FORMULA 1 SOCAR AZERBAIJAN GRAND PRIX 2019
BAKU CITY CIRCUIT 6.003km×51Laps=306.049km
winner:Valtteri Bottas(Mercedes AMG Petronas Motorsport/
                                    Mercedes W10 EQ Power+)

 F1第4戦は合法公道暴走レース、アゼルバイジャン。
たいてい私はスタート5分前からしか見ないんですが、
ここでは ♪ア~ゼルバイジャ~ン という国歌が妙に
気になってセレモニーから見てしまい、「独特だなあ」と
毎年思っています。
 ちなみにスポンサーのSOCARはアゼルバイジャンの
国営の石油会社です。

 結果的にレースには予選が大きく影響し、バルテリ ボッタスが
今季2勝目を挙げました。今年のボッタスは違うぞ!

 荒れるバイジャン、いやアゼルバイジャンはフリー走行から
早速トラブルが発生、ジョージ ラッセルの車両に浮いた
マンホールのフタが直撃、さらに回収したクレーン車での
搬送中にクレーンがブリッジに衝突する初歩的ミス、
そしてクレーンからオイルが漏れてラッセル車、水没ならぬ油没・・・
 マンホールのフタ直撃と言えば、やはり2004年のDTM、
上海でのレースを思い出しますね。。。
一瞬にして大破するベルント マイランダーは18分50秒あたりで出てきます

 予選ではQ1でロバート クビサ、Q2でシャルル ルクレールが事故。
ターン8はちょっとした殺人シケインと化しています。
 おかげで赤旗で延びまくった予選はボッタスがPPでした。
映像的にルイス ハミルトンに注目が集まっていたので
特にカメラが追っていない、というちょっと可哀そうなやつ(´・ω・`)

 フェラーリとしてはまずい予選でした。
彼らはミディアムでスタートすべくQ2をミディアムで
乗り切ろうとし、ルクレールが先にタイムを記録、
おそらくその後セバスチャン ベッテルをスリップで
引っ張る役目を負って走っていたはずですが、その途中で
やってしまいました。
 車自体は速く、わざわざ逆のことをやってリスクを負う必要が
あまりない中での戦略、しかも、クビサの事故での赤旗で
時間が押して想定より路面温度が下がってしまう中で、
果たして賢明な策だったのか疑問が残りました。

 そしてレッド ブルの遅い方ことピエール ガスリーは
フリー走行で重量検査をうっかり通過、さらに予選の
Q1だけ出たら最速タイムだったものの、その際に
最大燃料流量が規定値を超えてしまいました。
もうどっちみちビリからスタートなんですけど、
スペック2と呼ばれるPUでなんか初期不良でしょうか?

 スタートでハミルトンは良い動き出しでしたが、ここは
外側が壁なのでさすがに後続も含めイン側の人は
慎重な動きになって外ラインがやや有利だったようで
ボッタスが順位を維持しました。
というか外が舗装されててもちゃんとライン残して
こういう風にレースしてほしいんですけど。

 ソフトでスタートした面々はペースが落ちてけっこう
早い段階でみんなミディアムに乗り換えたため、
ルクレールが暫しトップを走行。
路面温度が落ちてきたらソフトに乗り換えて、と行きたい
ところでしたが、なかなか落ちてくれないので
延々引っ張るしかない状況。
 30周もすると1ストップのボッタスが追い付き、これにより
3秒ほど離されていたハミルトンも接近。
 フェラーリ的にはルクレールを壁にしてベッテルを
多少なりとも引き寄せたい感じでしょうか?
 
 32周目のターン1でボッタスが再リード、それとほぼ同時に
ダニエル リカルドの超絶 ウルトラスーパーレイトブレーキング、
が大失敗で、ダニール クビアトを巻き添えにエスケープへ。
さらに何を血迷ったか、まだクビアトが動いてないのに
リカルドがバックしてクビアトに体当たり(;・∀・)
長年レース見てますけど、止まってる車に自分からぶつかる人、
初めて見た気がします。

 フェラーリは思惑通り(?)ベッテルを引き寄せたものの、
ルクレールにベッテル自身も詰まってしまい時間を失います。
 さらにルクレールも最終的に譲るのにアクセル戻して
秒単位で失ったため、ピット後にマックス フェルスタッペンに
先行を許してしまいました。
 序盤のソフトの摩耗状況から『今替えても最後までもたない』
と判断して引っ張ったフェラーリですが、万一2ストップに
なっても失うものは無いので、ボッタスに抜かれた時点で
入ってしまえばよかった気がしました。

 48周目、ファステストを狙ったのか勝ちに行ったのか、
突然ハミルトンがペースを上げてボッタスのDRS圏に進入、
荒れないレースの最後の最後の波乱が生まれるかと
思われましたが、最終的にはハミルトンがターン16で
縁石を踏んで滑ってしまいこれで勝負あり。
 ボッタスが昨年取り逃したアゼルバイジャンのトロフィーを
持ち帰ることができました。
 去年と比べると車に対して自信を持って対峙している雰囲気が
しているので、ハミルトンも油断できません。

 フェラーリは普通に戦っていればもうちょっと
良いレースができた気がするんですが、車両の速さはそれなりに
メルセデスに対抗できるはずなのに、自分たちから
『弱者の兵法で違うことをやらないと勝てないぞ』と、
違うことしないといけない病に早くもかかり始めている、
そんな印象を受けます。
 レースを優位にするための予選ではありますが、予選で
自壊していては決勝で戦えるはずもありません。
コースに送り出すタイミングにしろ、タイヤ選択にしろ、
メルセデスが『自分たちの最善になる方法』で、
周りは関係なく動いているのに対し、フェラーリは
『相手がこうするからこう』とメルセデスありきになっていて、
肝心の自分たちが速く走るため、という観点がごっそり
抜け落ちてやや本末転倒になっています。
まあずっとそうだと言えばそれまでなんですが。

 ルノーの2人は本当に車を信頼でき無さそうな感じが
伝わってきます。リカルドはブレーキが思うように
いかないことでかなりストレス貯め込んでる様子ですね。
 逆にレーシング ポイントの2台は今回ダブル入賞でしたが、
決して速い車に仕上がっている、開発が進んでいる、という
状況では無い中でも、最低限ドライバーがきちんと扱える、
車両の長所、PU性能とトラクションを生かせる堅実な基本設計が
奏功しているように思えます。

 さて次戦はスペインに帰ります。ガスリーは
GP2やSFの感じからするとそろそろ本調子が出るころですね、
というか出ないとクビになりますよ\(^o^)/