Monster Energy NASCAR Cup Series
Apache Warrior 400
Dover International Speedway 1mile×400Laps(120/120/160)=400miles
winner:Kyle Busch(Joe Gibbs Racing/M&M's Caramel Toyota Camry)
MENCSプレイオフ第3戦、ラウンド オブ 16の最終戦ドーバー。
最初の4人の脱落者がここで決まります。
ドーバーということもあって荒れていくレースになるのかと思いましたが、
本日もレースは随分とスムーズな進行。
そして、チェイス エリオットが悲願のカップ初優勝!まであとわずかのところで
カイル ブッシュが無慈悲に勝利を奪い取っていきました。
PPはマーティン トゥルーエックス ジュニア。並んでカイル。
一旦はカイル ラーソンがリードしたものの、ロング ランでトゥルーエックスが
再逆転するお馴染みの展開で、コーションが出ることもなく
ピット サイクル開始。
特に気にする様子もなく各陣営が80周を超えたあたりからピットに入りますが、
86周目にジェフリー アーンハートがピット入り口手前でスピンしてクラッシュ。
これでピットにまだ入っていなかった5台だけが大きく得をすることに。
特に恩恵を受けたのはプレイオフ当落線上のリッキー ステンハウス ジュニア。
20位以下にとどまりポイントの上積みが望めなかったはずが、
これで一気に3位に浮上してしまいます。
レースはバリア修復のため赤旗でしばし中断、このコーションで
フリー パスを手にしたのはトゥルーエックス。
エリック アルミローラのクルー チーフ・ドリュー ブリッケンズダーファーは思わず
「78がフリーパスもらうのっていつ以来なんだろう」
結局ステージ1はこの大シャッフルのせいもあり、ブラッド ケゼロウスキーが
ステージ優勝、ステンハウスはなんと4位で7点獲得しました。
ステージ2はピットで順位を上げたカイルを先頭に始まりますが、
やっぱり速いラーソン。カイルはロングランが今一つなようで後退していきます。
167周目、リード ソレンソンのエンジンが壊れたようでオイルが撒かれてコーション。
先ほどのステージ間コーションでウエーブ アラウンドを受けてラップ バックした
ドライバーたちにとっては、燃料切れが近づいていたので良いタイミングでした。
結局ステージ2はラーソンが速さを見せ続けてステージ優勝。
トゥルーエックスにプレイオフ ポイントを取らせるわけには行きません。
この後ピットも先頭で出たラーソンでしたが、なんとその後に
燃費走行していたらエンジンが再始動しないトラブル発生。
隊列の数台に抜かれてから再始動しましたが、1位の位置に戻ることは
認められず、3列目リスタートの憂き目に。
これでエリオットがタナボタでリーダーとなってステージ3が始まります。
リスタートで外からトゥルーエックスに被せて順位を守ったエリオット。
その後はトゥルーエックスすら引き離して一人旅、初優勝がちらつき始めます。
一方プレイオフ争いはステージ2以降苦戦するステンハウスと
ライアン ニューマンが数点差で争う構図となりますが、
ステンハウスもリード ラップの最後方でこれ以上失う点があまりなく、
ニューマンもこれ以上抜けないので、2~4点差で膠着状態に。
ステンハウスはアジャストが外れて悪化したらしく、順位を守るだけで精いっぱい。
321周目、ステンハウスはとうとうエリオットに抜かれて周回遅れとなり、
この後のコーションのタイミング次第では、周回遅れ同士の
順位争いでさらに順位を落とす危険にさらされます。
ピットサイクルが始まるとニューマンは早めの動きでアンダーカットによる
状況打開を狙います。
一方ステンハウス陣営は、無理せずニューマンに作戦を合わせるのが無難ですが、
最初のスティントと同様に引っ張っていく作戦をあえて採った模様。
ただ、結局このサイクル中に波乱は起こらず、プレイオフ争いははやり
3点差前後の状態。
リーダー争いはピット後もエリオットが盤石のリード。
ただ、2位にはカイルが上がってきています。カイルはさっきまで
ロングランで落ちていましたが、この少し前のリポートでは
「タイトだ」というカイルの声に、クルー チーフのアダム スティーブンスが
「後から自分たちに良くなる」と返答しているとのこと。
ロングランを見越してややタイト目の車にアジャストして来たと思われ、
リアが落ちてくる後半にバランスが取れてくる可能性があります。
そして、残り40周では4秒以上あった両者の差が、残り20周では
2秒以下にまで接近。エリオットはリアのグリップが失われつつあるように見え、
片やカイルは外側のラインをきちんとトレースしているように見えます。
残りが10周となるころにはもう0.5秒程度の差になり、エリオット絶体絶命。
さらに運の悪いことに、目の前にリードラップ最後尾のニューマンがいます。
このままでは2点差でプレイオフ脱落のニューマンは意地でもリードラップを
守りたいので譲る気が無く、しかもニューマンのライン取りがちょうど
エリオットにとって出口で踏みづらいライン。
カイルもさすがにダーティー エアーの影響か急激な接近ではなくなったものの、
ひたすら外ラインでチャンスを伺います。
そしてニューマン以外にも車が出てきた残り2周、さらに立ち上がりが
遅れたエリオットにカイルが外から並んでリーダーに。
そのまま残る1周を守り切って先週に続く2連勝となりました。
カイルはドーバーでは3勝目、通算42勝目、プレイオフ ポイントを
一気に稼いで、次ラウンドは3041点の持ち点でスタートです。
エリオットはルース気味の車で、ずっとインを走っていて今さらいきなり
外を走るわけにもいかない状況だったかもしれませんが、
スポッター、クルーチーフももうちょっと何かアドバイスを
してあげられなかったかな、という気もしました。
そして当落線上の争いは、結局最後まで状況は変わらず、ギリギリで
ステンハウスが次ラウンド進出。
ダニカ パトリックも「リッキーの状況はどうなってるの?」と
無線で質問していたようで、彼氏が気になっていたようです。
もしあのコーションが無ければステージでの7点が無く、
完全に脱落していました。
これで、ニューマン、オースティン ディロン、ケイシー ケイン、カート ブッシュが
脱落となりました。
次戦はシャーロットです。