2017 FORMULA 1 UNITED STATES GRAND PRIX Austin
CIRCUIT OF THE AMERICAS 5.513km×56Laps=308.405km
winner:Lewis Hamilton(Mercedes AMG Petronas Motorsport/
                                                                  Mercedes W08 EQ Power+)

 Let's get ready to Rumbleeeeeeeeeeeeeeeeee!
マイケル バッファーやっぱいいですね。通常のスケジュールを崩してまで
ドライバー イントロダクションとかアメリカはやることが違う。
違いすぎて番組予約した時と予選スケジュールが変わって
予選録画できなかったんだけど^^;
ボクシングもNASCARも見てない人にはさっぱりですが、彼は
アメリカで超有名なリング アナウンサー。
Let's get ready to rumble!は彼の登録商標になっています。

 さて、ルイス ハミルトンが大得意なアメリカ。今年もまたハミルトンは
強く、速く、チャンピオンに確実に近づきました。


 予選ではハミルトンに敵なし。ここ最近のハミルトンの予選での
組み立てはまた一段と見事に感じます。ミスなくタイムを出しつつ、
1回目から2回目、2回目から3回目と、足りなかった部分をさらに削り取っていく
職人技のようです。

 ルノーに電撃移籍のカルロス サインツとニコ ヒュルケンベルグの対決を
楽しみにしていましたが、ヒュルケンベルグはグリッド降格があるせいか
Q2を走らなかったので対決はお預けに。ただサインツは予選8位。
ヒュルケンベルグは数字上今季初めてチーム内対決に敗れたということに
なるそうですが、走っていてもどうだったか、というところ。


 決勝は今回もPCを横に置いて珍しく北米ラウンドを生観戦。
(だから深夜にマッキーさんのコメントに返答してました)
 決勝までの間に雨が降ってラバーが流れたそうで、NASCARなら
コンペティション コーションが入る状態。フラッグを振るウサイン ボルトあぶねえw

 演出の応酬の後のスタート。2位のセバスチャン ベッテルの蹴り出しが良くて
ターン1でハミルトンをインから抜きます。
高速S字があるコースなので、前に出て乱気流を浴びせてハミルトンを
弱らせればベッテルにもチャンスありかと思いましたが、ハミルトンのペースは
速い上に裏ストレートで抜けるレイアウトなので、6周目にあっさりと
ハミルトンがベッテルを攻略。ベッテルは少しずつ置いて行かれます。
 逆にバルテリ ボッタスはスタート直後は離されていたのに、このあたりから
ハミルトンと同じペースでの走行でベッテルに迫り始め、ベッテルは
銀色の矢に挟み撃ち。

 ダニエル リカルドは12周を終えてピットへ入り、2ストップを思わせる動き。
ところがその2周後にトラブルでリタイアに追い込まれます。
昨年もマックス フェルスタッペンがピット直後にトラブルで止まっており、
謎の呪いにかかっているんでしょうか。
呪いと言えば、なぜかアメリカではリタイアが続いているヒュルケンベルグが
決勝でもさっさとトラブルでリタイアしてしまいました・・・

 ベッテルもペースが落ちてきたうえにボッタスも迫っているので
状況打開のため16周と早めにピットへ。ソフトは40周はもつだろう、
ということで1ストップで長ーい距離を行くことになります。
 その頃ハミルトンは無線で「タイヤは良いよ。スティント伸ばせるよ」
ただ、伸ばしてるとアンダーカットされますからそんなに伸ばし続けるわけには
いかず、19周を終えてピットへ。ところが、ピットを出ると
ベッテルはすぐ真後ろに。作業時間2.3秒という高速ピットでも
思わぬ接近に、ハミルトン思わず
「おい、ちょっと近かったぞ、なんであんな近づいたんだ」
ピット作業が手間取って3秒台とかだと際どかったと思うので、メルセデスは
よほど作業に自信を持っていたんでしょうか。
片やベッテル、チームからはダッシュの温度情報を読み取るよう言われますが、
「遠すぎるよ・・・すまない・・・遠すぎる・・・」
 たとえタイヤを潰して2ストップを余儀なくされたとしても、とにかく
ここで前に出る以外にできることがなかったベッテルですから、全力で攻めて、
出てきたハミルトンにも精一杯動きで揺さぶりをかけて、それでも全く
動じることなく逃げていく銀色に対して思わず出た言葉ではないかと推察します。


 暫くは3秒台の差で耐えていたベッテルですが、やはり少しずつ離れていき、
むしろベッテルより、タイヤが3周新しいボッタス、4周新しいキミ ライコネンの方が
ペースが良くて3台が接近していく形に。
 さらに、グリッド降格で16位からスーパー ソフトでスタートした
フェルスタッペンがコース上で抜きまくって、ピットも引っ張って、
第2スティントは最速の1台に。この3台に対してどんどんと追いついていき、
2位争いが混戦の様相を呈します。
このあたり、タイミングを見ながら観戦すると分かりやすいなあと感心。
ただ、決定的場面を見落とさないよう注意も必要ですが。


 ベッテルは無線で「プランB?」と、2ストップの可能性をにおわせ、つまり
タイヤが厳しい模様。
やがて2~5位が1つの映像に入るようになり、ベッテルに対しエンジニアの
リカルド アダミは「耐えてくれ。ボッタスの後ろにキミが来て争いになる」と、
援護射撃に期待するよう伝達。
 一方、空気を読まないマックス君は追いついた37周目に、バトルに入ると
思いきやピットへ。後ろのエステバン オコンとは大差があって順位が変わらず、
ちょっとペースが良くてもこの車では抜けないので、いっそタイヤを替えてやれ、
という失うものが無いが故の攻撃的作戦です。

 すると、これを見てベッテルも翌周ピットへ。ベッテルの場合は2つ順位を
失うことにはなりますが、ジリ貧で耐えるより、新しいタイヤで
ボッタスだけ抜いて、あとはキミに譲ってもらう作戦でしょう。
1周判断が遅れるとフェルスタッペンにアンダーカットされてしまうので、
入るとすればこの周しかありませんでした。
その頃ハミルトンは「タイヤは良いよ」別世界ですね。

 もうボッタスとライコネンは今さら入ってもアンダーカットされるので
あとはただ頑張るのみ。
 どうせライコネンは抜けないだろうと思っていたんですが、42周目、
ライコネンが裏ストレートでボッタスを抜いて2位浮上。
いやあ、またぶつかるのかと^^;
 50周目、ボッタスの後ろまで追いついてきた2ストップの2人。
ベッテルはターン1で外から仕掛け、ボッタスと、周回遅れの
ストフェル バンドーンの間を抜けていくスリリングな動き。
ボッタスはバンドーンが気になって不用意に外をがら空きにしてしまった印象です。
あの辺の瞬時の動きにベッテルの巧さを垣間見ます。彼は決して
抜くのが下手でレッドブルの速い車で先行逃げ切りができたからたまたま
チャンピオンになれただけのドライバーなどではありません。

 ベッテルはすぐライコネンの譲ってもらって予定通り2位に復活、
フェルスタッペンは52周目の裏ストレートでボッタスに仕掛け、コース外に
押し出し。おいおい、と思ったら一旦引いて、その上で直後のクロス ラインで
再びの追い抜き。リプレイの車載を見たら、引いたんじゃなくて
シフトアップ時に「ガタン」って変な振動があったんでギアが渋ったような
動きで失速したっぽいですが、あれそのまま抜いてたらペナルティー出た気がするので、
結果的に抜かれてよかった気が。だから押し出しを正当化はしませんが。


 そして驚愕は最終周、もう抜くところはないなと思った最終セクター、
高速のターン16で、定石通り外からアプローチしようとしたライコネンの
がら空きのインにいきなり入ってインベタで抜いて行くゲームのような
まさかの追い抜き。レース終わったらもう一眠りしてから
朝飯食べようと思ってた私の目が覚めました。まあ寝たけど。


 優勝ハミルトン、チェッカーのギリギリまでテレビに映らず。
フェルスタッペン3位で大喜び、と思ったら、あっさりと文字情報で
5秒ペナルティーの文字。3位はライコネンの手に。
イン側に入った際、4輪とも白線の内側に入っていたのでコース外走行で
不正に順位を得た、ということのようですが、部外者で関係ないとはいえ、
メルセデス陣営のニキ ラウダが判定に疑問を呈するなど、すっきりしない
終わり方でした。
 厳密にルールを取ったらそうなのかもしれませんが、だったらその前の
押し出しがペナルティーでしょうよ。
インから入って得したって言われても、あそこにインからアプローチして
曲がるという行動が、シケインを真っすぐ突っ切る行動とは全く
意味合いが違うことを考えると、しゃくし定規に罰して良いものだったのか、
ちょっと疑問でした。


 表彰式のトロフィー授与者に元大統領のビル クリントンが現れましたが、
レディー トゥ ランブル ボクシング ラウンド2というゲームの隠しキャラに
ミスター プレジデント、という名前のクリントンを模したキャラが出てきます。
題名から分かる通り、このゲームにはバッファー氏も登場しており、
なんか妙な共演だなと勝手に思っていました。↓参照
 ボッタスはやたら抜かれて最後はピットに入り、良い週末とは
行きませんでした。ハミルトンとの差に悩んでいるという話で、
車の良い部分をなかなか出せずにハミルトンと差が付き、差が付くという現実が
また精神的重圧になり、という連鎖に苦しんでいるようです。
W08は速いけどボッタスがイマイチなのか、ハミルトンが120%性能を
引き出せるほど車と合致していて、そもそもの戦闘力は実はこれぐらいなのか、
どっちなんだろうと最近思います。シャア専用ザクって普通のパイロットが乗っても
普通の指揮官用ザクにチューニングした程度だからそんなに大差ないんですよね。

 失うものがなかったから、とはいえフェルスタッペンを見るとレッドブルの
ペースはかなり良かったんだと思います。後方スタートなので、
1周目の時点ですでにハミルトンと9秒差、11周目には18秒差でしたが、
最終的には11秒差、もちろんハミルトンはペースを抑えていますが、
順位を争って必死に走っていたベッテル、ライコネン、ボッタスを凌駕していたと
思うので、抜けないことを除けば、このレースで2番目に速い車は
レッドブルだったのではないでしょうか。

 次戦はメキシコです。メキシコといえば覆面レスラー、レスリングと言えば
リングアナウンサー、リングアナと言えば、あれ?
もう出てこないかw