Monster Energy NASCAR Cup Series
Coke Zero Suger 400
Daytona International Speedway 2.5miles×160Laps(40/40/80)=400miles
winner:Erik Jones(Joe Gibbs Racing/buatoyota.com Toyota Camry)

 カップ シリーズは2度目のデイトナにやってきました。夏のデイトナ400マイル、
中盤以降荒れた展開となった独立記念日明けのデイトナを
生き残ったのは、22歳のエリック ジョーンズでした。

 予選はチェイス エリオットとアレックス ボウマンが1列目、
ヘンドリック モータースポーツが前に来ます。
 ステージ1序盤まではエリオットがリードする展開でしたが、
その後流れはリッキー ステンハウス ジュニアに。ステンハウスが
ここで速いのはみな承知、彼に続く流れになったまま、コーションが
出ることもなくあっという間にステージ1終了。ステンハウスが
ステージ優勝を果たします。

 ステージ間コーションで作業に追われたのはケビン ハービック。
軽い接触で右側の換気ダクトが外れてしまい、外れたままでは暑いし
規則上も問題なので修復作業。
イメージ 1
 テープで厚みを増して抜けないようにして挿し直す、という
日曜大工レベルの雑な修復でしたw
 快走していたマイケル マクダウルもトラブルで、ライアン ブレイニーは
給油量のミスで再ピットと色々と問題も起こります。

 一方、51号車・リック ウェアー レーシングのレイ ブラック ジュニアの
クルーには今回2名の女性、ブレハンナ ダニエルズとブレアナ オラーリーが
タイヤ交換のメンバーとして参加。近代NASCARにおいては
女性クルーがウォールを超えての作業を行うのは初だそうです。
2人はダイバーシティー ピット クルー デベロップメントという
企画で採用され、経験を積んで今回初めての舞台に立つことになったそう。
重たいものを運ぶので大変な仕事なわけですが、自分のブランド力を
発進する方に傾倒しすぎてあまり女性ドライバーの門戸を開く力には
なっていなかったと言われるダニカ パトリックよりも
むしろ意義深いことかもしれません。


 さてステージ2、リスタートした瞬間にタイ ディロンが燃圧トラブルで
加速しなかったものの幸い事故にはならず。
しかしわずか2周後の49周目にジミー ジョンソンと軽く当たった
ポール メナードがスピンして危うく離陸でコーション。
これが荒れたレースの引き金になりました。
 55周目、ブロックに動いたリーダーのウイリアム バイロンに対して
アクセルを戻したブラッド ケゼロウスキー、にステンハウスが接触。
先頭でのアクシデントに後続が次々巻き込まれる大惨事。
20台が巻き込まれ、チーム ペンスキーは3台が一瞬で全滅しました。
 63周目にリスタートしたものの、また2周後、また先頭集団で
ステンハウスがタイトになって外のカイル ブッシュに引っ掛けてしまい
また7台ほどが絡む事故になりコーション。レースが進みません、
まだステージ2の真ん中なんだけどみんな分かってるの?とつい
言いたくなります(*_*;

 ずいぶんとコンテンダーが姿を消したステージになりましたが、
結局ステンハウスがこのステージも勝利。一度目の接触はやや
不可抗力、2度目はミスとはいえあまりいいことではない動き。
元々周回遅れでマナーが悪いとかかなり評判が悪いようなので、
こうした出来事でさらに他のドライバーから危険扱いされる気がします。
 そんなステンハウス、リード ラップ車も少ないのでこのピットで
時間をかけて修復しておきます。


 ファイナル ステージ。タイ ディロンとクリント ボイヤーという
見慣れないトップ2で始まりますが、やがてマクダウル-ステンハウスの
ラインが形成されると、みんなそれに続いて徐々にシングル ファイルへ。
 マーティン トゥルーエックス ジュニアは、序盤前をうかがっていましたが、
シングルファイルになったら、とりあえずリスク回避で後方待機作戦へ。
彼は一度目の大事故を、ピットでペナルティーを受けて最後方にいたために
たまたま回避できたようで、まだ何かあると睨んでいるようです。

 ところが、105周目になると、トゥルーエックスが再び動きを見せ、
これに乗じて膠着を打開したい面々が動き始め、色々と動いたら
いつの間にかジミー ジョンソンがリードしています。
これは結構謎で笑えました。ちょっとダチョウ倶楽部的ですw
 残り40周とステージを2つに割ったところでジョンソンを含む
多くはピットへ、一方コース上にはステンハウス-マクダウルを含む
4人が残ってなぜか引っ張り、残り37周でピットへ向かいます。
台数が少ない方がペースは落ちるので、これは明らかに隊列の後方へ
落ちてしまいます。

 ところが、先に動いたジョンソンに違反発覚。車を動かして、
もうボックスから出ているのに、まだクルーがギリギリまで給油缶を
挿してるもんだから領域外での作業とみなされ、規則では
1周ペナルティーというかなり重たい罰則になっています。
 1周ペナは、アンダー グリーンではピットに入って、他の車がぐるっと
1周回ってくるまで待って再スタートなので、実質1周半ぐらい遅れて
ドラフティングを外れてしまい致命的です。

 ところが、チームが「映像見てくれ」とか言ってるうちに
カイル ラーソンのタイヤが壊れてステンハウスを巻き添えにクラッシュ。
コーションとなります。日欧のレースではペナルティーは
SC中は消化できませんがNASCARでは日常茶飯事。これでジョンソンは
1周を減算されるものの、フィールドの最後方に付けるので、次のコーションで
フリー パスを得る機会があり、ドラフティングにも入れます。
超ラッキーです。まあそもそもしょうもないミスしなければいいだけの
話だったわけですけど。

 残り32周、トゥルーエックスをリーダーにリスタート。
しかし4周後にD J ケニントンがスピン。当初グリーンで続行されましたが、
再始動できずに止まったので結局コーション。
 残り18周、トゥルーエックスとケインが1列目で、ここから
ケインが前に出てきます。しかしCM中にステンハウスとハービックが
接触してステンハウスのタイヤから白煙。
もちろんそのまま走れるはずもなく、残り11周でバースト。
これでジョンソンがフリーパスでリードラップに戻ってきました。

 残り6周でリスタート。もうルール無用の打ち合いな感じに
なってきますが、翌周にクラッシュが発生。事故多発でこれでとうとう
オーバータイムになります。

 一度目のOT。ハービックとトゥルーエックスの1列目で、それぞれ
ボイヤーとジョーンズ、助けになるドライバーを後ろに従えてのリスタート。
ジョーンズの大プッシュを得たトゥルーエックスが飛び出し、1周回って
ホワイト フラッグが振られる、、、直前にまた多重クラッシュ。
もはや焼け野原状態で2度目のOTへ。



 2度目はトゥルーエックスとジョーンズが並んでのリスタート。
これは若造は利用するだけして外される感じになるから、
トゥルーエックスがうまく切り抜けて、てなことを想像していたら、
リスタートでジョーンズの後ろのクリス ブッシャーが全然付いてこなくて
トゥルーエックスが大きく先行。あ、思った通り、とここまでは思いました。

 が、トゥルーエックスの後ろにいたケインが早々にターン2で外へ動いて
先を急いだせいでお互い失速、ジョーンズのターン3での大外刈りで
ケインはラインから外れて自滅しました。仕掛けるのが早すぎます。
 これでトゥルーエックスとジョーンズのサイド バイ サイドとなり、
お互い綺麗にサイド ドラフトを使いながらバトルしていたら、
最終周のバックストレッチで、リスタートで役に立たなかった
ブッシャーがどでかい一撃をジョーンズに加えてジョーンズ先行。
 そのままターン3でボトムに下りてトゥルーエックスをカバー。
逃げ切ってチェッカーを受けました。
 流れに身を任せていただけな動きでしたが、最後に強い運を
引き寄せました。


 昨年から既に何度か勝てそうなレースを見せていた、もっと言えば
代役ドライバーとしてスポット参戦した一昨年から才能は明らかでしたが、
思った以上に早い勝利で驚きました。
 周りのドライバーも素直に祝っている様子でしたし、これは
新しいスターが出てきた気がします。
 カップ シリーズの歴代最年少勝利記録は2009年に
ジョーイ ロガーノが記録した19歳1ヶ月4日ですが、
ジョーンズの22歳1か月7日は歴代6番目の若さです。
JGRの20番という共通点から『ロガーノ2世』的立場なわけですが、
ロガーノはその後思うように結果が出せずにペンスキーへ移籍、
いつの間にか悪役が板につきました。果たしてジョーンズは、
というところです。


NASCAR Cup Series 歴代年少勝利記録トップ20

1 Joey Logano 19歳1か月7日(2009年ニューハンプシャー)
2 Trevor Bayne 20歳0ヶ月1日(2011年デイトナ500)
3 Kyle Busch 20歳4ヶ月2日(2005年オートクラブ)
4 Donald Thomas 20歳4ヶ月6日(1952年レイクウッド)
5 Fireball Roberts 21歳6ヶ月24日(1950年オッコニーチー)
6 Erik Jones 22歳1か月7日(2018年デイトナ)
7 Bobby Hillin Jr. 22歳1ヶ月22日(1986年タラデガ)
8 Richard Petty 22歳7ヶ月26日(1960年サザンステイツ)
9 Jeff Gordon 22歳9ヶ月25日(1994年シャーロット)
10 Brian Vickers 22歳11か月14日(2006年タラデガ)
11 Bill Rexford 23歳2ヶ月16日(1950年キャンフィールド)
12 Ryan Blaney 23歳5ヶ月11日(2017年ポコノ)
13 Kurt Busch 23歳7ヶ月20日(2002年ブリストル)
14 Chris Buescher 23歳9ヶ月3日(2016年ポコノ)
15 Terry Labonte 23歳9ヶ月16日(1980年ダーリントン)
16 Junior Johnson 23歳10ヶ月9日(1955年ヒッコリー)
17 Parnelli Jones 23歳11ヶ月23日(1957年キトサップ)
18 Kyle Larson 24歳0ヶ月28日(2016年ミシガン)
19 John Kieper 24歳4ヶ月22日(1956年ポートランド)
20 Bob Burdick 24歳5ヶ月6日(1961年アトランタ)

書いてみたけど名前を知らない方、知らないトラック名が
けっこう出てきますね。改めて考えるとブッシュ兄弟ってすごい。
次戦はケンタッキーです。ジョーンズ連勝いっちゃえ!