ABB FIA Formula E Championship
Marrakesh E-Prix
Circuit International Automobile Moulay El Hassan 3km×33Laps=99km
winner:Felix Rosenqvist(Mahindra Racing/Mahindra M4Electro)
FE第3戦はモロッコのマラケシュ。このレースを前に、フォーミュラEは
スイスの重電企業であるABBと冠スポンサー契約を締結しました。
益々FEの世界的な地位は向上していきそう。
バッテリーもいずれは全個体電池を義務化すれば開発もはかどりそうですが。。。
また、ドラゴン レーシングはニール ジャニに代わってホゼ マリア ロペスが加入。
ドラゴンはポルシェが参入した際に受け皿となって吸収されるであろうと
されており、ポルシェのドライバーとしてLMP1で活躍したジャニの加入は
その下準備と目されていましたが、ジャニはたった2戦に出ただけで
FEを去ることになりました。
WECにリベリオン レーシングから参戦することが発表され、こちらに
専念するという話ですが、同じくリベリオンから参戦のアンドレ ロッテラーは
FEにも出てるので、実際は何か他の理由があったんじゃないかと
勘繰りたくもなります。
レースの方はフェリックス ローゼンクビストが前戦に続き連勝。
香港ではレース後に結果が変わって繰り上げ優勝でしたが、今回はきっちりと勝って
表彰台の中央に上がりました。
予選ではセバスチャン ブエミがPP獲得。
サム バード、フェリックス ローゼンクビスト、と続き、ロペスがいきなり4位。
5位にルーカス ディ グラッシで上位に有力者が並びました。
序盤戦は順位通りの流れ、半分常設サーキットで比較的走りやすい
マラケシュなのでカオスな展開にはなりません。
7周目、4位に浮上していたディグラッシがトラブルで脱落。
「レースではフェリックスと同じペースで走れていたと思うんだ。
勝てなくても最悪でも3位にはじゅうぶんなれたと思うんだ」とディグラッシ。
3戦連続無得点でチャンピオンは苦しい開幕からの流れです。
チームメイトのダニエル アプトも序盤に接触してペナルティーをもらい
10位止まり。チームとしても厳しい展開が続きます。
ピットが近づいてきた16周目、ローゼンクビストがバードを抜いて2位に。
バードにはギアのトラブルが出たようで、あっさりとローゼンクビストが
抜いて行きました。
さらに、うまくマネージメントしているらしいローゼンクビストは
ブエミにも近寄って、次の周にピットへ、というタイミングの17周目に、
コース脇にトラブルで止まったアンドレ ロッテラーの車を回収するため
FCYが宣言されます。
ピットではブエミ陣営が制限ギリギリの45.3秒のピット時間で
再びローゼンクビストとの差を築いてFCYが解除されますが、
ローゼンクビストのペースは安定しており、ブエミの横綱相撲、とはなりません。
ややバッテリーを余らせながら、最後に勝負をしそうな雰囲気のローゼンクビスト。
電力消費を抑えつつもブエミに少しずつ接近していきます。
バードは離されてしまいました。
残り5周となる29周目、ここでなんと車載映像が映し出される中
ローゼンクビストがあっさりブエミを向いてトップに。
おそらく、最後に仕掛けられることを警戒し、まだ来ないと思って
早めにリフト&コーストしたブエミに対し、ローゼンクビストが
タイミングよく飛び込んだ感じだと思います。
ブエミはファン ブーストを持ってはいましたが機能しなかったか使う余地も
なかったか。レース前にトラブルがあって、1台目と2台目を予定と入れ替えた、
とかいう話でしたが、うーん、FEって割とみんな何かしら問題は起きてるから
ちょっと言い訳がましかったかな?
これでローゼンクビストが選手権リーダー、チームでも引き続きマヒンドラが
トップに立ちます。
ローゼンクビストは何でF1にいないのか不思議でしょうがないドライバーなので
この活躍には納得。マヒンドラもよく開発をしていると思います。
ローゼンクビストにはトヨタ勢からSUPER GTに出るという噂もあり、
個人的にはジェンソン バトンよりよほど期待しています。
パナソニック ジャガー レーシングのネルソン ピケは4位で最速ラップを記録。
最終的にトップと6秒差は立派な結果で、チームも向上しているし、
ピケもまだまだ戦えるドライバーだと印象付けました。
さて、この後はマラケシュで新人限定テストが行われます。
まだFEに乗ったことが無い人だけが出れるテスト。
来季から参戦する日産が高星 明誠が送り込まれます。
他にも結構すごいメンツがいて、マクラーレンの育成ドライバーである
ニック デ ブリース、昨年FIA F3で年間3位のマキシミリアン ギュンターといった
若手ドライバーの他、DTMでおなじみのゲイリー パフェッツ、
ダニエル ジュンカデラ、ポール ディ レスタ、ブルーノ シュペングラー、
ニコ ミュラー、日本のレースでなじみ深いアンドレア カルダレッリ、
ジェームス ロシター、フレデリック マコビッキー、アレキサンドレ インペラトーリ、
エマーソン フィッティパルディーの孫であるピエトロ フィッティパルディーなど
色んなドライバーが参加予定。
もはやドライバーにとってもFEのシートは無視できない存在になってきています。
ただ、実際乗るとすんごい難しいので、この中で何人が就職するのかは
全く分かりません。