Monster Energy NASCAR Cup Series

Bank of America Roval 400

Charlotte Motor Speedway Road Cource 2.28miles×109Laps(25/25/59)=248.5miles

winner:Chase Elliott(Hendrick Motorsports/NAPA Auto Parts Chevrolet Camaro)

 

 MENCSプレイオフ第3戦、Round of 16の最終戦はシャーロットのローバル。昨年は最終周の最終ターンで

まさかの事故が発生するというドラマがありましたが、今年もやはり多くの波乱がありました。

終わってみれば勝ったのはチェイス エリオット。ワトキンスグレンに続いてロード コース2連勝ですが、

途中まさかの事態もありました。そしてプレイオフ当落線上の争いも最後まで分かりませんでした。

 

 昨年との変更点はバックストレッチのシケイン。昨年は浅い角度の高速シケインで殺人シケイン状態でしたが、

今年は角度がきつくなってかなりの減速が必要になりました。

万一四輪とも縁石の内側を通った場合、ドライバーは最終コーナーのシケインを通らず、コース外で

一時停止によるペナルティーを消化する義務があります。

曲がれなかったら

ここで自分でペナルティーを消化

 

無視した場合、ドライブスルーというさらに重罰を科されます。なお、スタート/リスタートの際もシケインは通らず

こちらオーバル部分を真っすぐ進んでリスタートします。

 

 まず最初のハプニングは、コース解説のジェフ バートンでした。そもそも、パレード ラップが開始されている中で

その前方で実車を使って解説者が生でコース解説、ということ自体NASCAR以外でたぶんあり得ないと

思いますが、ジェフ バートンはそれなりに縁石もがっつり使って攻めながら難しさを解説、、、

してたら最終のシケインでミスってはみ出しましたw

 

 予選PPはウイリアム バイロン、2位はアレックス ボウマンとヘンドリック勢が1-2でしたが、ボウマンは

プラクティスでクラッシュしてしあい、バックアップ車で最後尾へ。ジミー ジョンソンは予選4位でしたが、

前のボウマンが落ちたのでそのまま1列繰り上がって最前列スタートになります。

8位のマーティン トゥルーエックス ジュニアもエンジン交換でリアになり、偶数列ばっかり上位が消えたから

予選10位のポール メナードが3列目からスタートしてるんですがこのルールでいいのかw

 

 1周目、いきなりそのボウマンがミス、バックストレッチのシケインでブレーキを合わせられずスピン。

この際、リアを押されたバッバ ウォーレスがやむを得ずシケイン内側を通過します。これでもやはり

ペナルティーの対象となるためウォーレスは不満を抱え、これが後々の問題に発展します。

 

 リーダーのバイロンはジョンソンと大きく差をつけて快走。ジョンソン、ジョーイ ロガーノ、ケビン ハービック、

という並びで比較的落ち着いたレース運びでした。

 そのままステージ終了かと思われた20周目、裏のシケインでライアン プリースがスピンするとコーションに。

バイロンらはステージ勝利を狙ってステイ アウトし23周目にリスタートしましたが、中団で多重事故発生。

前戦でレース後にペナルティーで失格となり、勝つ以外に次ラウンドに進む可能性が無いエリック ジョーンズ、

これに巻き込まれて終戦となりました。

即座にコーションとなり、リスタートでバイロンを抜いていたカイル ラーソンがリーダーで順位凍結。

このままステージ1が終了しました。

そもそも、コース上で止まったわけでもなんでもないのにコーションが出たことに、バイロン陣営は不満な様子。

確かにこのレース、コーションの基準がかなりあいまいだったと思います。

 

 ステージ間コーションでは先ほどステイアウトした人たちがピットに入りますが、ここでラーソン陣営は痛恨の

作業違反。既に車両が発進している中でテープを貼ろうと粘ってしまい、結果ピット ボックス外での作業となり

1周ペナルティーという重い罰則を受けます。

※良い子はマネしないでね

 

 ステージ2はロガーノとブラッド ケゼロウスキーが1列目。この2台、ステージ1からピットに入らずステイを

継続するというちょっとトリッキーな戦略に出ています。

30周目にロガーノをチェイスがパス。ロガーノもタイヤが古いのは知っているので無理はしません。

一方ケゼロウスキーはさらに状況が悪いようで、ついにはタイヤを思いっきりロックさせて予定より早くピットへ。

 ロガーノの方もこの後ピットに入りますが、ピットを出た直後に冷えたタイヤで曲がれずバリアにぶつかり

結局再度ピット。ペンスキー、策に溺れた感があります。。。

 

 42周目、ボウマンがウォーレスを明らかに荒っぽく回してしまいコーション。

ウォーレス的には1周目の行為がまだ気に入らない様子で、ボウマン的には前で遅いくせにやたらと

邪魔してくるウォーレスが気に入らなかったようです。印象としてスマートなドライバーだと思うボウマンにしては

珍しい気がしますが、自分がコンテンダーであることを考えれば冷静に行くべき場面でしたね。

ウォーレスがどんなブロックしてたのか知りませんが、インフィールドで抜けないのは当たり前ですし。

 

 またステージ終盤のコーションで作戦が分かれ、チェイスはピットに入ってピット組最上位の7位からリスタート。

新しいタイヤでどこでも抜ける感じで、残り2周でケゼロウスキーを抜いてリーダーに戻りそのままステージ勝利。

 当落線上のドライバーでは、クリント ボイヤーがうまく戦略を機能させてステージ1、2とポイントを稼ぎ、

この段階でちょうどライアン ニューマンとほぼ同点で12位を争う形になります。ニューマンは先週見事な走りで

かなり点数を稼ぎましたが、今日は20位近辺が精一杯で貯金を食いつぶした格好です。

 

 ステージ6位になったマイケル マクダウル、実は金曜日に腎臓結石による猛烈な痛みで病院送りとなり、

予選は代役のオースティン シンドリックが努めましたが、無事結石を排出して戻ってきての走りです。

結石から48時間で帰って来た男、としてちょっとした話題になっていました。

 

 ファイナル ステージ、YouTubeの映像ではなぜかカメラが中継映像にならずCM中モード^^;

チェイスがリードし続けます。

 62周目、ダニエル ヘムリックがスピンしてコーション。この少し前にライアン ブレイニーは縁石に激しく

乗り上げすぎて何か壊れたようで、修復できる恵みのコーションとなりますが、一気に順位を下げてしまい、

破損状況次第ではプレイオフ脱落の可能性も出てきて、一気にポイント争いが慌ただしくなります。

 

 65周目にリスタート、そしてここで信じられない事態が発生。

チェイス刺さったー!!!!!!!!!!!!!( ゚Д゚)

 リーダーのチェイスがまさかの単独クラッシュ。昨年はケゼロウスキーがやらかして多重事故になりましたが、

今回は一人だけ真っすぐ突っ込みました。

 普通リスタートって通常よりもターン1の進入は遅くなるものですが、ここでは前述のように、リスタートでは

シケインを通過せず真っすぐ加速します。これが難題で、実はターン1の進入速度が、リスタートの方が

通常のレース中より15~20mphも速くなってしまうのです。そのため、冷えたタイヤでいつもと全く異なる場所で

減速しないといけないため、非常に難しいコーナーになっています。

チェイスにとって不幸中の幸いだったのは、あまりにも曲がらな過ぎて綺麗に真っすぐクッションに当たり

あまりダメージが無かったことでした。

 

 67周目のリスタート以降はハービックがリード。トゥルーエックスが追います。残り35周あたりからピット サイクルが

始まりますが、ハービックはリードを維持するとピット後もトゥルーエックスを引き離す速さ。

修復作業で後方へ落ちたブレイニーはこのままだと脱落するので、給油のみで順位を上げにかかります。

 

 89周目、リッキー ステンハウス ジュニアがスピンしてコーション。ヘムリック、ステンハウス、と今季限りで

チームを去る人がやたらミスります^^; 中団グループはピットに入りますが、ニューマンはここでなんと痛恨の

ストールをしてしまいさらに順位を下げて絶体絶命。

 そしてリスタート後の93周目、

デニー ハムリンのスピンで多重事故発生。ニューマンも巻き添え。負の連鎖です。

 

 残り15周でリスタートしましたが、翌周にダニエル スアレスがズラ踏んで自爆。

すっ飛んでコースの未使用部分へ行きますが、再始動できないようでまたコーションになりました。

この時点で脱落圏にいるエリック アルミローラは「グリップねえよ!」とキレてタイヤ交換。

 

 残り11周でリスタート、しましたがまたアクシデント発生、そしてまたニューマンが煽りを受けてオカマを掘る^^;

車もメンタルもボロボロです。ただニューマンは現在ギリギリでポイント12位。一方散々トラブルがありながら

ボウマンが気づいたら上位に戻り、ブレイニーの車はどうやら大丈夫そうなため、争いは

ボウマンとニューマンのいずれかが脱落、という情勢になってきました。

 

 残り6周でリスタートされると、3位リスタートのチェイスがあっさりと前の2台を抜いてリード、ボウマンも

これに続いて2位まで浮上、しますが、まだ1点足りません。チェイスが忖度して譲ってくれるとは思えない、

というかそれをやるとヘンドリックが丸ごと処罰対象になるので、あとはニューマンの順位次第です。

 

 残り3周、耐えるニューマンの背後に、さっきキレてタイヤを換えていたアルミローラが接近。

アルミローラ的にはここで1台抜いただけでは脱落ですが、何が起きるか分かりませんからとにかく

抜くしかありません。そして

ニューマン耐え切れずシケイン通過。しかも諦めきれず自主消化をしなかったため、ドライブスルーの裁定で終戦。

 

 結局チェイスが逃げ切ってそのまま優勝、ボウマンは2位で次ラウンド進出を果たしました。

しかしまだウォーレスは納得しておらず、レース後

 

ボウマンの顔に飲み物をぶちまける暴挙。現在もこの騒動は尾を引いているようです。LJTさん、

アメリカでのこの騒動へのファンの反応ってどんな様子なのか、よろしければまた教えてください。

(もはやアメリカ支部のようになってしまってます^^;)

 

 一方惜しくも敗れたニューマンは娘さんから「お水いる?」てな感じでねぎらわれてましたが落胆は大きい様子。

しかしここまでよく戦ったと思います。ドライバーからすれば負けは全て同じかもしれませんが、ベテランの上手さ、

意地を見せつけられました。まだまだ戦ってもらいたいです。できればもう少しやせた方がいいとは思いますが。

 

 次戦からRound of 12の3戦がドーバー、タラデガ、カンザスと行われます。スタンディングスは

ご覧のようになっており、このラウンドでプレイオフ ポイント荒稼ぎのトゥルーエックスがだいぶ前に出てきました。

 

 最後に、今回さすがにあまり話題に出なかったマット ディベネデトーですが、15位近辺を安定して走行し、

最終的には11位となりました。昨年までのチーム力を考えれば信じられない好成績ですが、もはや

驚きが無くなってしまいましたね。タラデガに期待しましょう。