FORMULA 1 2018 JOHNNIE WALKER BELGIAN GRAND PRIX
Spa-Francorchamps
CIRCUIT DE SPA-FRANCORCHAMPS  7.004km×44Laps=308.052km
winner:Sebastian Vettel(Scuderia Ferrari/Ferrari SF71H)

 夏休み終わったなー、憂鬱だなあ、なんて言ってられないF1第13戦。
引き続きフェラーリとメルセデスが接戦を演じてくれれば個人的には
どちらが勝っても構わない派ですが、後半戦最初のレースは
セバスチャン ベッテルが制しました。

 夏休みの間にはフォース インディアが破産申請。
ローレンス ストロール等が出資する新会社へと譲渡され、
Racing Point Force Indiaという新規参戦チームとして再出発。
新規扱いのためコンストラクターズ ポイントは0となり、
分配金を受け取るためにはここからまた点数を稼いでいかないといけません。

 レースの方へ話を向けると、スパはPU性能で勝っていると思われる
フェラーリに優位と見られ、ベッテルにとっては必勝のレース。
 ところが、予選はQ3で雨が降ってしまい、やはり雨と言えば
ルイス ハミルトン。PPを奪っていきました。
 ベッテルは2位に入るますが、キミ ライコネンやレッド ブル勢などは
最後の路面が乾いた時にはガレージ内(´・ω・`)
 元々「降る前にスーパー ソフトでタイム出したれ!」という感じで
Q3に出ていったため多くの陣営は燃料が3周分しかなく、
そのため「あ、ドライだめだわ」とピットに戻っても燃料がないため
一旦ガレージへ戻って再給油。
 で、この時の搭載燃料の計算がイマイチだったのか、最後の周に
もう燃料が無い人が出てきたようです。残念すぎる。
 そしてその混乱を尻目に、なんとFインディアの2人が2列目の
グリッドを獲得してしまいます。これはサプライズあるか!?


 決勝はスタート直後に大事故が起きました。
ニコ ヒュルケンベルグが完全にブレーキをロックさせて追突。
多重事故に発展し、フェルナンド アロンソの車がシャルル ルクレールの
上をぶつかりながら乗り越えていきました。
 後に回収されたルクレール車が映りましたが、ヘイローには多数の傷跡。
アロンソ車はヘイローがなければルクレールの頭部を直撃、という動きでは
なかったようには見えますが、2012年、まさにここでの似たような事故で
首を切り落とされかけ、ヘイロー推進派のアロンソはレース後
「あのシーンの動画を見て、ヘイローがシャルルを救ったと思った」
とコメントしました。
 ヒュルケンベルグは全然止まってなかったのでブレーキのトラブルかと
思いましたが自身のミスだと謝罪。次戦グリッド降格となっています。
他にもこの接触の波及や別の追突もあり、なんかSR低い人の部屋みたいな
お手本にならないスタート映像になってしまいました。
 影響でダメージを受けたライコネンとダニエル リカルドは後に
リタイアとなっています。

 で、後方はそんな状態で、車が空を飛んで安否も分からんような
明らかに即SCな状態だったのにレースは暫し続行、
ケメル ストレートで上位4台が4ワイドになりかけるすごい状態から
ベッテルがトップを奪い、ようやくSCが発令されます。
 確かに事故現場に次に車が来るのは1分50秒後なのでそれまでは
いつSCを出そうが同じなわけですが、どことなく
「せっかくの見せ場なんだkらストレートの攻防終わってから出そう」
という阿吽の呼吸が働いた感じがしました。

 
 昨年も似た展開で、リスタートからベッテルがハミルトンを
狙ったところ、ハミルトンは全力で逃げたい心を制し、あえて
オー ルージュで微妙にスロットルを戻すことでベッテルにスリップに
綺麗につかれないようにタイミングを外しにかかりました。
 当然ベッテルはそれを考えたと思いますが、ハミルトンは
最終コーナーでちょっと突っ込みすぎて立ち上がりからベッテルを
捉えきれず、そんな小技などなくともリードを守りました。

 ベッテルはハミルトンを4秒近くまで広げますが、そこからハミルトンが
少し盛り返して21周を終えピットへ。これに対応してベッテルも翌周に入り、
きちんとアンダーカットに対応します。
 やれるだけのことをやろうと猛プッシュしたと思われるハミルトンは
差を2秒以下にまで縮めたものの、ベッテルはそこから引き離しにかかり
その差は一気に広がっていきます。
 リアの厳しいメルセデス、スーパーソフトでなんとか食い下がったので、
ソフトなら後半に可能性があるかも、と思って見ていた私としては
ちょっと拍子抜けな感じ。
 後に、同じくソフトを履くバルテリ ボッタスの無線で、
左リアの温度が限界だという情報があったようなので、ハミルトンも
同様と考えると、最初に思いっきり飛ばした分その後の管理が
難しかったと考えられそうです。

 両者のギャップと、前後半でのタイムのグラフを見てみると、
イメージ 1
後半になって一気に差が広がり、ベッテルは安定して1分47秒0~4あたりで
推移しているのに、ハミルトンはアンダーカットに失敗した後
一旦ペースが鈍化、そこから持ち直したものの、それが37周目以降
再び低下に転じ、バラつきが出ています。
 もちろん、もう普通には勝てっこないし、選手権で勝っているので
無理せず走ったという面もあるでしょうが、タイヤのオーバーヒート、
ブリスターの発生を懸念して、時折ペースを制御せざるを得なかった、
ということも考えられそうです。
人を抜きながらなのでボッタスのタイムの推移があまり参考にならないのが
残念なところですが、このフロント リミテッドのコースで、
それほど路面温度も高くないのに熱で苦労しているとなると、
シンガポールやアブダビもかなり苦戦が考えられます。

 そのボッタスはギアボックス交換でグリッド降格したところから
追い上げての4位でコンストラクターズ的には貢献。
ただ、スタートで追突した一人だったので、5秒ペナを受けました。
 3位はほとんど目立たなかったマックス フェルスタッペン、
そして5位、6位にフォースインディアのセルジオ ペレスと
エステバン オコンが並んで入り、新生チーム、いきなりの大量得点です。
 ペレスはまだしも、オコンは来年シートがなさそうな雰囲気なので、
ある意味新チームの得る分配金なんて知ったこっちゃない、という
気持ちにもなりがちなのでペレスとの同士討ちや無理な自爆が
ないか心配でしたが、二人とも無理しない大人のレースでした。
結果、ウイリアムズ、一瞬で最下位に戻るw

 ウイリアムズは予選の動きを見ていても
「間違えてハードでも履いてるの?」というぐらい何のグリップ感も無い
すんごい動きでした。

 次戦は連戦でイタリアです。ここもフェラーリが有利っぽいですが、
メルセデスは耐えて18点を選ぶか、何か勝負をしようとするのか、
このあたりの駆け引きも大事になってきそうです。
ミサイルGPはやめてね^^;