2018 DTM Round10 Hockenheim
Hockenheimring 4.574km
Race 1 winner:René Rast
(Audi Sport RS 5 DTM/Audi Sport Team Rosberg)
Race 2 winner:René Rast
(Audi Sport RS 5 DTM/Audi Sport Team Rosberg)
2018年のDTMもあっという間に最終戦となりました。
舞台はやっぱりホッケンハイム。
ここまでレネ ラストが4連勝を挙げて猛烈に選手権で追い上げを見せ、
レース前の上位3人は

ラストが30点差から大逆転を狙います。
レース前にはR-MOTORSPORTがアストンマーティンの車両で
来季からDTMに参戦することが発表されました。
まだ『来季の早いうち』という発表のため、いつから出場できるのか、
何台投入するのかは定かではありませんが、新規参入は嬉しい限り。
8月にブランズハッチのイベントがあるので、地元イベントには
間に合わせたいですよね。
ベース車両にはヴァンテージを使用、R-MOTORSPORTは
既にHWAとの提携を発表しており、車体とエンジンはHWAが製造すると
思われます。HWAはこのレースで撤退するメルセデス-ベンツの
DTMチームを動かしている組織なので、ものすごく平たく言うと、
『HWAがプライベーターとしてDTMに残り、メーカーが変わった』
という見方もできます。実際、スタッフやドライバーの中には
今年のメルセデスからそのまま残る人もいるようです。
一時、ホンダがエンジン供給するのでは、と噂され、どうやら
ホンダ自身も打診があってリース契約の見積もりを出したことまで
認めているそうなんですが、結局実現はしなかったようです。
そんな来季の話題も出つつ、30年のDTM活動を終えて去り行く
メルセデスのタイトルがかかった一戦、土曜日のレース1は、
またまたまたまたまたラストが制しました。
PPはルーカス アウアー、2位にパフェッツ、ラストは4位、
でぃれ☆すたは6位となぜか偶数列に並びますw
アウアーは当然同じメルセデスのパフェッツの邪魔はせず
これでトップ。一方ラストはコース上で2位まで上がって来ると、
13周目に先にピットへ。
パフェッツはセオリー通り翌周にカウンターを打ち、前を守ったかに
思われましたが、ラストが激しい攻めを繰り返し
実質トップをもぎ取ります。ラストはたぶん今いるDTMドライバーで
一番クリーンだと思います。
しかしバトルはこれで終わらず、23周目にパフェッツが
抜き返すと、さらにラストがこれをまた24周目に逆転。
この時パフェッツの右リアのフェンダーが一部すっ飛びました。
いつまで続くのかという激しい争いに観戦者一同大興奮ですが、
25周目にこれに水を注す出来事が発生。

ドアが無い(´・ω・`) DTM車両って安全のためかドアは簡単に
外れる仕様なんですが、たまーにレースしながら落っことす人が
いるんですよねえ・・・
まさかのSC導入で残り9分30秒でリスタート。
前戦ではリスタート違反がレースをがっかりなことにさせたので
リーダーの動きが気になりますが、ラストは見事なリスタートを決めて
パフェッツに隙を与えず。

後続ではダートのレースが始まった模様(´・ω・`)

冗談抜きに、これで砂まみれになったマルコ ビットマン、車内に
砂が入り込んで続行不能、リタイアに。
ちょっと待って、その砂は苦手です。
実は中継がこの映像を映しているその裏で、ラストが
砂でグリップを失ってヘアピンでものすごく飛び出ていたようですが
パフェッツは離れていたので被害なし。
逆にパフェッツはここからペースが上がらず、ティモ グロック、
ロビン フラインスに抜かれてしまいました。
ラストは5連勝、パフェッツは4位、ディレスタもリスタート後
ペースが上がらず8位。
レース後、パフェッツは無線で激怒
「ふざけんなよむちゃくちゃ危険だろ!
デブリーが大量にあるのにセーフティーカーは出ていきやがった!」
「みんなありがとう、勝てるペースがあったのにセーフティーカーに
全部持っていかれたよ」
「ブリーフィングで確認してたのに、ラストはターン1で
ぜーんぶコースを外れてやがった。」
コースが砂まみれになってグリップしなかったことも不満だったでしょうし、
空力部品が壊れたのも影響したかもしれませんね。
ターン1のリミットが緩いのは今に始まったことじゃないですけどね^^;
そしていよいよ最終決戦、日曜日のレース。
またまたまたまたまた、また、ラストが優勝しました。
PPは砂を洗い落としたビットマン、2位にラスト、3位パフェッツとなり、
この予選でのボーナスを加味した選手権順位は

厳しい状況に追い込まれました。
スタートでラストはいきなりビットマンを抜いてトップ。
この場合パフェッツは4位以内が条件です。
ビットマンの後ろの3位走行を継続するパフェッツ、続く4位は
少し離れて同じメルセデスのエドアルド モルターラ、続いて
BMWのブルーノ シュペングラー。モルターラが順位を守ってくれている
限りが安心ですが、メルセデスがけっこうやらかすピット作業
大失敗があるとタイトルが手からすり抜けかねず、クルーの緊張感は
きっととんでもないものだったでしょう。
11周目、パフェッツがピットへ。早い!というわけではありませんが、
モルターラとのギャップや状況を考えれば、タイトルを大きく引き寄せる
堅実な作業です。
13周目にラストもピット、こっちもきっちり。
ビットマンは17周まで引っ張り、このためにパフェッツに先行を
許してしまいますが、22周目にコース上で抜き返します。
パフェッツはこれで依然として実質3位なので焦る必要はありません。
ただ、後方はモルターラを抜いたシュペングラーになり、
さらに終盤には5位にピットを引っ張って新しいタイヤの
ニコ ミュラーが浮上して、最速ペースで追い上げてきます。
猛烈に速いニコムラさんはシュペングラーも抜いて4位に浮上しますが、
既に残りは2分、しかもパフェッツまで5秒以上。
こりゃあ仮にアウディーが故意に相手をすっ飛ばそうと考えていたとしても
無理な距離です。
結局ラストはそのまま走り切って6連勝達成!

コメント欄では
ぢゃん 砲撃だねこれ・・・
言われてみればそうですね!w
そして3位でチェッカーのパフェッツが2018年の
DTMチャンピオン獲得となりました。
メルセデスはチームマニュファクチャラーも圧倒して
最終年を3冠で飾ってDTMを後にします。
HWAとパフェッツはそのままフォーミュラEへ転向するので、
引き続きよろしくお願いしますm(_ _)m
最終的にパフェッツとラストの点差は僅かに4。
タラレバを言うのはご法度、とはいえ。。。
ラストはラウジッツのレース1で横転クラッシュ、そのせいでレース2を欠場。
まあこの時はアウディーがどん底だったのでまだ良しとして、
ザンドフールトのレース1でピットを引っ張ってたらニコムラさんの
アクシデントでSCが発生して大損したのが結果的に痛かったことになります。
あのレースは結構得点できてたはずですからね。

ラストの6連勝の中には、みんな大嫌い・チーム オーダーによる
ものも含まれており、全てが実力ではありませんが、彼が
アウディーで抜きんでた力を発揮、特にレースにおいて
圧倒的なペースと安定性、そしてバトルの巧さを兼ね備えていたのは
確かです。6連勝という偉業は称えられるべきでしょう。
そしてパフェッツは、正直数年前には
「いつまで昔の顔で走ってるんだろうこのおじさん」と思っていましたが、
見事な復活劇でした。チーム内のドライバーとの争いというのも
難しいところがあったでしょうが、これで堂々とFEに参戦できます。
あ、DTMが格下に見られるからボコられないでくださいねゲイリーさん^^;
今年も大いに楽しんだDTM、来季から規則が変わり、
エンジンはGT500と同じ2Lターボになります。
そしてその先にGT500との混走も見えてきました。
新世代のDTMは来年5月に開幕します。
ライブのチャット欄でご一緒した皆様もありがとうございました!