2018 AUTOBACS SUPER GT Round4 Chang SUPER GT RACE
Chang International Circuit 4.554km×66Laps=300.564km
                    (GT300 Leader:61Laps)
GT300 class winner:GAINER TANAX GT-R  平中 克幸/安田 裕信
             (NISSAN GT-R NISMO GT3/GAINER)

 GT300クラスの第4戦タイ。直線番長かコーナリング車両か、
極端なやつが意外と強い、という印象のこのコース。
決して昨年までのように直線番長というわけではないですが、
相性の良い車とされるGT-Rが強さを見せました。GAINER TANAX GT-Rが
2018年型日産GT-RニスモGT3として、世界初勝利を挙げました。
まあ、今はまだほとんどデリバリーされてないせい、ってのもありますけど。

 こちらも雨がらみの予選でいくつか波乱。Q1ではスポット参戦の
est cola by AAS Motorsportが驚きの最速タイムを出します。
ベントレー コンチネンタルGT3+ミシュランという組み合わせ、
練習走行から速く、AASといえばタイのチームだと思いますが、
このイベント初年度にi mobile AASをエントリーさせ、異常な速さで
タイヤがパンクしなければぶっちぎりで勝っていたのを思いだします。

 しかし晴れたQ2では勢いは続かず。それでも10位と健闘しました。
PPはマネパ ランボルギーニ GT3とLEON CVSTOS AMGがまさかの
完全同タイムで、先に出したマネパがPP、のはずが、予選後車検で失格。
LEONがPP、2位Hitostuyama Audi R8 LMS、3位ARTA BMW M6 GT3。
4位にGAINER GT-R。速そうだなと思う車種がきちんと前に来ました。


 決勝ではグッドスマイル初音ミクAMGにトラブルがあったそうで
フォーメーション ラップに出る時点で最後尾へ。
 そして一つ山R8がスタート直後にLEONを抜いてトップに立ちます。
AASベントレーはターン3で早くも5位になっていますが、これは
スタート違反だったようでペナルティーを受けてしまいました。

 ただこの違反、限られたスタート映像を見た範囲ですが、
7位のはずの初音ミクがいないために4列目イン側が空位となり、
5列目イン側・9位のリーガルフロンティア ランボルギーニGT3は
目標物がなくてやや距離を空けた位置取り。
 一方ベントレーは目の前にいるModulo KENWOOD NSX GT3の後ろを
普通に付いて走っていたら、もうスタートの時点で位置的に前に出ちゃっていた、
というのが原因と思われます。
 もちろん、前ではなく横を見てスタートしなければいけなかったわけで
間違いなく違反ですが、スタート ラインまで抜けない、自分のボックスの
上を通過する、など独自のルールがいくつかあるGTのややこしい
スタート手順にさらに特殊要因が加わったので、ちょっと運が無かったかな、
とも思いました。結局彼らは14位でレースを終えました。

 トップ争いはR8にM6とGT-Rが追い付いて三つ巴状態。
R8は必死にトップを守りますが、ここに水を注したのがGT500の
GR-R同士討ち。接触で暴れたカルソニック IMPUL GT-Rが
R8にも接触してしまいR8にダメージ。結構なダメージで、結局
リタイアに追い込まれました。
 
 上位陣は比較的早いピット時期で、22周目に、この上位争いを後ろから
眺めていたSYNTIUM LMcorsa RC Fが、23周目にGANER GT-Rが、
24周目にはLEONがピットへ。ARTA M6はやや引っ張って29周で
ピットに向かいました。
 ピットとその後のペースでGAINERがかなり飛ばしたようで、
ARTAがコースに戻ると既に前方を走っていてアンダーカットすることに。
一方SYNTIUM RC Fは真後ろについて攻めましたが危うくぶつかりそうに
なりながらM6が順位を守ります。てことはこの2台はほぼピット
前後のタイムや作業時間がイーブンだったと思われます。

 ギャップを見ながら走っているようなGAINER GT-R。ARTA M6も
RC Fの攻撃を振り切ってやや落ち着いた展開かに思われましたが、
14位スタートだったTOYOTA Prius apr GTの31号車がコツコツと
ハラキリさんのように順位を上げてきていて、ピット後5位から
LEON AMGもSYNTIUM RC Fも抜いて3位。
 そして、ARTA M6にも追いつくと、2台がターン8あたりでもつれる
感じになってARTAがコースを外れていき、これでプリウスが2位です。
 原因は、どうやらターン7の縁石を跨いだ際に、ARTAの左後輪の
サイド部分が切れて空気が抜けてしまった模様。
ショーン ウォーキンショー、あと3周だったのに無念の緊急ピットです。

 レースはこのままフィニッシュとなり、GAINER GT-Rが優勝。
オートスポーツ誌にエンジニアが明かしたところによると、
何かしらヤバい問題があって、あと1周あったら危なかったとか。
 3位のSYNTIUM RC F、宮田 莉朋は早くもGT初表彰台を獲得。
18歳でのGT表彰台って最年少では?と思ったけど記録を漁る気力は
ないので、と思ってたら、彼のTwitterにこんなことが

帰りに知ったのですが、タイの表彰台は最年少記録だったようです」

やっぱりそうだったんですね。今後も期待の選手です。

 ウラカンはリーガルフロンティアとマネパが5位、6位。マネパは
最後尾からここまで来たので、違反が悔やまれます。
 違反の内容というのが、2次エアを吸い込んでいた、ということのよう。
エンジンは吸気リストリクターを通過した空気を使うことに
なっているので、それ以外の場所からこっそり空気を吸って
ズルしないよう、他からは絶対空気が入らないようにしないと
いけないんですが、どこかしらから入っていたと思われます。
以前鈴鹿で初音ミクに同じことが起こった記憶がありますが、
エンジン回りの部品に何かしら整備不良部分があったりすると、
偶然そうなることもあるようです。
まあ違反は違反ということですかね。それにしても、勝てる車だけに
もったいなかったです。


 地元凱旋のarto RC F GT3は15位フィニッシュ。今回は参加23台、
彼らより下にいるのは飛び出したりトラブルで止まって完走扱いの
人たちなので数字ほど戦えていない、ということにもなってしまいますが、
おそらくチーム史上最高位だと思います。
タイのお客さんにカッコいい姿を見せることができたのなら何よりです。