Monster Energy NASCAR Cup Series

Bluegreen Vacations 500

ISM Raceway 1mile×312Laps(75/75/162)=312miles

winner:Denny Hamlin(Joe Gibbs Racing/FedEx Ground Toyota Camry)

 

 MENCS at ISM。いよいよプレイオフ最終ラウンドに進む4人が決まります。また、来季はここISMが最終戦の

舞台となるため、既に進出を決めた人、脱落した人にとっても、来季に向けたデータが欲しい一戦でもあります。

カイル ブッシュ、ジョーイ ロガーノ、デニー ハムリン、ライアン ブレイニー、カイル ラーソン、チェイス エリオット。

6人の中から最終戦ホームステッド行きを手にできるのはあと2人。レースはチェッカーの瞬間まで進出枠争いが

確定しない展開となりましたが、ハムリンが優勝で進出決定。ポイントでの進出はカイルとなりました。

 まず、コメント欄では取り扱った話題ですが、先週のレースでラーソンが

「データを見れば故意にスピンしたのは明白」と名指しされたバッバ ウォーレス。データを見るまでもなく、

当のウォーレスがNBCのインタビューで

「ブラッドとジョーイから学んだ。自分だけじゃないよ。僕はシボレーのためでもラーソンのためでもなく

自分のためにレースをしている、複数周回遅れになるんだからね」と、スローダウンで周回遅れにならないよう

故意にスピンしたことをぶちあげたので、NASCARから罰金とポイントはく奪の処分を受けました。

2週間前のマーティンズビルでのロガーノのスピンもやはりわざとっぽいことが分かりますが、この一件で

各ドライバーはおいそれと故意にスピンできなくなります。

 

 

 PPはカイル、2位にロガーノ。ポイントで進出圏内にいる2人なので仮にこのままの順位ならお互いに進出ですが、

下位のコンテンダーが勝ってしまうとどちらかが脱落。安心材料は一つもありません。

 レースはカイルがリードして淡々と進行、コーションが出なければピットのいらない設定のステージなので

そのまま終わりそうでしたが、67周目にリッキー ステンハウス ジュニアがウォールにヒットしてコーション。

ここで2台を残してリード ラップ車両はピットに入り、ステージ残り3周のリスタート。

カイルは3位リスタートだったもののステイ アウトのウイリアム バイロンに詰まってしまい、その間隙をついて

前に出ていたハムリンがステージ1を制しました。ここで前に出たことがこの先に繋がっていきます。

 

 

 ステージ2、ハムリンはリスタートに失敗しロガーノがリーダーとなると、このステージもコーションが出ず進行。

ロガーノを下げた順位を少しずつ回復したものの、チェイスを抜いて2位に戻った時にはもうステージ残り2周。

ロガーノがステージ2を制し、ハムリンが2位。チェイス、ラーソンも、ブレイニーもトップ10圏内にいるので

レース終盤に何かあればチャンスがありそうですが、実力的にはカイル、ロガーノ、ハムリンの3人から

2人が生き残りそうな情勢です。

 

 

 ステージ間コーションではアウト側リスタートが欲しいチェイスが出口で意図的に位置をコントロールして

狙い通り4位を獲得。ファイナル ステージが始まると狙い通り外から2位へと浮上します。

 しかしそこから僅か7周後の166周目、他の順位争いを捉えていた画面にいきなり1台の事故車両が、、、

チェイスがクラッシュしていました。左リアのタイヤのトラブルと思われます。詳細は不明ですが、このトラックは

白線を超えてエイプロンまで下りるケースが多いトラック。内圧の低い交換直後のタイヤでこれを行うことで、

タイヤの側面に損傷が起きて壊れるケースがあり、これで痛めた可能性がありそうです。

チェイスのプレイオフはこれで終戦、結局Round of 8は36位、32位、39位と自己最悪と言える3戦となりました。

 

 174周目にリスタートされると、2周後にハムリンがリードを奪います。ロガーノはここから急激に不調に陥り

次々と順位を下げていきます。タイトがどんどん悪化している様子でコーションが欲しい状況ですが、なんと

今日のレースはまたもコーションの無い展開となってしまいロガーノはひたすら耐える時間に。

ピット サイクルが迫った238周目にとうとうロガーノは周回遅れとなります。ロガーノからすれば、このままだと

間違いなく脱落、一方で、ハムリンが誰かに抜かれてくれてリーダーで無くなればポイント4位で進出。

 ただ、ポイントで競う相手のカイルにもこの頃にバイブレーションの情報があり、もちろん急なトラブルの可能性も。

いずれにしても、ロガーノは他のドライバーに運命をゆだねるしかなくなってきました。

 

 242周目あたりから一斉にピットサイクルとなり、後続とギャップのあるハムリンは確実に周りの動きを見て

ピットをこなし引き続き大量リード。本当に何も起きないまま残り周回数が減って行き、このままチェッカーへ、

と思われましたがそうはいかないのがモータースポーツ。

 

 残り10周、デービッド レーガンがタイヤのトラブルでスローダウン。さすがにスピンはせずピットへおとなしく

向かいますが、ほぼ同時にジョン ハンター ネメチェックもウォールに当たっており、これでコーションとなりました。

なお、J-H ネメチェックはマット ティフトの代役として参加していますが、ティフトはこのレース後の13日に

『治療に専念するため』来季のドライバーから外れると発表されました。

 また、お父さんのジョー ネメチェックですが、このレースを終えた段階でNASCAR3大シリーズの合計出場数が

1185戦となり、リチャード ペティーが持つ史上最多記録に並びました。翌週のGander Outdoor Truck Seriesに

エントリーしており、スタートすることができれば、史上最多記録を更新します。

 

 

 なんて雑談できるのは見ている我々だけで、コーションでハムリンの大量リードは台無し。

リードラップ車は全員ピットに入り、ハムリンとブレイニーが2タイヤ交換を行いそれ以外は4タイヤ。

もう失うものが無いブレイニーは分かりますが、ハムリンの2タイヤについては

「後続と大きな差があった。左側も交換してもう5秒かけても確実にリーダーで戻れた。2タイヤの理由が分からない」

と解説陣が酷評。これで負けたらハムリンとクルー チーフのクリス ゲイブハートは何を言われるか分かりません。

プレッシャー最大( ゚Д゚)

 

 そして残り3周、運命のリスタート。

実はブレイニー、今日はイン側のリスタートでドッグレッグに下りてのゴボウ抜きがかなり目立っており、

2タイヤでもかなりの好リスタート。それが逆に3位のカイルとの競り合いを呼んでハムリンを逃がす時間を

作ることになりました。2位にカイルが合流したら、ここはもうチームメイトなので無理する必要が無いのは明らか。

 てな忖度がいらないぐらい、2タイヤでもじゅうぶん速いハムリン、そのまま逃げ切って今季6勝目、そして

現行制度で初めての最終ラウンド進出を手にしました。ロガーノとの因縁で何か起きないか多少心配(期待?)

していましたが、今回の速さは圧巻。疑問視された作戦は、陣営からすれば「2タイヤでも勝てるから余計な

ピットでのリスクを冒す必要がない」という自信の表れだったのかもしれません。

 とはいえ、隣が2タイヤのブレイニーでなく4タイヤのカイルだったら、と考えると、相手がチームメイトとはいえ

薄氷の勝利だったことに変わりはなさそうです。平均順位で言えばロガーノ<ハムリンですから、勝って

ハムリンを蹴り出しても損はない状況でしたからね。

 

 これでファイナル4はトゥルーエックス、ハービック、カイル、ハムリンの4人となりました。

ハムリン以外はチャンピオン経験者、いずれも現行プレイオフ制度でホームステッドを勝って決めています。

ハムリンは2009年と2013年にホームステッドで勝っており、最近非常に乗れている感じもあるので、

私は彼がタイトルを獲るのではないかと思っています。

今年は日テレG+ではなく完全にYouTubeでの視聴なので、いつも通りなら見れるのは日本時間の11月20日まで

お預けになります。普段NASCARを扱わない日本のサイトが、トヨタがチャンピオン、という時だけ取り上げて

ネタバレしたりするので、見ないように気を付けないといけません(´・ω・`)

 

 

 最後に、ダニエル スアレスはスチュワート ハース レーシングを離脱、コール カスターが来季のシートを

獲得したと正式に発表されました。また、マイケル マクダウルはチームに残留の見込みです。