Monster Energy NASCAR Cup Series
Folds of Honor QuikTrip 500
Atlanta Motor Speedway 1.54miles×325Laps(85/85/155)=500.5miles
winner:Kevin Harvick(Stewart Haas Racing/Jimmy John's Ford Fusion)
MENCS第2戦、再舗装するする詐欺のアトランタです。
今年は雨で2時間半ほど開始が遅れて引き続き曇り空。
参加台数も36台でグリッド上の景気も曇り空(._.)
しかしケビン ハービックの走りは快晴そのもので、前日のNXSと共に
この週末を完全制圧。アトランタでは実に2001年以来となる優勝を果たしました。
今年はどうやらハイライトがすぐアップされ、フル配信の再放送もレースの
数日後に開始されるようです。日本時間の水曜日にアップされてれば、
ポイントレースが無い日に見れるのでありがたいんですが。
PPはカイル ブッシュ、2位が意外にもライアン ニューマン。
ハービックは3位からのスタートです。
雨があったので30周でコンペティション コーションが設定された最初のスティント、
ハービックはあっさりとリードを奪うとすいすい逃げていきます。
路面状況はこの後どんどん変化していくので、そこに合うかが問題ですが、
少なくとも序盤は明らかに速そう。
ピットではハービックのクルーが今年のピット規則のお手本と言える動作を披露。
給油の人は給油しかしちゃだめ、と言いつつタイヤを蹴るのは黙認。
さて、今後どんなインチキが発明されるでしょうかw
舗装が荒い上にラバーが流れたので多くのドライバーはルース気味で苦戦。
ハービックは独走で、他に速そうなのはクリント ボイヤー、
ブラッド ケゼロウスキー、マーティン トゥルーエックス ジュニア、カイル ブッシュ、
カート ブッシュ、あたりの顔ぶれ。
ステージ1はハービックがそのままぶっちぎりました。
ところが、ステージ後コーションのピットでハービックにトラブル。
ステージ勝者にジェフ ゴードンが無線インタビューしようとしますが、
問題があるから、と切られてしまいました。
今年から統一化されたレンチが壊れていてちゃんとナットが締まらなかった模様。
この後も他チームで同様のトラブルが散見され、品質管理の徹底が求められそうです。
これでハービックはリード ラップ最後尾へ後退。
開幕戦からステージで勝つとなぜかピットで後ろに下がりますね。
ハービックの去ったステージ2はケゼロウスキーがリード、と思ったら
なんと兄ブッシュがこれを抜いてリーダーに。
SHRの車そのものがかなり良さそうです。しかし、消えたと思っていた
ハービックはあっという間にここまで追い上げ、ピット サイクルを終えると
あっさりリーダーへ復帰。
そしてこのままハービックがステージ2も、と思った159周目、
ジミー ジョンソンが単独スピンでコーション。右前タイヤがきつすぎて
耐えられなかったようです。元々競争力が足りず周回遅れになっており、
はたしてこうした状況はたまたまなのか、あるいは衰退の始まりなのか。
個人的にはまだまだ衰えてほしくないので、たまたまであると思いたいです。
ジョンソンが強すぎても面白くないかもしれないけど、ジョンソンが
強くないカップ戦もまた面白味が欠けてしまいます。
ステージ残り7周のリスタート、ピットで2位に落ちてしまったハービックは
リスタートで失敗し、ケゼロウスキーがステージ2を取りました。
ハービックは前日のNXSを完全制覇しており、この週末5ステージ目で
初めてステージ勝利を逃したことになります。
ステージ3、約150周のレースは、2ストップか3ストップか、というのが
1つ考えどころでした。
兄ブッシュをリーダーに始まりますがやがてケゼロウスキーがリードし
ハービックが追う展開。クリーン エアーが得られない状態では
互角の争いでしたが、一度目のピットでハービックがアンダーカットすると、
もう手が付けられない状態に。
タイヤがかなり厳しいのでほとんどは3ストップで、主だったところでは
デニー ハムリンとジョーイ ロガーノが2ストップを選択しました。
この頃わずかながら雨粒も落ちていたので、作戦の違いで前にいるときに
雨が強まってコーションになれば、そのまま終了で優勝、ということもあり
思い切った戦略に出たようですが、期待の雨は降らず、コーションすら
出ないままレースは終盤。
各車が最後のピットを終え、ハービックはハムリンのすぐ後ろで復帰。
まあ、ハムリン的にもハービックに自力で勝つための作戦では無いので
抜かれるのは織り込み済みでしょうが、残り29周でトレバー ベインの
エンジンが壊れてコーション発生。これで作戦をズラしたおかげで2位を
奪い取った形となり、一応作戦的には成功となります。
あまりにハービックが快走するもんでこの時点でリードラップ車は9台しかおらず、
つい1時間ちょっと前はリーダーだった兄ブッシュがフリー パスを手にすることに。
ハムリンはピットで1つ順位を落としたものの、外側のリスタートが
不利そうなので、逆にこれは好都合か?と思って見ていると、
2位のケゼロウスキーもまあまあの蹴り出しでターン1で並走されてしまい
2位浮上の機会を損失。この後は特に何も起こらず、ハービックが
『ほぼ完全優勝』を果たしました。
ハービックはアトランタでのここ5戦で全体の周回数の55%をリードし、
少なくとも116周以上リードしていましたが、勝ったのは2001年以来。
その2001年というのは、デイル アーンハートがデイトナ500で命を落とし、
その代役としてハービックが新人で後任を引き受けた年でした。
3番からリナンバーされた29番でいきなりの優勝、そしてハービックは
窓から指で『3』を示し、亡きアーンハートに捧げました。
それ以来のアトランタ勝利で、ハービックはまた『3』を天高くつき上げました。
今は3番もコース上にいるわけですが。。。
なお、アトランタでNXSとMENCSのスイープを達成したのは2005年の
カール エドワーズ以来史上2人目です。
Mobil 1 the Gridでちょうどハービックのインタビューがありましたが、
昨年はフォードに変更した1年目で車への理解がなかなか進まず苦労していて、
それがプレイオフのテキサスで勝ったところでようやく何か掴んだような
話をしていました。
その言葉通りといえるSHRの好調さで、今年4人のドライバーはいずれも
注目すべき存在となりそうです。
最終的にリードラップ車は13台。そのうちフォードが7台、トヨタが4台、
ヘンドリックの苦戦がもろに影響してシボレー勢はなんだか元気がありません。
ベース車両の変更と言っても多くは外観上の変更にすぎないわけですが、
重箱の隅をつついてつついて、もう何もないだろうというところからまださらに
もう1回つつくぐらい細かいレースですから、その外観だけのちょっとした違いでも
セッティング面で大きな苦労があるのかもしれません。
次戦はラスベガス、ジョンソンにそろそろ頑張ってほしい!