ABB FIA Formula e Championship
2019 Geox Rome E Prix
Circuito Cittadino dell'EUR 2.87km
winner:Mitch Evans(Panasonic Jaguar Racing/Jaguar I-type III

 FEはシリーズの後半戦に入りました。ここまで6戦全て
異なるチーム/ドライバーが勝つという混戦。
 これには、FEの予選が全車同時出走ではなく、4つのグループに
分けて、それぞれが1アタック勝負、なおかつそのグループは
選手権ポイント順で決められるため、ポイントが多いと
先の出走になってしまう、というWRCのような要素も含まれては
いるわけですが、果たして7人目が出るのか、というところが
FE的にも大きな話題でした。

 そしてそれは現実となりました。ミッチ エバンスが
自身初優勝。ジャガーにとっても初優勝で、これで
7戦で7人の勝者が誕生、選手権でも全く先が読めません。

 ローマでのレースを前に、パナソニック ジャガーは
ネルソン ピケの離脱を発表、アレックス リンが加入しました。
なぜか日本語で『ピケ ジャガー 離脱』とかで検索しても一切
出てこないんですが。オートスポーツwebの記事にもなってないし^^;

 PPはアンドレ ロッテラー、2位にエバンス、3位ホゼ マリア ロペス。
雨により路面はやや濡れており難しいコンディション。
ターン1でいきなりロペスが行き過ぎて大幅後退!
さらに後方ではアレクサンダー シムズがいきなりクラッシュ、
さらにマキシミリアン ギュンターも滑ってウイングやらなんやら
ばらまいて行きました^^;
 さらにロペスに押されたサム バードが左リアを激しく壁にぶつけ、
そして最後には
イメージ 1
多重事故で通行止めになりました(´・ω・`)
 ロペスが縁石に乗ってシケインの切り返しを曲がり切れず、
刺さった車に後続が玉突き。ゲームあるあるみたいになってます。。

 前戦までは赤旗でも残り時間は進み、再開決定後に
改めて時間が再設定されていましたが、今季の度重なる赤旗で
毎回のように「何で時計が止まらんのだ」と思われたからでしょうか、
今回からちょうど時計を止める新規則になったところでした。
 赤旗中になぜかエドアルド モルターラに
「今年赤旗多いけど何でだと思う?」とか聞いてましたが、
聞かれても困るやんw
 「幅が広くなったから」「出力が増えたから」とか一応
それっぽいこと答えてくれてたけど^^;

 さてほとんど進んでない残り40分弱でリスタート。
上位4台はここではアタックモードを取らない戦略を採用。
4位のセバスチャン ブエミは背後のロビン フラインスから
225kw攻撃を受けますが耐えました。
結局終盤にブエミを抜いたフラインスですが、レース後は
「日産エンジンが速くて」とコメント。
 2モーターを採用していると思われる日産、どうも
ライバルから「速い」とクレームがついているという話が。
 そうは言っても、NEXTEV(NIO)もDSも旧世代では採用したけど
結局不発でやめたと思うので、採用しないのは自己責任ではないかと
思うんですが、何か今季の規則との整合性で問題でも
あるんでしょうか??

 残り約19分、ここで後続のストフェル バンドーンをじゅうぶんに
引き離したエバンスがアタックモード発動!
シケインでわずかに接触する程度の争いでロッテラーを抜きます。
エバンスはバッテリーも僅かながらロッテラーより余らせて
ここまで来ていたので、優位に立ちます。

 残り13分半、ロッテラーが、こちらもバンドーンを
離してからアタックモードを発動しエバンスに接近。
そしてこの攻撃が不発に終わると、立て続けにもう一度取得し
とにかく今抜こうとします。
 しかしずっと攻めているせいもあってかリアがやや
オーバーヒートに見えるロッテラーは滑ってウォールにブラッシュ。
その間にエバンスも2回目を取得し、、、たはずが、
ラインに戻ろうと焦りすぎたのかきちんとゾーンを通過できず
まさかの取得失敗。
 ロッテラーのアタックモードそのものはなんとか凌いだものの、
義務を消化するにはもう一度引き離さないと、取りに行っている間に
抜かれてしまうため、一転して崖っぷちに立たされます。

 エバンスはロッテラーのアタックモードが終わると
ここから飛ばして残り2分半、今度こそ取得した上で
なんとか前をキープ。そしてその瞬間無線が
「ロッテラーをブロックしつつ、ペースを落とすんだ」
ペースを上げたために電池残量が余裕が無くなったことと、
時間的にギリギリ1周増えるか増えないか、の境界線だったため、
チームはすかさずそこを管理しに行きました。
エンジニア「スローダウン、スローダウン」
エバンス「どのぐらいか教えてくれよ」
エンジニア「この周で2秒落としてくれ」
遅く走る相談をしているもんだからロッテラーにオカマを
掘られましたが、エバンスは忠実に指示を守ります。

 次で最終周になるようペースを調節しつつロッテラーを
きちんと抑え込んで、エンジニアも状況を逐一報告。
そして
エンジニア「3、2、1、時間切れ、ここから+1周だ。
      ファイナルラップ、ファイナルラップ!よし行け!」

 ロッテラーも状況は同じどころかエバンスよりさらに
残量が少なかったので、下手にエバンスを抜いて新しい周回に入ると
たぶん共倒れするだけだとは思いましたが、最後は
ロッテラーを引き離して見事な勝利。
チームも含めお見事な勝利でした。

 FEではマヒンドラがイチオシ、次にジャガーを応援していて、
エバンスはすごく安定して良いドライバーだとずっと思っていたので
ようやく勝つことができてFEファンとしても嬉しいですね。

 3位にはバンドーンが入り、ようやくレースのやり方を
把握し始めたのかもしれません。
ただ、ドライブシャフトが壊れてチェッカー後にコース上で
止まってしまいましたが^^;

 これでエバンスは選手権でも4点差の4位と躍進。
トップは今回4点獲ったジェローム ダンブロジオが奪取。
地味に点を取り続けています。
レース前の選手権で上位7人にいた人たちは、
ルーカス ディ グラッシの6点が最多で、4人が無得点と
選手権はまたしてもかき回されることになり、誰も
ポイントで逃げることができていません。

 次戦は2週間後のパリです。そろそろ日産とブエミの出番ですかね!