Monster Energy NASCAR Cup Series
このレースの前日となる8月4日、Xfinity Seriesに参戦する
セーフ!!動きが逆で、イン→アウトの順にタイヤを替えるから
Go Bowling at the Glen
Watkins Glen International 2.45miles×90Laps=220.5miles
winner:Chase Elliott(Hendrick Motorsports/SunEnergy1 Chevrolet Camaro)
MENCS at グレン。ソノマ以来今季2度目のロード コースです。
同じロードコースでもここは平均速度が速いため
「ロードコースのスーパー スピードウェイ」とか表現されていましたが、
そんな高速ロードコース戦で、とうとうチェイス エリオットが
カップ戦初優勝を果たしました!
GMS Racingから
「8月25日のロード アメリカのレースでビル エリオットを起用する」
という驚きの発表がなされました。
1988年のカップ シリーズチャンピオンのビルは現在62歳。
GMSの社長であるマイク ビームはかつてビルのクルー チーフとして
157戦を戦った仲です。
ビルにとっては2012年夏のデイトナにカップ戦で出て以来の復帰です。
GMSは正ドライバーだったスペンサー ギャラハーが薬物規定違反で
出場停止を受け、代役としてチェイスも起用したりしていました。
で、そんな驚きのニュースの翌日のカップ戦。
PPはデニー ハムリン、2位カイル、3位にチェイス。
レース前にマーティー スナイダーがクルー チーフの
アラン ガスタフソンに「初勝利がロードコースになるかもしれないね」
と聞いたら「いやいや、まだまだだけど、でも確実に速くなっている」
と言っていたそうで、ここで勝つとはチームも考えていなかった感じです。
2周目にカイルがハムリンをパス。ハムリンは明らかに
バランスが悪そうでこの後も順位を下げていきます。
3周目にライアン ブレイニーとエリック アルミローラが接触。
アルミローラが回ってコーション。その後ろではチェインリアクションで
ジョーイ ロガーノとA J アルメンディンガーもダメージを負い、
ロガーノ陣営は規則の認識不足で破損したオイル クーラーを
直そうと車をガレージへ入れたためリタイアに(´・ω・`)
あくまでこれは「接触によるダメージ」なので、ピット上で直すか
何かしらオフィシャルを言いくるめて「メカニカル トラブルの修復」
であると認めてもらわないといけません。
20周しかないステージ1。多くはお馴染みのステージ終了前に
ピットに入る作戦、リーダーのカイルも当然入りますが、
2位に浮上してきたマーティン トゥルーエックス ジュニアは意外にも
ステイ アウトでステージ勝利を取りに行きました。
2位にはジミー ジョンソンが入りましたが、縁石を使いまくる
このコース、衝撃でルーム ミラーの固定が外れたようでグラグラ、
いやブランブランして使い物になりませんw
ステージ2、カイル、ハムリン、チェイス、のオーダーに
戻ってリスタート。トゥルーエックスは12位から。
チェイスはリスタート後からカイルをつつきまくり、
27周目の最終ターンで抜いてリード。昨年までコース上で抜いての
リードというのがたしか無かったか1回だけだったチェイスですが、
ここ3戦続けてコース上でリードを奪っています。
結局このステージは何も起きずそのままステージ勝利です。
なぜここでは終了前に入らないかというと、ファイナル ステージも
たった50周しかなく、燃料は35周行けるので、このままステージ終了後も
ピットに入らず、ファイナルステージの残り35周まで待って
ピットに入るのが最もトラック ポジションを失わずに済むためです。
ファイナルステージ、チェイスはターン1で滑ってしまい
カイルがすかさずリード。ただ、チェイスは背後に
しっかりと付きます。
見ていると、チェイスはインナーループを非常に直線的に
無駄なく走っており、縁石からの着地、横荷重がかかる場面でも
きちんと車が縦方向のグリップを失わず綺麗な走り方になっています。
インナーループだけでカイルより0.2秒ぐらい速いんじゃないでしょうか。
ただ、やがてチェイスに燃料セーブの指示。なにせステージ1終了の
3周前にピットの入っているので、ここで残り35周までもたせると
いうことはこのスティントはコーション ラップを含め35周以上
走らないといけないということですから、油断してるとガス欠します。
ところが残り37周、マット ディベネデトーがトラブルで停止。
停止場所はインナーループのショートカットですが、
エンジンが壊れたっぽくて自走できずオイルも出たのでコーション。
これはもうここで入ってあとは燃費レースにするしかありません。
ケビン ハービックは停止~コーションまでの一瞬の隙を突いて
先回りでピットに入ろうとしましたが、目前でクローズとなり
悪だくみに失敗w
そしてこのピットが戦場になりました。
年間で唯一車両右側から給油し、動きが逆になるグレン。
1番ピットのハムリン陣営は取っ散らかった末に
タイヤは転がすはガンは引きづるわ、クルーは手を怪我するわの大騒ぎ。
もちろんペナルティー。
チェイスもクルーが撥ねられましたが、


出ていく車とクルーが交錯するので危ないんですよね。
先頭でピットを出たのはカイルでしたが、なんと衝撃のリポート。
燃料が正常に入っていませんでした。再ピットで後退。
これでチェイスは労せずしてリーダーに。しかも
カイルは圏外、さらにもう1人の強敵・トゥルーエックスとの
間にタイヤ無交換のオースティン ディロン、2タイヤのカート ブッシュが
挟まってリスタートの脅威も退けられました。
残り32周でリスタート。トゥルーエックスは1周で2台抜いて2位となり、
優勝戦線はこの2台の争い。
トゥルーエックスは燃料とタイヤを考えながらじわじわ追い上げる
考えのようで、本当に少しずつ距離を詰める展開。
3位にはエリック ジョーンズが付けるものの差は大きく、
クルー チーフのクリス ゲイルはオーバータイムを考慮した
燃料セーブを指示します。普通にやってもこれ以上どうしようもないしね。
この後ロス チャステインがパンク、ジョンソンもミラーがないせいか
アルメンディンガーと接触してスピンしますが、いずれも
コース上に影響がないためコーションにはならず。
そして残り7周、とうとうトゥルーエックスが本気でチェイスを
仕留めにかかります。
しかしチェイスも相変わらず出口でのトラクション、安定感に優れ
トゥルーエックスに決定的なチャンスを与えません。
そしていよいよ残り2周、
攻めすぎたトゥルーエックスがインナーループでミス。
これで勝負ありかと思いきや、最終周のターン1、チェイスは
ギアがうまく落ちなかったかオーバーシュート。
これでトゥルーエックスが逆転かと思ったら焦ったのかトゥルーエックスも
思いっきりリアが滑ってテール トゥー ノーズに戻っただけ。
そしてカルッセルを抜ける最中、おかしいなと思ったらトゥルーエックス
とうとうガス欠!これでチェイスが逃げ切りついについに
初勝利を手にしました。
そしてこちらもすぐガス欠。燃料がないので誰か押して~
な感じのチェイス。てっきりチームメイトの誰かが押してくれると
思って見てたらみんな祝福しつつ素通りw
しかし最後には、一回素通りした7タイムス チャンピオン、
ジョンソンが戻ってきて押してくれました。
なんだか世代のバトンタッチにも思えるこの光景。でもこういうのが
見たかったわけですよ。今書いてもまた感動して泣けてくる(T T)
エリオット、通算99戦目での待望の初勝利。
そしてこれは今季苦しんできたヘンドリック モータースポーツにとっての
今季初勝利であり、カップ戦通算250勝目。
さらに、クルーチーフのガスタフソンは誕生日でした。
ちょうど前回のレースの記事に Xoboer075さん から
「ヘンドリック勢の調子が上向いて来た感がありますよね?」
とコメントをいただきましたが、見事な予言者でした!( ゚Д゚)
予言と言えば、先日放送されたゲームセンターCX#264
キャプテン翼2 スーパーストライカー
の回で、ロケがFIFAワールドカップ開催前だったにもかかわらず
『日本代表としてポーランド相手の試合終盤にパス回しで時間を稼いで』
勝利し
「ズルいな~」
「パスたくさん出して時間稼いだんですぅ」
と、結果的にその後のワールドカップを予言したみたいな展開に
なっていたのがなかなか秀逸でしたw
チェイスはこれまで2位を8回経験していますが、これは
優勝の無いドライバーとしては最多タイで、同じ記録を持っていたのは
父のビル。ビルのカップ戦初勝利もやはりロードコースで、
1983年最終戦のリバーサイドでした。
ビルは117戦目でに初勝利だったので父よりは少し早く勝てました。
ビルは5年後の88年のチャンピオンになりましたから、これはもう
2023年のチャンピオンはチェイスで決まりですね。え?遅すぎる?
カイルに給油の問題が無ければどうなっていたか分かりませんし、
相手がトゥルーエックスではなくブラッド ケゼロウスキーとか、
あるいは勝ちたくて仕方ないアルメンディンガーとかなら、
背後に付いたカルッセルあたりで押されて終了だったかもしれないので、
そういう点で運も味方に付けましたが、ここまで
ロードコースで競争力があるのはかなりの驚きでした。
と言っても、4位にダニエル スアレス、5位ジョーンズ、
8位にウィリアム バイロン。若い人はみんなロードコースが最初から
上手いですね。
ジェイミー マクマーリーは7位とオジサンの中では健闘しましたが、
チームは来年マクマーリーに替わってカート ブッシュを
起用するという噂が出ているようで結果を出さないとヤバそうな立場。
一方ケイシー ケインは来季も残留が濃厚。
JTG ドーティーもドライバー交代の噂があるようですが、
具体的な話はまだ見えてきません。アルメンディンガーはまだまだ
契約が残ってるのでクリス ブッシャーでしょうか?
さて、息子の活躍で父エリオットのレースも気になってきましたが
シリーズはプレイオフ進出争いが大詰めを迎えています。
次戦はミシガンです。