2019 AUTOBACS SUPER GT Round 7 SUGO GT 300km RACE

スポーツランドSUGO 3.704km×81Laps=300.024km(GT300leader:78Laps)

GT300 class winner:ARTA NSX GT3 高木 真一/福住 仁嶺

(Honda NSX GT3/ARTA)

 

 GT300クラスの第7戦SUGO。こちらもスタートでのタイヤ選択が大きな分岐点になりました。そして天候をも

味方に付けて優勝したのは選手権リーダーのARTA NSX GT3。タイトルへ大きく前進しました。

 

 決勝を前に降り始めた雨。GT500クラスではPPのKEIHIN NSX-GTがスリックを選択して脱落しましたが、

GT300でもPPのSUBARU BRZ R&D SPORTがスリックを選んでしまい早々に権利を失います。

ちなみに、BRZが今回予選で記録した1'16.834というタイムですが、2010年以前のGT500クラスのポールのタイムと

ほぼ同等の速さ( ゚Д゚)

他の車も同じようなスピードで走るわけで、50歳近いベテランが一線級で戦うには体への負担がいかに

大きいレースであるかこの数字からその一端が垣間見えます。

 

 予選2位のARTAはレイン選択で労せずトップ、そして3位スタートのHOPPY 86 MCもスリックだったため、

4位以降の集団がスタートで出遅れてしまい、ARTAはいきなり10秒のマージンを貰います。

後方はわけの分からない状態でスピンもありますが幸い大事には至らず。

 序盤2位はリアライズ日産自動車大学校GT-Rでしたが、グッドスマイル初音ミクAMGとLEON PYRAMID AMG、

2台のAMGが速さを見せて2位、3位へと浮上してきます。GT SPORTでもFRで一番雨に強そうなのは

AMGでしたね。実はバイパーも雨に強そうですがもちろんSUPER GTにそんな車はいませんw

 

 ARTAの前半担当・高木は安定したペースで走行を続けて開始時のギャップを保ち走行。2位がAMG対決に

なりましたが、接近したまま初音ミクが2位を守ります。4位にK-tunes RC F GT3ですが3位からも大きく離れて

単独走行。

 

 上位3台はピットを引っ張っていましたが、GT500の38周目、ターン2で車両が止まってSCが出る可能性が

高かったことから一斉にピットへ。映像から推察するに、AMG2台はかなりぎりぎりのようでした。

そこから何十秒も離れていたK-tunesは入ることができませんでした。

 

 リスタート後、LEONはピット前に先行していましたがすぐまた初音ミクに抜かれてしまいます。最終コーナーで

外から、というなかなか強烈な抜き方で、初音ミクの方が今はタイヤが合っている様子。

この後一時初音ミクはARTAを追い回しますが、周回が進むとARTAが再び逃げの態勢。ここからさらに

雨量が増えていった終盤の局面では、タイヤが合ってなかったり変えていなかったりするGT500の中団と

ARTAのペースはほとんど同じになってしまうほどで、場面によってはGT500が邪魔になっていました^^;

 

 結局そのままARTAは独走でチェッカー、選手権で14.5点差と大量リードで最終戦を迎えます。

その選手権2位はK-tunes RC Fですが、途中やられた側はやや不満な場面も。

阪口 晴南がリアライズGT-R・サッシャ フェネストラズのインに入ったはいいものの、滑って止まれず横っ腹に接触。

バリバリ破片を飛ばしつつ、さらに立ち上がりで姿勢が乱れてもう一度相手に足払いをかけつつ抜いて行きました。

最低でも黒白旗が出るだろうと思ったら何も出ませんでした。

フェネストラズも無理せずインを開けていて、入ったこと自体は問題なかったので、後は雨だからやむを得ない

レーシング インシデント、ということなのでしょうが、ちょっとやられた側からするとやるせない気がします。

 この後、後半苦しむLEON AMGも抜いて3位で表彰台。ピットに入り損ねて大きく時間を損したことと、18位からの

スタートであったことを考慮すれば望外の結果と言えますが、タイトル争いの土俵際です。

 

 初音ミクAMGとリアライズGT-Rも数字上は権利があり、この3台はいずれもARTAが入賞できない、

という状況でしかタイトルは期待できないので、そういう意味では最終戦はARTAのことは気にせずとにかく勝つ、

という意気込みになりそうです。

 

 なお、植毛GO&FUN GT-Rは14位と今季最上位でした。