放送陣は誰もそれに気づいて無かった覚えがありますw
この後173周目にクリストファー ベルがスピンすると、このピットでハービック陣営タイムロス、8位へ大幅後退。
ステージ残り8周、ケゼロウスキーとトゥルーエックスの1列目でリスタートし、ケゼロウスキーがそのまま
ステージ勝利を挙げました。トゥルーエックス、いつの間にか右フロントにテープが貼ってあるうえに、
どんどん前に来て気づいたらトップ5圏にいました( ゚Д゚)
ファイナルステージ、ボウマン、ケゼロウスキーでリスタートし、押してもらったケゼロウスキーがインからリード。
CM中の212周目にブッシャーがスピンしてコーションとなります。滑りやすいダーリントンはタイヤの摩耗がひどくて
コーション=4タイヤ一択で、ここでハービックがまたピットでリードを奪回します。
そして、最後のピットサイクルを目前にした残り41周、デイトナでの大事故から戻って来たライアン ニューマンの
スピンでコーションとなって作戦を考える必要もなくなり全車ピット。
残り34周のリスタート、外側リスタートが圧倒的優位な中で、ボウマンはインからハービックに仕掛けるも
2周の争いを制してハービックがリードを維持。こうなるともう誰もハービックを追えずに終盤へ。
残り7周、またもやデブリー浮遊してボイヤーが拾ってしまいましたがコーションは出ず。
そのまま逃げ切ったハービックが今季初勝利、カップ シリーズ通算50勝目を挙げました。
全く練習も無い中でしたが、新人のレディックが7位、ジョン ハンター ネメチェックも9位と大健闘でした。
特にフロント ロウ モータースポーツで9位のネメチェックはすごいですね。
くじ引き予選で3位を引いたマット ディベネデトーも常時15位付近を走行しており14位フィニッシュ。
そして復帰戦のマット ケンゼスが1年以上ぶりのレースでなんと10位( ゚Д゚)
トゥルーエックスは結局6位でフィニッシュ。最初にセッティングが合っていなかったのは、
全くラバーが乗っていない状態からラバーが乗り、時間とともに路面温度も下がる→路面がタイト方向へ
どんどんと進むことを織り込んで、序盤の100周ぐらいを思い切って捨てていた可能性もありそうですね。
ハービックの他、3位のカート ブッシュ、4位のチェイス エリオット、8位のエリック ジョーンズあたりも
ロングで比較的強さを見せていました。一方でケゼロウスキーをはじめペンスキー陣営はどちらかというと
3台ともショート寄りの車で、サテライトであるウッド ブラザーズのディベネデトーだけはいつも通り
淡々とロングで安定して走っていた印象でした。
経験が大事になりそうなレースで若手が上記の通り割って入った結果になりましたが、若いドライバーは
シミュレーターを積極的に活用したり、日常的にゲームに親しんでいる傾向が強いです。
これは日産GTアカデミー卒業生のヤン マーデンボローが日本でデビューしたころの評価ですが、
そうしたドライバーというのは、
「割り当てられた車の条件でなんとかする」「目の前の条件にできるだけ早く対応する」
といった能力が比較的高いのではないか?と言われていたので、ぶっつけ本番ではベテランの経験だけでなく、
とにかく目の前の条件でやるしかないんだからこれでどうにかしよう、という適応力が関係したかもしれません。
もっとも、チームがきちんとシミュレートして、的確なセッティングで最初から走れていたというチーム側の
準備の良さももちろん称賛に値します。
次戦は3日後に再びここダーリントンで、ちょっと距離が短い500kmレースが開催されます。
というか、これを投稿している時点でもう終わっているはずです。