FIA Formula E Championship
再開手順、再開時の順位の確認などに時間を要して30分ほど中断し
HKT Hong Kong E-Prix
Hong Kong Central Harbourfront Circuit 1.86km×43Laps=79.98km
winner:Sam Bird(DS Virgin Racing/DS Virgin DSV-03)
F1が終わったらFEが始まりました。シームレス ギアボックスのようです^^;
今季も開幕は香港から。去年は1戦でしたが今年は土日の連戦です。
毎年ちょこちょこアップデートされて、現在1.12ぐらいなFEですが、
来年から大きく規則が変わるので、今年は1つの区切りのシーズン。
そんな開幕戦を取ったのはサム バードでした。
このレース、MS&AD アンドレッティー フォーミュラー Eは
正ドライバーのはずのトム ブロンクビストではなく、小林 可夢偉が
スポット参戦。MS&ADは日本の会社ですし、アンドレッティーと言えば、
インディーカーの方で佐藤 琢磨を結果的に放り出すことになったので、
日本の方への忖度でしょうか。
※マイケル アンドレッティーは多少なりともお金を工面しようと
来季のエンジンをホンダとシボレーで天秤にかけたため、シボレー転向で
シートを失う恐れのあった佐藤は移籍を選択せざるを得なかった
予選ではジャン エリック ベルニューがPP獲得、バードが2位。
昨年まで圧倒的だったセバスチャン ブエミは9位、チャンピオンの
ルーカス ディ グラッシは6位とやや見慣れない光景。小林は13位で、
1つ前にはこちらも日本でお馴染みの”新人”アンドレ ロッテラーがいます。
スタートから相変わらずガシャガシャとぶつかりながらも大きな
事故はありませんでしたが、直線→ヘアピン→直線→直角、と続いた後の
非常に狭いシケイン・ターン3~4で事件発生。
ここでもみんなぶつかりつつ走りますが、そんな中行き場を失った
ネルソン ピケが、普通のフォーミュラーならどう考えても乗れない高さの
縁石を乗り越え、それを外で避けようとしたロッテラーが曲がり切れず停止。
道幅が狭すぎて後続車が誰も動けなくなり、道が通れないという理由で赤旗に。

SCでレース再開。
ここからはベルニューとバードの一騎打ちとなります。
どちらかというとイケイケ型のベルニューとマネージメントも一発も速いバード。
チームメイト時代にたびたび接触して揉めたせいで片方が放り出されたというのが
本当かどうか分かりませんが、今日は明らかのバードが上。
後ろからつついてミスを誘いつつ相手にエネルギーも神経も使わせると、
19周目にフェイントをかけて意表を突いた追い抜きで前に。
抜いた後もすぐに引き離した上に、ピットもベルニューより1周遅い=
電池残量に余裕がある内容でした。
ベルニューはピットから「ボックス、ボックス、確認して」と
何度も言われていたので、無線の調子が悪かったかもしれません。
実際多くのドライバーが無線の問題を抱えていたようです。
高層ビルが多い大都会ですからね。。。
が、バードがピットでまさかのミス。グリップが低いピット上で
車を止めることができず滑走。本来止めないといけない場所を通過し、
危うくクルーを跳ねかけます。
とりあえず実質的なトップで戻りますがこれは審議対象。
一方ベルニューはニック ハイドフェルドに追いかけ回されて
2位を守るので精一杯。しかしさっき一回フェイントにハマったので
鬼ブロックを徹底し、ハイドフェルドは抜くことができません。
そうこうしているうちに、やはりバードにペナルティー。3位以下とは
ギャップがあるので3位では戻れるか、と思いきや、、、なんと
ベルニューの前でコースに復帰(´・ω・`)
FEのコースって、通常のサーキットでは無いのでピットの位置関係が
開催地によってばらばらで、コースを大きくショートカットしていることもあれば、
すんごい遠回りなときもあります。
で、香港はコースを短絡していて、元々スピード域の低いレースでもあるので、
50km/h制限のピットを通過して7秒もいかない損失だけで済んでしまい、
築き上げたリードを吐き出すだけで済んでしまいました。
こっちも無線が不調で自分が何位か分かってなかったらしいですが。
バードはさっさとまた逃げ始め、ベルニューはブロック一本。
今日のバードは誰にも止められず、そのまま逃げ切って開幕戦を制しました。
ディグラッシとブエミ以外のドライバーが開幕戦で勝つのは初めてです。
どこかで抜くだろうと思ったハイドフェルドはとうとう抜けずに3位。
これで開幕戦は3年連続の3位ですが、ベルニューのブロックの仕方に
ご不満の様子。
4位はマロ エンゲルでしたが、レース中のエネルギー過剰使用
(規定上限の180kw以上の出力の使用)でペナルティーを受けてしまい、
NextEVからパナソニック ジャガーに移籍したピケが4位。
ディグラッシは第1スティントでブエミと激しく争った末にサスペンションを
壊してしまい、一応2台目に乗り換えて完走も17位。
ブエミも途中いきなり電源は落ちて11位といずれも無得点。
まだ1戦しかしていませんが、昨年終盤の流れを引き継いで、数チームが
常に優勝を争えてブエミ×ディグラッシだけにはならない面白いレースが
期待できる気がしました。
可夢偉は15位フィニッシュ。すごくピットを引っ張っていたので
どんな作戦かと思ったら、こちらも無線の不具合で状況が分からず、
モニター情報を頼りにマネージメントしていたら、その表示が
数周長い設定を基にしていたため”電費走行しすぎ”の状態に。
結果、エネルギーが「腐るほど余った」状態になったとのことで、
力を出すには程遠かったようです。
無線の問題はそうそう直らないでしょうから、日曜日も各チームは
駄目な場合の対応に迫られそうです。