FORMULA 1 2018 AZERBAIJAN GRAND PRIX Baku
BAKU CITY CIRCUIT 6.003km×51Laps=306.049km
winner:Lewis Hamilton
(Mercedes AMG Petronas Motorsport/Mercedes F1 W09 EQ Power+)
F1第4戦は、昨年から時期が早まったアゼルバイジャン。国歌の歌詞で
アゼルバイジャンと繰り返すのが印象的( ゚Д゚)
開催1年目はヤバそうなレイアウトに反して何も起こらず、と思ったら
2年目の昨年は大荒れ。じゃあ今年は?となったら、やっぱりものすごく
荒れ果てました。GT SPORTの首都高サーキットと似た危険性を感じます。
有効ポイント制になったら出る人減りそうw
そんなレースを制したのはルイス ハミルトン。昨年チャンピオンを決めて以来
年を跨いで未勝利が続いていましたが、タナボタ的に勝利が転がってきました。
2018 Azerbaijan Grand Prix: Race Highlights
予選ではセバスチャン ベッテルがまたしてもPP。
2位にルイス ハミルトン、この並びは今年初めてです。
パンクして失速したブレンドン ハートレーに危うくチームメイトの
ピエール ガスリーが突撃しそうになる場面も。
中国で連絡ミスから接触したこの2人、状況的に、ガスリーが
レッド ブルの大事な金の卵、ハートレーはいつでも替えが効く存在と
いうような立場なのは明らかなので、非のあるなし関係なしに、何かあると
雰囲気が悪化しそうなので気になるところです。
決勝、風が強い上に気温も低く、タイヤ・ブレーキの熱に苦労しそうな
条件です。レコノサンス周回でもうっかりコーナーを通過する人多数。
決勝はスタート直後にやはりペナ祭り発動!

撮れていて、最近のカメラってすげ~な~と思うばかり。いや、そこじゃないか。
ライコネンは仕方なく、ここでSに履き替えてそのまま走り切る1ストップ作戦。
SC導入から6周目にリスタート。このコースでベッテル、ハミルトン、
というと、当然昨年のリスタート前に2台がぶつかった場面を思い返します。
やはりそれを意識しているのか、ベッテルは執拗に加減速を繰り返し、
第1SCラインギリギリでようやく加速開始。去年も書いたと思いますけど、
NASCARのリスタート ゾーンに相当するものをここでは設けるべきですよ。
リスタート後ベッテル、ハミルトン、バルテリ ボッタスの上位3台は
特に動きが無く、お互いに距離が離れていきます。
一方、その後ろにいたレッド ブルの2台は充電状態が悪いようで、
ルノーに抜かれて随分と遅いペースでの周回。
どうしたんでしょうか?
レッドブル2台はこの後何度か激しく争うことになり、
12周目にはタイヤ同士が接触するなどちょっと危ない感じです。
15周ほどするとこの2台もペース回復。上位勢はSSスタートで、
願わくばSSで30周以上まで引っ張り、残りをUSで走り切りたい展開です。
22周目、5秒程度の差を少しずつ詰め始めていたハミルトンでしたが
ターン1でロックして飛び出てしまい2秒ほど損失。
タイヤを傷めてしまったので、仕方なくSS→Sと繋いでしまいます。
ただ、路面温度が低いのでSは温度を入れるのが大変と思われます。
残る人たちはタイヤが崖を迎えるかSC待ちという状況。
レッドブル2台はここに来ていいペースで走っていますが、同時に時々
まだやり合っています。
ベッテルは30周を終えてピットへ。USは選ばず、ハミルトンに合わせて
Sを選択しました。個人的には、ボッタスがまだいいペースで走っていますし、
Sに替えたハミルトンがそんなに速いとも思えないので、
下手にSを選ぶと終盤USを履いたボッタスに追われる恐れがあるため、
あまりいい判断だとは思いませんでした。
レッドブル勢は、ライコネンより前でピットを出れるところまで
リードを築いた上で、前にいるダニエル リカルドから37周終わりでピットへ。
こちらはUSへの交換です。
翌周にマックス フェルスタッペンも入ると、オーバーカットしてしまいました。
やはりタイヤの熱がすぐ入らなくてペースがすぐ上がらない模様。
なお、川井 一仁が「リカルドの第3セクターが自己ベストより1秒遅かった」
と離していましたが、セクター3の自己ベストのタイムはDRSを使って
スリップストリームも使った周回に記録されている可能性が高いので、
単独走行で出したタイムがそれより遅いのは普通のことだと思います。
ただ、このオーバーカットが結果的に悲劇を生むことになってしまいました。
40周目のターン1、DRSを使って抜きに行ったリカルドが
フェルスタッペンに突撃してしまいました。。。
レース後のリカルドは、イギリスのテレビ局・sky sportsのインタビューに
「僕としては、イン側にギャップができたと思った。そして飛び込んだ後は
進むしかなかった。チームの皆がどういう気持ちでいるかを考えると、
胸が張り裂けそうだ。今はチームに誠心誠意謝るしかない。
こんな状況に陥りたくなどなかった」
と答えたそうです。スチュワードからはレース後両ドライバーに戒告。
ただ、どうやらパドック内での見方はフェルスタッペンがそもそもの
発端との見解がやはり多い様子です。
オートスポーツweb
F1 Topic:フェルスタッペンの巧妙ブロックに対するパドックの意見は?
個人的には、追突そのものは、完全にリカルドの判断ミスが原因だと思います。
ただ、なぜ彼が追突したのか、と考えると、そこにはフェルスタッペンが
ギリギリで進路を変えることを繰り返し、このレースでもそうした動きが
見られたことから、リカルドは
「単純に外に振ってもきっと外に釣られて動いてくるだろうから、
そこにもう一動作入れないとぶつかるんじゃないか」という
先読みがあったのではないかと思います。
ところが、実際はフェルスタッペンは大きくは車を動かさず、
言うなれば「フェイントに誘われたふり」のような動きで、
リカルドが先を読んだことを見越した先を読んだような状態でした。
そもそもフェルスタッペンがギリギリの進路変更を日常的にしていなければ、
リカルドがあんなスイッチング ムーブをする必要性がそもそも無いので
追突なんて起きてないんじゃないか、と思う部分は大いにあり、そういう点で
ただリカルドを責めればいい話ではないと思います。
「危険が伴うモータースポーツでは相手を敬う気持ちが大切だが、
彼にはそれが欠如している」というボブ ファーンリーの意見は、たとえ
ゲームでも大事にしないといけない部分、確かにフェルスタッペンの今年の走りには
欠けた部分が見られます。
前日のFEでのアンドレ ロッテラーの動きもそうです。
正直、これを続ける気なら、レースなんて2度と出てはいけないと思います。
さて、この大事故でSC導入。コース上を黙々とSC待ちしていたボッタス、
これで労せずしてUSへ交換しながらリードを守ることができます。
ステイ アウトしたって順位を守れないベッテルも、ハミルトンもUSへ。
タイヤの熱が全く保てないのでドライバーからは不満噴出。
44周目からSC退出、と思ったら、ロマン グロージャンがクラッシュ。
「ノー!ノー!」と「エリクソンが当たったと思う」とグロージャン。
ですがリプレイを見ても単にウエービングしててズラ踏んだだけに見えます。
エリクソンは北欧の人なのですんごいラグが出てたんでしょうか^^;
これでさらにSCが長引き、なんと残り4周でリスタート。
ボッタスは随分と早いタイミングで加速しひとまず不意打ち成功。
ハミルトンは逆にベッテルにうまく合わせましたが、合いすぎて
第1SCラインより前に抜きそうなので自重せざるを得なくなります。
そしてストレート終盤で追いついたベッテルが思い切って突っ込んだものの、、、
冷えたタイヤ&ブレーキで止まれず逆に4位へ後退。
これであとはボッタス、ハミルトンの争い、と思ったら、なんと49周目の
ターン1を前にボッタスの右リア タイヤが突然パンク。
なんと落ちていた破片を踏んで急に空気が抜けて壊れました。
これでタナボタでハミルトンがリード。ライコネンは追えず、
思わぬ形でハミルトンがアゼルバイジャンで優勝。
これで未勝利のコースをまた1つ潰し、現行カレンダーだと、
今年フランスが復活したためフランスだけが空白という事実上の
全サーキット制覇になりました。
そして、これで選手権リーダーにも浮上です。結構意外かも( ゚Д゚)
ライコネンに次ぐ3位にはセルジオ ペレス。
8位スタートからうまいことすり抜けて、最後はタイヤをロックさせて
手負いのベッテルを抜いてきました。
完走扱い14台という荒れたレースでザウバーのシャルル ルクレールが
驚きの6位、ハートレーも10位で1点獲得できました。
最後のパンクは、たぶんリスタート後にあそこで部品を撒いた人は
いないでしょうから、たぶんSC中も落ちていたものでしょう。
確かにコースが長いし、マーシャルさんもそんなに慣れてないだろうし、
落ちてる破片ってうまーく掃かないと全然掃除できない結構難易度の高い
ゴミなんですが、それでもあれだけ長いSCランだったのに見事に落ちてて
コース上の車に影響を与えてしまった、というのは運営は反省しないと
いけないと思います。
まだストレートの終わりで、うまく減速しつつタイヤが壊れていったので
良かったですが、場所や壊れ方次第では、ブラインドで高速のセクター3に
スピン状態のクラッシュ車両がコースを横断し、死亡事故に
繋がった可能性すらあります。
ハミルトンだったか途中無線がありましたが、グロージャンの自滅で
SCランが長引いた時点で一度レースを止めるべきだったと思いますし、
例えば赤旗にも、タイヤの交換のみを認め、それ以外の整備やドライバーの
車外への移動は認めず、数分以内に再開する予定の
クイック レッドのようなものを別に規定しておき、こうした、
大事故や大幅なコース補修は必要ないものの、回収作業・清掃がし辛いから
時間を少し要してしまう場合への対策も用意しておく必要があるのでは
ないかと思います。
次戦はヨーロッパへ移動してスペインです。