NASCAR Cup Series、知人のiRacing(ゲーム)のイベントの練習中に差別的単語を使用して解雇された
カイル ラーソンの代役として、チップ ガナッシ レーシングはマット ケンゼスを起用すると発表しました。
2003年のカップ シリーズのチャンピオンであり、プレイオフ(チェイス)制度を作るきっかけを生んだとも言われる
カップ戦通算39勝のベテランは、2017年限りでジョー ギブス レーシングのシートを失いました。
しかし2018年の途中に成績不振だったトレバー ベインの代役としてラウシュ-フェンウェイ レーシングから
スポット参戦して15戦に出場、最後の2戦では連続でトップ10フィニッシュを果たしています。
昨年はNASCARのいずれのカテゴリーにも出場していませんが、スーパー レイト モデル
(アメリカのモータースポーツで言えばおおむねNASCARの下部に位置する、競技専用の
ほぼワンメイクの車体に市販車のライトなどをあしらったストックカーの一種)の
SuperSeal Slinger Nationalsというレースに出場して優勝しています。
当初CGRの契約ドライバーであるロス チャステインが有力とされており、なおかつそのチャステインが
代役を務めていたライアン ニューマンは、シリーズが再開されれば復帰できるとの見通しも報じされていました。
しかし、チームはチャステインではなく、実績豊富なケンゼスに託したようです。
やはり差別発言という非常に後味の悪い行為をしてしまい、スポンサーに対して訴求力のあるドライバーが
必要である、という判断もあるのかもしれません。
ケンゼスは
「これは本当に予期せぬ機会でした。レースなんて2週間前には私のレーダーには全くありませんでした。
それについて、そして今私たち全員を取り巻くすべてのユニークな状況について考えてしばらく時間を費やした後、
機会とタイミングが復帰に最適だと考えました。比較的短期間でスピードアップするために、多くの作業を
こなさなければいけないことはわかっていますが、チャレンジを楽しみにしています。
カート(ブッシュ)と再び一緒に仕事ができて、新しいCGRチームメンバー全員に会えて興奮していますし、
シボレーに戻るのを本当に楽しみにしています。1988年、私はカマロでキャリアをスタートし、ついに
カップシリーズのシボレーでレースをするのが待ちきれません。
また、この機会を与えてくれたチップと彼のすべてのパートナーに感謝しています。
早くレースが再開できることを祈ります。 」
また、オーナーのチップ ガナッシは
「ドライバースポットを埋める必要があるときは、チーム、パートナー、ファンのおかげで、最高のドライバーを
車に乗せることができるといつも言っていました。それがまさしくマットです。私のNASCAR歴において、
ずっとマットケンセスのレースの仕方に感心してきました。彼は一貫した勝者であり、強力な競争相手であり、
敬意を表するドライバーであることが証明されており、今シーズンの残りのためにチームに
もう1人のNASCARチャンピオンを加えられることをうれしく思います。」
とコメント。
2018年のケンゼスはチームメイトのリッキー ステンハウス ジュニアに見劣りしない走りを見せていました。
一方で、相棒となるカート ブッシュは昨季移籍してきて、ラーソンを上回る速さ・安定感を見せて
ベテランの力を発揮してきました。そのカートに対して競争力を見せつけ、結果でチームを満足させるのは
簡単なことでは無いと思いますが、かつてラウシュ時代にチームメイトだった2人がどういった戦いを見せるのか、
注目が集まりそうです。
なお、その肝心のレースの方ですが、経済活動再開にやや前のめりなアメリカ社会、NASCARも
メモリアル デーのシャーロット600までには再開したい意向がある様子が漏れ聞こえています。
その前に行われる5月9日のマーティンズビルは延期が発表されたため、次に控えるのは
5月16日のオール-スターと翌週5月24日のシャーロット600。
無観客で5月24日に再開するという早期再開シナリオが実現するのかは今後数週で明らかになりそうです。