FORMULA 1 GRAN PREMIO HEINEKEN D'ITALIA 2018 Monza
AUTODROMO NAZIONALE MONZA 5.793km×53Laps=306.72km
winner:Lewis Hamilton
 (Mercedes AMG Petronas Motorsport/Mercedes F1 W09 EQ Power+)

 F1第14戦イタリア、ちょうどGT SPORTでもモンツァを走らされたので
金曜日はフリー走行見ながら練習してちょっと混乱しましたw(じゃあ見るなよ)
 エースはキミ ライコネンの待望の優勝を詰めかけたフェラーリ好きだけでなく
世界の多くのファンが期待しましたが、メルセデスがそれを打ち砕きました。。。

 予選では最近の展開からフェラーリ優勢かなという中、Q3になると
フェラーリ vs ルイス ハミルトンに(バルテリ ボッタスは絡めず^^;)
 ここはスリップストリームが効果的で、だいたい2.7秒程度の差で
付いて行くと乱気流の影響による損失を抑えてスリップの恩恵を得られます。
 公平なチームは2回のアタックで引っ張り役を交代させたりしますが、
フェラーリもメルセデスも『ナンバー2』を2回とも壁にする可能性大。
 と思ってたら、2回目のアタックでセバスチャン ベッテルは
ライコネンではなくハミルトンに付いて行く選択をした模様。
 しかし距離がやや離れたのとコーナーも僅かにミスがあり、
PPはなんとそのベッテルの後ろをイイ感じで付いて行っていたライコネンでした。
まさかのトップに画面の前で私も歓喜。
しかも2004年、V10時代のファン パブロ モントーヤのタイムを破る
コース レコード更新。比較動画がアップされていますが、
ストレートで離されたのをコーナーですぐ取り返してます。
ただ、当時はパラボリカのアウトが砂場なので今はかなりインチキしている、
という点は大きく異なりますね。

 ただ、レースでも当然フェラーリはライコネンを踏み台にするので、
ベッテルが消えない限り勝てない運命です。。。


 決勝のスタートではいきなり直線でブレンドン ハートレーが左右から
挟まれてリタイア、ターン1~2でも小接触。そりゃあ素人が
ゲームでスタンディングでスタートしたら事故るに決まってますよ
ポリフォさん。聞いてます?
 そしてターン4~5でハミルトンが外からベッテルに仕掛け、、、
インにいたベッテルが接触してスピンしました(@_@)
「バカかよ、どこへ行けと?」とベッテルですが
イメージ 1
ハミルトンはきちんとラインを残していて、むしろベッテルが
曲がり切れず当たりに行っています。フランスGPのスタート直後も
同じパターンでした。ちょっと前のめりになりすぎて判断ミスを
したと思います。お咎めなしでしたが、もしハミルトンがスピンしていたら
ベッテルには10秒ペナぐらい入ってもおかしくないでしょう。

 コース上散らかったのでSCとなり4周目にリスタート。
ベッテルがウイング交換でピットへ行き勝ち目がなくなったので
ライコネン大チャンス到来!!エンジニアもまた回りくどい言い方で
説得する必要が無くなって内心ほっとしてるかも?

 リスタートのターン1でハミルトンが先行したもののライコネンは
落ち着いてターン4で抜き返し。熱いですがお互い引き際を理解した
良い争いです。

 一方中団ではターン4をカットして戻って来たケビン マグヌッセンが
かなり速度差があるのにセルジオ ペレスに寄せていってラインを絞り込み
ターン6で接触。最後はペレスも軽く押し出してますが、そもそも
遅いのに寄せた挙句ターンインで相手が縁石に乗るしかないぐらい
早めに切り込んでるので、かなり酷い運転だと思います。
マグヌッセンは完全にニュースフィードで名前晒される人の動きです(+_+)

 さて、トップ争いは前に出ればフェラーリ有利かと思いきや
普通に付いて行くハミルトン。乱気流でタイヤも痛めるので
抜けないなら離れるのがセオリーなんですが、ずっと近くにいます。
しかも車の状態は良いと上機嫌な様子。マジで?
 20周目、メルセデスがタイヤ交換の動きを見せるとアンダーカットを
阻止すべくライコネンがピットへ。ハミルトンにはおそらく
「逆をやれ」という指示が来ているはずでステイ アウトします。
 ピットに関しては、本来作業をしないなら出てはいけない、という
規則になっているはずなので『ブラフ』は違反のはずなんですが、
メルセデスはしょちゅうやってます。何かうまい言い訳があるんでしょうか。

 「ハンマータイム」「もう1周」などと何度か無線でピットを先に延ばし、
しているうちにいつまでも走るハミルトン。
 ライコネンは新しいタイヤで飛ばしハミルトンはどんどん差を
広げられているわけですが、飛ばしたライコネンの前にはボッタスがいました。
「ライコネンを後ろにとどめろ」と指示されるボッタス。
うわあ、DTMでよくあるやつだ(+_+)
 
 28周を終えてハミルトンようやくピット。ライコネンはボッタスの
2秒後方まで来て、いよいよ空力的に影響が出そうな距離です。
 ライコネンはボッタスを抜けず、ピット後5秒以上あったハミルトンとの
差はあっという間に失われて33周目にはもう1秒以下。
 ボッタスの後ろでズルズルやってるライコネンは左リアに
ブリスターができてるっぽくて怪しい状態です。

 36周を終えてようやくボッタス退出。
そこからしばらくハミルトンを従えて走行しますが、明らかにハミルトンは
ライコネンがダメになるまで待って確実に抜く余裕の構えに見えます。
 そしてとうとう45周目、ターン1で外からハミルトン!
フェラーリ上層部はいっそぶつけてくれたらいいとでも思ったかも
しれませんがライコネンはフェアプレー。そして4周目のように
もう一度仕掛ける余裕は彼にはありませんでした。

 ペースを見ると、タイヤを換えた後1分23秒5程度だったペース、
ボッタスに抑えられた後は23秒9あたりまではなんとか戻していましたが
42周目に周回遅れに詰まって24秒台に落ちると、ここからペースを
戻せていないような推移。
 ライコネンはソフトでこれが24周あたりの周回数ですが、
ベッテルも1周目の事故でスーパーソフトから乗り換えたソフトを
26周で捨ててスーパーソフトに戻しています。
ベッテルはダメージ持ち&追い抜きが多くタイヤを酷使していますが、
ライコネンもまた序盤に猛プッシュ&ボッタスの乱気流を受けたので、
フェラーリはこの日は結構タイヤの面で苦しかったのかもしれません。

 そのまま逃げ切ってハミルトン優勝、ライコネンは通算100度目の
表彰台を優勝で飾れませんでした。
 3位はボッタス。43周目のターン1でマックス フェルスタッペンと
接触しましたが、幸いダメージは無かったようで、真偽の結果
フェルスタッペンに5秒ペナ。
 ブレーキで並んでるのにふらーっとボッタスに寄って行って
接触した挙句「やつが俺の左前輪に接触してきた」と明らかに大嘘( ゚Д゚)
もし本気でそう思えているのなら根本的に周りを見るセンスがないので
もう一度F3からやり直した方が良いです。
5秒加算とかいう問題じゃなくて危険すぎます。
この5秒に救われてベッテルが4位に繰り上げられました。


 ライコネンは先に動いたのが失敗だったのか?というと
そうでもなかったと思います。
動かなければ当然逆をやってハミルトンがアンダーカット。
防御は無理なのでライコネンは次の周に入っても後ろだったでしょう。
ボッタスとの攻防から考えれば、ライコネンは追いついてもなかなか
抜けずタイヤばかりハゲた可能性が高く、やはり抜けないままだったと思います。
 かといって、カウンター打てないからステイ アウトして
履歴の新しいタイヤでの後半勝負を選んでも、ハミルトンとの
力量差はほぼ無かったような雰囲気ですから追いついても抜けないので同じ。
周回数次第ではやはりボッタスが派遣された可能性もあります。
 2 vs 2ならこうも行きませんが、そもそも2台いたらベッテル優先で
チーム事情で勝たせてもらえませんから、結局、序盤にハミルトンが
背後にいれてしまった時点で、ライコネンに自力での勝機は無かったと
考えられそうです。

 で、そんな2人の振る舞いを見ると非常にフェアな争いでした。
ハミルトンは「当たって0点」はダメだと理解した動きでしたし、
リスタートでのライコネンも
「ここで抜かれてもウチのPUならやり返せる」という考えがあって
無理にターン1での防御を選んでいなかったと思える動きでした。

 翻ってベッテルは、仮にあそこでハミルトンに先行されても
2vs2なら手の打ちようはあるし、PU的なアドバンテージもあるはずだし、
ボッタスは自分を追い回せるほどでもなく2vs1に持ち込めた可能性も
じゅうぶんあったのに、「ここで抜かれたらもう終わり」ぐらいに
目先の順位を取りに行き過ぎた気がします。
 単に彼のバトルでの能力が不足している、と言ってしまえばそうなのかも
しれませんが、本来彼も空間把握能力やギリギリのラインの取り方は
持っていたはずで、どちらかと言うとそれを自分の精神状態が万全でないと
うまく引き出せないところが要因ではないかと感じます。
 言い方は雑ですが
「ここで抜いたところでどうせ俺らの方が速いから意味無いし」ぐらいに
上から見下ろす気持ちでいれば、接触することもなかったんじゃないかと
思います。4位はご褒美だと思って気持ちを入れ替えて
今後のレースに臨んでもらえればまだまだ選手権は面白くなるでしょう。


 次戦はシンガポール。さあ、レッド ブルの出番が来るか!