ABB FIA Formula e Championship
ベルニュはスピン、バードは幸いそのままリードして相手が
やってもうた~\(^o^)/
すごい固まりでフィニッシュ( ゚Д゚)
2019 Marrakesh E-Prix
Circuit International Automobile Moulay El Hassan 3km
winner:Jerome d'Ambrosio
(Mahindra Racing/Mahindra M5 Electro)
FE第2戦はマラケシュ、市街地と言ってもレースを想定して
作られているので路面はかなりフラットで道幅も広いコースです。
開幕戦ではレース内容がかなりごちゃごちゃしたところに
中継映像までごちゃごちゃした結果見る方もだいぶ混乱しましたが、
今回は去年までと同じ感じでストレスなく観戦、
そしてレースもまた白熱し、ジェローム ダンブロジオが
2015-16シーズン以来となる通算3勝目を挙げました。
PPはサム バード、2位にジャン エリック ベルニュ。
スーパー ポールで3位だったのはアントニオ フェリックス ダ コスタ、
でしたがグリッド降格ペナルティーで下がり、3位スタートは
3位セバスチャン ブエミ、まあいずれにしてもお馴染みの
役者が揃っています。
しかしスタートでいきなり波乱、ベルニュがターン1で、
インを締めてて明らかに隙間がないバードのインを狙ったがために
当然ながら接触

自爆しただけになります。
その一方で被害を受けたのがブエミで、行き場を無くして
一気に入賞圏外まで後退、パナソニック ジャガーの2人も
同じくコース外へ行くしかなく後退。
そしてHWAの2台に至っては特に関係ない感じで単純に
ストフェル バンドーンがミサイルしてゲイリー パフェッツと同士討ち。
バンドーンはこれでリタイア、後にパフェッツもタイヤが壊れて
リタイアとなり、見に来ていたトト ウォルフもがっかりでしょう。
バードは邪魔ものが消えたものの、アレクサンダー シムズと
ダコスタのBMW i アンドレッティー2台が浮上してきてやや劣勢。
電力を余分に食いながらペースで劣っている状態で
我慢のレースが続きます。
この後順位を入れ替えたBMW、ダコスタは開始15分というところで
バードをシケインでやや押し出しつつ抜いてリーダーに。
ついでにシムズも抜いてBMW i のワンツーになります。
抜かれたバードはなおも苦しそうで、むしろチームメイトの
ロビン フラインスの方に優位性がありフラインスが3位。
バードはなおも下がる一方。
で、そんな前方争いを見ている間に、10位スタートの
ダンブロジオがやたらとコース上で追い抜きを繰り返して
23分を過ぎることにはなんと3位まで浮上してきています。
前が開けたダンブロジオは僅かながらBMW2台に接近。
見ているとどうもダコスタはややオーバーステアのように見え、
着いて行くシムズの方が電力を抑えつつ車の動きも安定している、
ように見えました。
2台仲良くアタック モードを使って隊列走行していた
あたりまでは良かったんですが、この後あたりからシムズが
なんだか抜きたそうにしています。
ダンブロジオは後続がアタックモードを得ると、翌周に
抜かれる前に自信も獲得して防御に使う冴えた走り。
今回のアクティベーション ゾーンはコーナーのアウト側にあるため、
インががら空きにはなるものの、ある程度差があれば
大外回りで旋回速度を高め、なんとか抜かれずに済ますことが
できる設置になっていて、レースを面白くしていました。
残り10分を切り、じわじわとダンブロジオが迫る中
間に挟まって相変わらず抜きたそうなシムズ、
とうとうダコスタがリフトしたタイミングを衝いて外から仕掛けた!!!!

先ほどまでより奥までアクセルを踏み続けたせいもあるでしょうが、
シムズがブレーキでロック、そしてインで守ろうと張り合った
ダコスタもやっぱりロック、で、曲がれずに2台仲良くアウト側へ
飛び出していき、ダコスタはそのまま壁に刺さってリタイア、
シムズは4位へ後退。
ダンブロジオに棚からぼた餅が落ちてきました( ゚Д゚)
そしてダコスタ車の回収を行うためSCが導入され、レースはなんと
時計がゼロ、つまり最後の1周だけでリスタートされることに。
残り4分を切った段階で義務消化のためにアタックモードを
消化に走った人は、思ったより長引いたたためリスタート時点で
効果が切れてしまい、上位陣ではシムズがギリギリまで待ったので
アタックモード有りで表彰台への復帰を狙います。
バッテリー残量に余裕ができたため各車全力に近い走行、
いきなりさっきまでとペースが変わるのでブレーキなどで
ミスが出やすく最後まで分からない状況で、さっきまでやや
電力不足だったフラインスはダンブロジオへ猛攻撃。
そしてアタックモードで攻めるシムズですが、バードも
実に嫌らしいラインで防御に徹し、そして

しかも彼らの順位は結局動きませんでした。
ダンブロジオ、フォーミュラE通算3勝目ですが、
過去2回はいずれもレース後にルーカス ディ グラッシが
失格になった繰り上げだったので、自らトップでチェッカーを
受けたのは初めてのことです。
「10位からここまで来るなんて想像してなかったよ」とダンブロジオ。
「2、3回チャンスを目にして、2、3度激しく攻め、いくつか
順位を上げてそれを守り抜くことができた。」
「このレースに勝つということはここ数週間僕たちが行ってきた
ハードワークに対して大きな意味があるんだ。これからも
ハードワークを続けて、改善を続けていくよ。」
スタートで自爆したベルニュでしたが、相変わらず車は
異様に早くて19位からあっという間に順位を取り返していき、
結局5位でフィニッシュしました。
「俺はバカだったよ」とベルニュ。
「常にギャップを築いて積極的に行こうとしているけど、
今回はやりすぎたと思う」
「自分をバカだと言ったけど、不必要なことだったんだ。
簡単に勝てるだけのペースがあったからね。
あの後僕は16秒追い上げて、15台も追い抜いたんだから」
「攻め込んだことそのものについては謝らないよ。挑戦することを
やめたら、それは後退の始まりだ。これはゲームの一部で
モータースポーツの一部だからね。」
「たぶん僕がフォーミュラEで犯した最大のミスだと思うけど、
それでも5位だったんだから良かったんじゃないかと思うよ」
「サンティアゴに向けて何かを変えるつもりは無いよ。
自分のことは自分が知っている、みんなも自分を知っている。
オーバーテイクをためらわないし変える気はないよ」
そして同士討ちしてしまったBMW。最初に見た瞬間は
「あー、じれてシムズやってもうた」と思いましたが、
リプレイなどを見ているうちに、ダコスタがロックしたのが
直接的な原因だと気付いたので、これはチームとしては
どう扱うかなあ、と思いました。そうしたら、少なくとも
表面上はダコスタは意外と殊勝でした。
「僕らは状況に直面して、そして僕がミスをした」とダコスタ。
「彼が仕掛けてきた、僕は守ろうとして失敗した。自分の
レースは終わったと思ったよ-彼の順位を犠牲にしてね」
「僕は本当に飢えていてこのレースにとにかく、とにかく勝ちたかった。
2年間懸命に仕事をしてきてこのレースに勝ちたかったのに-
こんな形になった。残酷さ」
「僕は自分が持つ全てのカードをテーブルの上に置いて、
責任を取った上で前に進みたい」
「僕らは勝てていたはずさ。間違いなくね。僕としては、
本当に勝ちたかったけど、今はこうして手ぶらでいるわけだ-
2位はきっと素晴らしかったろうね。それを学んだよ」
コメントはフォーミュラE公式サイトのものをざっくり
翻訳しましたが、これがチームに怒られてからのものなのかなど
タイミングは分かりません。
おそらくチーム オーダーは出ていなかったでしょうし、
チームとしても、ペースが上がらないダコスタが抑えているうちに
徐々にダンブロジオが来ていたので難しい状況では
あったと思います。
シムズの攻撃はセオリー通りで、ロックしたのはミスですが
ダコスタが引いていれば綺麗に回れたはずなので、
そういう点ではダコスタに非があった同士討ちなのは間違いの
ないところでしょう。
そういう点でダコスタが人のせいにせず、公の場でコメントを
残した意味は大きいですし、とりあえず内紛等は避けられそうです。
ただ、今後オーダーは早めに用意はされると思いますが。
ただ見る側としますと、テチーターの2人もそうですが、
トップを争うチームメイトがこうしてやり合ってくれる、
というのは非常に盛り上がりますし、BMWとダコスタと
シムズには気の毒ではありますが、開幕からの2戦で
新世代のFEを盛り上げるのに非常に貢献したなという感じはします。
そして、なんとなく『今回も繰り上げタナボタ感?』な
ダンブロジオではありますが、レースの速さは見事で、おそらく
今回の戦闘力はベルニュ>シムズ=ダンブロジオ
という感じだったのではないかと思います。
他チームも近い位置では争えていますから本当に面白い
シーズンだと思います。
そして最後のJ SPORTS解説陣へちょっと一言。
締めのコメントあたりでよく
『セーブしなくてもこんなに走れるなんてすごい進歩ですね』
なんて言ってますが、車載を見れば一目瞭然、
猛烈にリフト&コースとして節約して走ってます。
全力で走ったら絶対最後まで走れません。
また、FOXの放送席では話してましたが、
たとえアタックモード中でも、常時225kwで攻めたら
あっという間に消耗するので、必要の無い場所ではパワーは
使わずリフト&コーストも行って、必要な場所に絞り込んで
パワーを出しています。
そして、相変わらず
「今最後すごいパワー出ましたね」なんて言ってますが、
パワーが出たんじゃなくて先行する車のリフト位置より
後続車のリフト位置が奥だから相対的にストレートが速く見えるだけです。
素人でもわかるんだからもうちょっとそのあたりは正確なことを
伝えてもらいたいです。
次戦はチリのサンティアゴです。